日本懐かしテレビ大全

#今週のスポットライト


▼日本懐かしテレビ大全 / V.A

昨年暮れ、レビューを書いた「日本懐かしラジオ大全」と一緒に書店で購入
したタツミムック・懐かしシリーズの一冊。ラジオの次はやっぱり“テレビ”
ということになる。

1970〜80年代に放映されていた各種のテレビ番組を、【バラエティ・音楽
・ドラマ・子ども】4ジャンルに分けて紹介する作品。ブラウン管を搭載
したテレビ『一家に一台』の時代に入り、同時にオンエアされる番組の内
容が大きく広がった頃。誤解を恐れずに言えば、テレビがいちばん面白かっ
た時代をまとめた本である。

「ラジオ」には正直聴いていなかったプログラムもあったが、ここで紹介さ
れているテレビ番組はほぼ全てに覚えがある。僕らの世代がいわゆる「テレ
ビっ子」の始まりであり、隙があればテレビを観ていたハズ。共感度に関し
ては、ラジオの非ではない。

印象に残ったのは、音楽番組の章。
今ではめっきり数の減った王道の音楽番組は、あの頃毎日必ず1本はオンエア
されており、子どもたちが音楽に出会う機会はほぼテレビだった。黒柳徹子
久米宏「ザ・ベストテン」に関しては、かなり長い間オリコンビルボード
以上の権威を持った番組だった。もっとも、後になってこの番組の【点数】
相当いい加減だった、という事実を知ることになるのだが(^^;)。

もちろん他の章も懐かしさ満載で楽しめるのだが、惜しむらくはもう一つの
重要なジャンル『スポーツ中継』が抜けていること。かつては視聴率を稼ぎ
まくったキックボクシングローラーゲーム、もちろんプロレス中継などの
コラムも読みたかった気がする。

しかし、同年代に日本で暮らした輩であれば楽しめること請け合い。
・・・ねるとん紅鯨団だけは絶対に認められない(^^;)けど。

ステレオ時代

#オーディオ専門誌


▼ステレオ時代 vol.17(Kindle版)

ここ最近、ヒマがあればダウンロードして読んでいる専門誌
タイトルから想像出来る通り、オーディオ関係の雑誌なのだが、基本的に
70〜80年代のイクイップメント、具体的にはカセット・レコード・ラジオ
高品位に聴くための機器をネタにしているところがポイント。

今この世にかつての【オーディオマニア】という人たちが存在している、と
いう嬉しい事実が確認出来るだけでも存在意義のある雑誌。特に僕らの世代
には馴染みの深いカセットテープカセットデッキを特集した号は凄まじい
までの偏愛が感じられる。

誤解の無いように明言しておくと、僕は別に過去テクノロジー絶対主義者で
は無い。mp3プレーヤーはiPod登場以前からいち早く使用していたし、ハイ
レゾ音源の聴ける環境もしっかり構築している。それでも、アナログ時代に
その最強を極めようとしていた職人たちの『仕事』には、強烈なシンパシー
を感じてしまう。

こういう雑誌が不定期とは言え継続刊行されている、という奇跡
しかも、Kindle Unlimitedでバックナンバーが全てサブスクで読める、という
のはあまりに幸せな状況。今のところ全19冊、感謝して読んでます!

一九六一 東京ハウス

#イヤミスの教祖 #ミスリードメーカー


▼一九六一 東京ハウス / 真梨幸子(Kindle版)

半年ぶりの真梨幸子新作。
まずは2021年もしっかり3作品を読ませてくれたことに感謝。この絶妙な
スケジュール感、ファンとして非常に助かります!

そして感想なのだが・・・。
まずこの作品、過去の真梨幸子作品の中でも3本の指に入るほどの傑作
気が。とにかく衝撃が凄まじく、コレは他の誰かにも是非読んで欲しいの
で、極力ネタバレしないよう心がけるので念の為。

ちょっと前まで大流行していたTVプログラム【リアリティショー】
制作過程と、そこで起きる予想外の事件を描いたモノ。とにかく登場人物
の全員が一癖も二癖もある人ばかりで、もちろんそれらに留意し、「騙さ
れないぞ!」という気持ちで読んでいたのだが、全く考えの及ばない恐ろ
しいラスト。読後に思わず口をついて出た言葉が「すげぇ・・・」
ハッキリ言って天才の所業

もちろん真梨幸子作品なので、全編に悪意、そして最低な欲望が渦巻く。
ここまでキャリアを重ねた作家なら、テイストの違う作品を出しても良い
と思うのだけど、相変わらず『ブレていない』。とにかく読者が真梨幸子
に求めているモノをしっかり把握した上で、ミステリーとしての完成度
極限まで高めている。

もう一度言うが、コレは絶対に読むべき
2021年最後の最後に傑作に出会えた事実と、僕が個人的に忌み嫌ってい
【リアリティショー】に楔を打ってくれたことに感謝。
・・・もきっと、報われる。

日本懐かしラジオ大全

#ビバヤング


▼日本懐かしラジオ大全 / 川野将一

久しぶりのタツミムック・懐かしシリーズ、今回のネタは“ラジオ”
ハードウェアとしてのラジオではなく、昭和期に放送されていたラジオ番組
いわゆる「深夜放送」と呼ばれたプログラムに焦点を当てたモノ。

ザッと読んでみて思ったのだが、僕は思った以上にラジオを聴いて居なかっ
、という事実にクラッと(^^;)。この本に載っている番組で定期的に聴い
ていたのはニッポン放送・ビートたけしのオールナイトニッポンくらいで、
あとはもう少し早い時間、21時〜22時台の番組が中心。確か雑誌の付録に
付いて来たゲルマニウムラジオイヤホンを使っていた気がする。

しかし、ラジオ番組から派生した書籍は凄く読んでいたような・・・。
思いつく限りで言うと『谷村新司の天才・秀才・バカ』とか『鶴光の新か
やくごはん』とか。当時数多く出版されていた文庫サイズのこの手の本は、
あの頃の絶好の会話ネタ。ラジオより書籍だったんだなぁ、やっぱり。

それでも、ズラリと並んだパーソナリティは豪華の一言。
局アナから有名どころの芸能人まで、ありとあらゆる人たちが力を入れま
くっていたラジオ全盛の時代をしっかり思い起こすことが出来たのに感謝。
・・・今回がラジオなら、次はやっぱりアレだ!

『FMステーション』とエアチェックの80年代

#番組表2週間分


▼『FMステーション』とエアチェックの80年代 / 恩藏茂(Kindle版)

表紙見覚えのあるデザインに惹かれ、思わず購入したノンフィクション。
著者の恩藏茂氏は、伝説のFM雑誌「FMステーション」元編集長

僕らの世代には確実に響く【FM雑誌】【エアチェック】というワード。
好きにレコードを買うのが贅沢過ぎた時代、楽曲を手元にとどめておく
はラジオやテレビを『カセットテープに録音』、つまりエアチェックする
のが唯一の手段。特にFM放送はナレーションを被せずに1曲を通してかけ
てくれることが多かったから、当然ヘビーに聴くようになる。そして今で
は信じられないかもしれないが、数誌刊行されていたFM雑誌の番組表には、
たっぷり2週間分、番組でかかる曲のタイトルやアーティスト名まで掲載。
故に、FM雑誌とは“なくてはならない雑誌”だったことになる。

そんなFM雑誌全盛期、後発なのに驚異の売上を誇った「FMステーション」
その編集長が語る80年代懐かしい上に魅力に溢れており、この時代を
体感出来たことは凄く“貴重”だと思った。

・・・というのは、この本を読んでいることを10歳下の後輩に話したところ、
全くピンと来ていなかった(^^;)から。生まれた時期がたった10年違った
だけで、FM雑誌の存在意義が理解出来ない、ってのは、ちょっとショック
でもあった。

この作品にはFM・エアチェック時代が終焉を迎えた原因が幾つか書いてあ
るのだが、個人的にトドメを刺したのは良くも悪くもJ-WAVEが原因かと。
バイリンガルなナレーションクロスフェードはそれまでのFMを破壊し、
録音しよう!、という気を根こそぎ削いだ。まぁ、どうしても録音したく
なるプログラムが無かった、というのもあると思うのだが。

ちなみに、僕は『FMレコパル』派(^^;)。
マンガがあったのが良かったんだよなぁ、実は(^^;)。