たとえば孤独という名の噓

#China Power


たとえば孤独という名の噓 / 誉田哲也(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コレも入院中にまとめ買いした電子書籍の中の一冊。
しかし、僕の“本命作家”の一人である誉田哲也新作(昨年11月発売だけ
ど^^;)で、楽しみに取っておいた、というのが正解。他作品を諸々を読了
し、ようやく読み始めたのだが・・・。

全5章からなる長編ミステリー
1章を読み終え、2章のアタマくらいまで読んだ時は“連作短編”と勘違いし
たが、紛れもなく一連な物語。章ごとに語り部が変わり、新しい“事実”
次々と積み重ねられて行く。前章で決定的だと思った“犯人”が次章で覆さ
れるので、事態は混沌の極みに。最後に「まさか?」の真実が露わになる
様は、いっそ清々しさすら感じる。

氏お得意の警察小説であり、所轄警視庁捜査一課はもちろん、公安も出
てくる“全部入り”。誉田哲也作品で「公安」が登場する作品は、ジウシリ
ーズを始めとした「重たい作品」が殆どなのだが、この作品はソレらに比
べれば幾らかライト。どちらかと言えば、緻密なストーリー構成どんで
ん返しを幾つも乗せた、良質なミステリーに仕上がっている。

そして、今回のネタが『中国』というのも興味をそそるポイント。
この作品の中で描かれる中国という国と、そこが行っている諜報活動の様
子が、彼の国の“真実”に近いモノであるのかどうか、本当のところはもち
ろん解らない。ただ、「実際もこんな感じなのでは?」と思わせてくれる
圧倒的なリアリティ。コレはもうさすがとしか言い様が無い。

姫川玲子などの有名キャラこそ出て来ないが、それでもノンストップで読
みたくなる快作。この作家のブレなさはすばらしいな、マジで。

カフネ

#本屋大賞


カフネ / 阿部暁子(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入院中まとめ買いした電子書籍の中の一冊。
阿部暁子作品はもちろん初めてなのだが、購入の決め手は2025年本屋大賞
受賞作である、ということ。そういえば、同じ頃に購入した「成瀬」も前年の
大賞作品だった。成瀬には相当刺激を受けたが、果たしてこちらは・・・。

主人公・野宮薫子は中年の域に達した公務員溺愛していたが若くして
し、絶望のどん底まで落とされるも、弟の残した「遺言」に従い、遺産
相続すべく、彼の恋人であった小野寺せつなに会うことに。薫子はせつなの
慇懃無礼な態度に憤るのだが、疲労が祟りその場で倒れてしまう。実は薫子
はごく最近離婚を経験しており、荒んだ生活を送っていた。無愛想だったせ
つなだが、薫子を家まで送り届けることに。そこでせつなが薫子に振る舞っ
料理絶品で・・・という導入

ザックリ言えば、世代の違う女性同士「対立」から始まる「友情」を描い
た作品かと。とはいえ、単純なヒューマンストーリーだけと言うワケではな
く、ちょっとしたミステリー要素も含まれている。もちろん、本屋大賞受賞
作に相応しい「濃い人間ドラマ」圧巻で、読み応え充分。だけど・・・。

実は入院中から少しずつ読んでおり、読了したのはつい最近(^^;)。
僕はかなりの速読を自負しているのだが、それでもこの作品の“文章量”
に余るほど(^^;)。まぁ、冒頭の導入解説がこれまでになく長くなってしま
ったのもソレが原因かも。個人的にはあまり問題は無いのだが、読む人によ
っては冗長に感じてしまうかもしれない。この作品に敢えて弱点を挙げると
するのなら、そのあたりなのかも。

とはいえ、本屋大賞に相応しい作品であるのも事実。逆に言えば、ガッチリ
読書を楽しみたい人にも向いている作品だとも思う。「アオハライド」など、
有名な著作もあるので、機会があれば読んでみようかな・・・。

波瀾万丈な頼子

#リテラシー


波瀾万丈な頼子 / 真梨幸子(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入院中に入手した真梨幸子新作。といっても、発売は10月頃だったらしい。
なんなら真っ先に読んでもおかしくない作品なのだけど、さすがに身体、そして
心まで弱っている時に幸子サマの作品を読むのは危険、と判断(^^;)。無事退院し
た後に一気に読んだのだが、コレは正解だった。

今回の素材はその実態すら定かでない「シルバー系YouTuber」孤独貧困生活
をアピールする老人がYouTubeにてライブ配信を繰り返し、投げ銭にて生活支援
強請る、というあまりにトホホな状況(^^;)。冷静に考えればあり得ない状況な
がら、コレにカネを払ってしまう人が何故だか多々登場(^^;)。そうこうしていく
うちに、関係者が次々と・・・という感じ。

相変わらず、凄まじいまでのイヤミス(^^;)。
最近の幸子サマ作品は、ミスリードを誘う作風が多くなっていた感があったにだ
が、今回は完全に原点回帰し、ドロドロ系イヤミス再シフトオチに関して
は、途中で読めてしまったのが残念だが、「迂闊な人間たちの末路」を堪能させ
てくれる、実に真梨幸子らしい作品

さすがにコレ、心が弱った時に読むと、同調圧力に屈していた可能性大(^^;)。
心身共に充実している時に読むことを強くオススメします。凄いけど(^^;)。

ステレオ時代neo

#オーディオ専門誌


この入院中、担当医からの指示は基本的に『安静』。従ってトイレ以外で動き回るこ
とは出来ず、医療用ベッドの上でジッとすることを余儀なくされている。なので、出
来ることと言えばMBAによる動画視聴iPadによる読書くらいしか無いのだが、これ
幸いとばかりに久々に↓↓この専門誌バックナンバーを読み漁っている次第。

ステレオ時代neo vol.10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前読んでいた「ステレオ時代」が、「ステレオ時代neo」に進化。
・・・いや、進化でなくて焼き直しの可能性が高い(^^;)のだけど、気持ちを新たにコレ
が読めるのは、結構嬉しいかも。

というのも現状試行錯誤して楽しんでいるのが正に「レガシーオーディオ」であり、
この手の知識はやたら欲しているモノ。neoになり、10冊分もUnlimited扱いになっ
ているので、コレはもう最高の暇つぶし。なのだけど・・・。

・・・試したいことがいっぱいあるので、一刻も早く退院したいところ(^^;)。
まずはハードオフあたりでYAMAHAのスピーカー、NS-10Mを探したい!絶対にどこ
かの店舗で見てるんだよなぁ、あの白いウーファー(^^;)。ジレンマだなぁ、コレ。

地雷グリコ

#頭脳バトル


地雷グリコ / 青崎有吾(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたらUnlimited強化月間、次に選んだのは2024年『このミステリーが凄い』
ぶっちぎりの1位を飾った上、日本推理作家協会賞山本周五郎賞まで獲得した、
“わりと”本格ミステリー

これはハッキリと“頭脳バトル”モノ。
カンタンに言えば、テレビドラマの『ライアーゲーム』、マンガの『カイジ』辺り
同系統の、特殊ルール下で行われるゲームバトルの模様が5篇掲載。ココで連戦
連勝を重ねるのが、本作の主人公、女子高生射守矢真兎(いもりや・まと)で、
彼女の神懸かった勝負強さが存分に楽しめる作品。

・・・いや、おもしろいと思う。
どのゲームもミステリー好きにはたまらない展開に終始してくれるし、謎解きの
ロジックに破綻は一切無く、どれも納得出来るエピソードとしてまとめているの
は掛け値無しに凄い。だけど・・・。

・・・いやぁ、状況整理が正直めんどくさい(^^;)。
何かが起こる度に数ページ読み返さなければならない、というのは、今の僕には
ちょっと厳しいかも(^^;)。考えることが必要な作品を選んでしまった僕のミス
コレは退院したら読み返しだな、うん。