シュートマッチ

#10+1の対談


▼シュートマッチ・プロレス「因縁」対談10番勝負 / V.A

お馴染み、宝島プロレス本
以前は酷い内容の業界内幕暴露関係が殆どだったが、今ではそこそこ
優良系の読み物をリリースするようになった・・・のだが、ココに来て
ちょっとヤバそうなタイトルの作品。

これまでにプロレス界で勃発した「シュートマッチ」を集めて検証し
た本・・・ではなくて、関係者同士10(と、オマケが1つ)の対談
集めたモノ。因縁のありそうな人たち同士がシュートで語る、という
内容なのだが、特にヤバいモノは一切無い(^^;)。

逆に、清々しいというか微笑ましいというか(^^;)。
特に前田日明・ジョージ高野の昭和新日本ほぼ同期の2人による対談
は興味深く、前田が昔の新日本プロレスにどれだけ愛着を持っていた
のかがよく解る内容。プロレスラーとしての評価では完全に差が付い
た2人ではあるが、根っこのところでリスペクトしあっているのが嬉
しい。これが読めただけでもうOKかもしれない。

ただ、最近の宝島プロレス本と比較すると、若干パワー不足かも。
検証シリーズのような緊張感が見られないのは宝島らしくない。もう
ちょっとだけ下品になってもいいような気がするけど・・・。

クスノキの番人

#東野ファンタジー


▼クスノキの番人 / 東野圭吾

東野圭吾の新作。
帯にある通り、「秘密」「時生」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の流れを汲
ファンタジー小説。うだつの上がらない生活を送っている青年が、
ひょんなことからある神社巨大クスノキ番人を務めることに。
パワースポットとして知られるクスノキには秘密があって・・・という
内容。

東野圭吾のファンタジーは当然全て読んでおり、どの作品からも強い
影響を受けている。つまりどれもこれも最初から最後まで鋭く面白か
ったのだが、今回はちょっと・・・という感じ。

問題はおそらく物語前半。いや、おもしろくないワケでは無いのだが、
何故か他の作品に比べて展開が冗長気味。ハッキリ言えばテンポがゆ
ったりで、集中して読むのが少し辛い。

しかし、後半以降のたたみかけるような展開はいつもの東野圭吾。
クライマックスで明かされた事実にはかなり意表を突かれたし、そこ
に至るまでの重要な要素としてのゆったり展開だとすれば納得が行く。

読むのに少々時間がかかったが、最後にはやっぱりスッキリさせてく
れるのが東野圭吾が天才作家である由縁。出来れば次は、ハードなミ
ステリーが読みたいなぁ・・・。

ONE PIECE 96

#全伏線、回収開始


ONE PIECEの最新刊、巻九十六「煮えてなんぼのおでんに候」が本日発売。
今回はロジャー・白ひげ・おでんの登場する回想シーンがまるごと描かれ
る、やたら重要な一冊となっているのだが・・・。

コレに合わせ、TVCMのオンエアも開始。
「全伏線、回収開始。」のキャッチに偽りは無く、否が応にも盛り上がる。

まだカイドウ・オロチとの全面対抗戦状態にはなっていないが、この壮大
なワノ国篇が終了したら、倒すべき敵はあと一人。意味深なままフェード
アウトしているシャンクスや、どうやら酷い目にあっていそうなビビの件
も気になるが、長い物語もいよいよクライマックスなのかもしれない。

しかし、ワノ国篇は飽きないなぁ・・・。

▼ONE PIECE 96巻 / 尾田栄一郎

獣神サンダー・ライガー自伝・完結編

#Thank You Liger


▼獣神サンダー・ライガー自伝・完結編 / 獣神サンダー・ライガー

3年ほど前にレビューした獣神サンダー・ライガー自伝・上下巻に続く
3冊目は「完結編」。下巻では2000年から2017年までのライガーを振
り返る内容だったのだが、今回はそこから引退までのストーリー。

基本は前半がライガーへのロングインタビュー、後半が引退試合に絡ん
だ選手たちとの対談。唯一、最後の相手だった高橋ヒロムのみ、単独で
インタビューに応えている。

ライガー関連では引退記念で各種の書籍がリリースされ、ほぼ全てを読
破してきたが、どうやらこの作品で打ち止め。決定版と呼んでおかしく
ない内容になっている、と思う。

・・・やっぱりライガーは最高のプロレスラーであると同時に、人間として
尊敬に値する人だな、と心から。インタビューの端々から感じるのは
業界に対する「大きな愛」以外の何物でも無いし、駄目なモノはダメで、
良いモノは良い、と評価する姿勢はデビューから引退まで終始一貫した
姿勢。現役を退き、現在YouTuberとして活躍するライガーは終始朗らか
だが、相変わらず人の心を捉えて離さないオーラを醸し出している。

こういう大人が、僕はいちばんカッコイイと思うんだよね、本当に。
引退試合からもう3ヶ月くらいが過ぎるけど、改めてライガーと同じ時代
に生まれて良かった、と心から。

何度でも言えるなぁ、「ありがとう!」と。

昭和プロレス正史(下)

#フミヒコナラティブ


▼昭和プロレス正史 下巻 / 斎藤文彦(Kindle版)

やや迷ったが結局速攻で下巻を購入したフミ・サイトーの大作。
その時代毎に重要とされる記事、いわゆる活字プロレスを並べて昭和
プロレスの歴史を語る、という手法は上巻と同じだが、こちらはアン
トニオ猪木ジャイアント馬場が日本プロレスを脱退し、それぞれが
独立した時代以降がテーマ。感情移入がし易くなるのと共に、覚えて
いる記事が幾つもあった。

感慨深いのはやはり猪木・アリの世紀の一戦に関する記述集。
あの頃はまださすがにプロレス雑誌を購読する習慣はなかった筈なの
だが、どういうワケだか「猪木が非難囂々の状態にあった」というの
は理解していた。僕にとっては試合内容云々よりも「猪木が負けない」
ことの方が重要であり、皆が「退屈」と表現した15ラウンドを、固唾
を呑んで見守っていたから、引き分けに終わった時は正直ホッとした。
更に「次やれば猪木が勝つ!」と信じていたから、あの酷評の嵐には
幼いながらも憤りを感じたことを覚えている。

一般紙やスポーツ紙が報じた酷評、それがどんな記事だったのか?が
大まかに理解出来ただけでも収穫だが、何よりも普段から“猪木嫌い”
を自称していたライターの菊池孝さんが、しっかりと中立の位置です
ばらしい観戦記を書いていた事実が嬉しい。この記事が読めただけで
この本を買った甲斐があった気がする。

フミさん自身の書いた前田日明ブルーザー・ブロディの記事も秀逸。
一言一句では無いが、それを殆ど覚えていた僕の無駄な記憶力にちょ
っと呆れもしたけど(^^;)。

上下巻、もの凄いボリューム。
電子書籍だと束が解らないのだが、先日水道橋の書店でこの本を見て、
その分厚さにちょっとビビったほど。僕ら世代のプロレスファンは読
んでおくべき大作。凄かったです!