#漢
▼チョウセンアサガオの咲く夏 / 柚月裕子(Kindle版)
日本一漢らしい女流作家、柚月裕子の新作は11篇からなる短編集。
この作家の短編集はおそらく初だと思うのだが、この中の数本はアンソロ
ジー系の作品で発表済みのモノ。読み終わった後に気付いたけど(^^;)。
相変わらず、「漢」を感じさせるハードボイルドな雰囲気は健在。特に、
やや古い時代を描いた『泣き虫の鈴』『影にそう』は、その世界観が顕著
で、ずっしりとした重厚感が。この2篇だけで、ちょっとした長編を読ん
だ気分にさせてくれるのは凄い。
他にも佐方貞人シリーズのスピンオフや、珍しいブラックユーモアなど、
バラエティに富んだ内容なのだが、注目はあの【おそ松さん】のキャラを
登場人物とした『黙れおそ松』かな?コレはかなり笑えます。
少しとっちらかった感こそあるモノの、短編集として見れば良作揃い。
完全新作の繋ぎに是非!