猪木伝説の真相

#人の人生をカンタンに変える男


▼猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯 / V.A.

僕が何十冊か所持している「猪木本」に、また新しい一冊が加わった。
宝島から出る猪木本だから、もちろん証言シリーズの形式を踏襲。
「不世出」と表現される史上最高のプロレスラーアントニオ猪木
ついて、その周辺に居たプロレスラーや関係者へのインタビューをま
とめたモノ。驚くべきは、猪木本人もインタビューに応えていること。

物心がついた頃から今に至るまでアントニオ猪木は僕の「神」である。
猪木が黒と言えば白いものでも黒だし、猪木が右に行けば当然自分も
その方向に進む。「猪木信者」というのは本当によくできた言葉で、
同じような感情を抱き続けて今に至っている同士がウジャウジャ居る。

アントニオ猪木はプロレスを「たかがプロレス」にしなかった人
僕はテレビで猪木の大一番を見る度にどんどん魅了され、取り返しの
付かないところまで来てしまった。総合格闘技やボクシングにも印象
的な試合は幾つもあるが、それよりも真剣に見ていたのが一連の異種
格闘技戦大木、シン、ハンセン、ラッシャー木村らとの闘いで、今
になっても一連の流れを思い出せる。たかがファンである僕がそうな
のだから、同業者であるプロレスラーたちの猪木へのリスペクトは相
当なもの。どのインタビューを読んでも、それを強く感じた。

そんな猪木だが、さすがに残された時間はそれ程多くない気がする。
もし猪木に何かあった場合、僕がどんな精神状態になるのか皆目見当
が付かない。ずっと大好きだったプロレスから離れるとしたら、その
時なのかなぁ、という気もするが、果たして・・・。

この本を読んでも、いわゆる「謎」は解明されない。しかし、僕と同
じくアントニオ猪木に人生を変えられた人たちは読まずには居られな
い筈。特に佐山聡、前田日明、藤原喜明のインタビューは必読。
かなりイケます、この本。

パンクライナーノート

#Punks Not Dead


▼パンクライナーノート / 森脇美貴夫

このところオリジナルパンクの楽曲を多々聴いているのだが、その途中
フッと思い出した本が↑↑コレ。若かりし頃に熟読した本で、今でも
どこかにある筈なのだけど、探索は困難(^^;)なので古本を当たってみた。

懐かしきJICC出版(現宝島社)から発売された音楽本。
著者の森脇美貴夫とは、音楽評論家にして雑誌「DOLL」の編集長。そし
てインディレーベル「City Rocker」の主宰者であった人。今現在、存命
なのかどうかもハッキリ知らないのだが・・・。

昔はこの本に載っているレコードが全て欲しかったことを思い出す。
あの頃、この手のジャンルのレコードは当然レンタル屋には存在しなか
ったし、FMラジオでオンエアされる機会もほぼ無かった。従って普通
に購入するしか聴く方法は無かったのだが、その頃には既に廃盤だった
りするからタチが悪い(^^;)。新宿の中古レコード屋で見掛けても、法外
なプレミアが付いてたりしたから、指を咥えるしか無かった。

じゃあ、今ならどうか?と言うと・・・。
Apple MusicSpotifyAmazon Musicでは、オールドな音源がかなり
の確率で発見出来る。ピストルズダムドジャムも、なんならDEVO
ゲイリー・ニューマン定額普通に聴ける価値観の問題はともか
くとして、なんとすばらしい時代になったことか。

ただ、この本に載っているアルバムはおおよそ聴いていたことも判明。
音楽にある程度お金を使えるようになってからも僕の音楽的な趣向は殆
ど変わらず、知らぬ間にパンクライナーノートをなぞっていたらしい。
それが確認出来ただけで、ちょっとした満足感が。

Punks Not Dead.
この言葉、もしかしたら今の世では死語なのかもしれないが、おそらく
僕はずっと引き摺ったまま最後を迎えると思う。そりゃあパンクは死な
ない。何故なら僕は、きっと死ぬまでパンクを聞き続けるのだから。

新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街

#歌舞伎町が歌舞伎町らしかった頃


▼新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街 / 吾妻博勝(Kindle版)

久しぶりに読むべき本に困ったので、Unlimitedで表示されたノンフィ
クションを選択。タイトルには馴染みの「歌舞伎町」。これは面白そう
だ、ということで。

基本的には1990年代前半の歌舞伎町のエピソード。
この頃に歌舞伎町で暗躍した外国人マフィア、具体的には中国・台湾・
韓国・コロンビアなど、いかにも歌舞伎町に居そうな怖い人たちが総力
取材されている。

何よりも「恐ろしい」と思ったのが、登場する外国人マフィアや日本の
ヤクザではなく、著者・吾妻博勝氏の取材方法。あの歌舞伎町で毎晩の
ように酒を呑みながら外国人ホステスに話を聞き、時にはクスリの密売
現場にまで踏み込む一般人。想像するに、見た目がその筋の誰よりもソ
レっぽく見える人(^^;)のような気が。でないと、こんな取材絶対出来
ない気がする。

正直、この時期の歌舞伎町にはあまり足を運んでいない。だからこそ、
その「怖さ」リアリティを感じるし、今よりも間違い無く歌舞伎町に
「活気」はあったのだと思う。良い悪いはともかく、その雰囲気こそが
新宿・歌舞伎町なのだ、と改めて感じた次第。

・・・まぁ、今の歌舞伎町もけっして悪い感じでは無いのだけど。

年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで

#文化系プロレスの進化論


▼年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで
/ 高木三四郎(Kindle版)

今や名実共に「業界第2位」の立場を確立した感のあるDDT
飯伏幸太ケニー・オメガを発掘・育成し、両名に退団されても勢いは衰
えず、新たなスターをバンバン産み出すDDTの「大社長」高木三四郎
インタビュー集である。

プロレス団体と言うより、成功したベンチャー企業の社長の本を読んで
いるような感覚。確かにDDTの「やり方」はこれまでのプロレス団体で
は絶対に出来なかったことだと思っていたが、その様をこうやって一冊
にまとめられるとソレが凄い説得力を放つ。この人が出てこなかったら
日本のプロレスはどうなっていたのか?とかを考えると、本当にゾッと
するくらい。

DDTはサイバーエージェントの傘下に入り、今後の大爆発が期待されて
いる。いろいろ考えてみると、企業としての伸びしろブシロードより
サイバーエージェントの方がやや上かもしれない。もしかしたら、本当
新日本プロレスを超えることが出来るかも・・・。そんな可能性を感じた。

プロレスファンのみならず、企業経営者が読んでもきっと面白い。
ベンチャーのなんたるかをちゃんと解っている「大社長」。この言葉は
聞くべきだな、マジで。

ひよっこ社労士のヒナコ

#労務ミステリー


▼ひよっこ社労士のヒナコ / 水生大海(Kindle版)

Kindleのリコメンドに出てきた作品。
小説のタイトルに「社労士」の文字が躍る違和感に惹かれ、思わず購入。
もちろん水生大海の作品は初めて。

新卒で就職が叶わず、派遣でOLとして働き、一念発起して国家資格であ
社会保険労務士となった朝倉雛子・26歳が主人公。ちなみに社労士と
は、企業の依頼を受けて労働問題の相談に乗ったり、社保・年金などの
管理・アドバイスをする有資格者を指す。

僕はこれまで社労士が入るような会社で働いたことが無いのだが、故に
経理関係の雑務を自らこなすことはママある。したがってこの手の仕事
どんなに面倒かはよ〜く知っており、ソレのスペシャリストになろう、
などとは夢にも思わない(^^;)。だからこそ、若干26歳で資格まで取り、
初々しくも一生懸命仕事をする主人公が可愛くて仕方ない。まるで親に
でもなったかのように、「オイオイ、それは違うよ」とか「大丈夫だ、
ガンバレ」とかイチイチ思ってしまった。

正直、国を挙げてコンプライアンスを声高に叫ぶ今の風潮には納得出来
ない部分もあるのだが、間違い無く現実でも起こりうる事象がこの作品
の中に多々ある。大きくなりつつある会社の経営陣はきっと参考になる
と思う。

・・・ウチは当分要らないなぁ、社労士(^^;)。なんつっても一人だから。