#シングルマザーの出来るまで
久しぶりに電車移動の日が続いていたので、サラッと読める本を物色。
で、Unlimitedに垣谷美雨の名前を見つけたので、読んでみることに。
旅行代理店に勤める四十歳・独身のキャリアウーマンが、海外出張先の
ホテルでイケメンの二十代後輩男子社員と一夜を共にしてしまい、結果
妊娠。コレが子どもを産む最後のチャンス、と判断し、シングルマザー
への道を決心。ところがコレにはいろいろ問題があって・・・という内容。
いつもの垣谷作品同様、物語のテンポは小気味よい。構成もしっかり練
られており、当初の「サラッと読む」目的にはしっかり合致した。が・・・。
・・・う〜ん、主人公にちょっと共感出来ない感(^^;)。
産む人とその周辺の人たちの心情は丁寧に描写されているのだけど、こ
れから生まれて来る子どもの未来についてはほぼ触れられていない。
果たしてこの主人公の”産む”という決断が正解なのか?と問われると、
僕は疑問符を付けざるを得ない。だって、生まれて来る子どもの「幸せ
になる権利」の何割かは絶対に最初から失われるワケで、その可能性の
ある状態で子どもを産む、というのは、酷いエゴな気がする。
もちろん主人公がしっかり子育てしてくれることを願うが、昨今に頻発
している幼児虐待のニュースなどを見ると、もしかしたら?とか思って
しまうんだよね、僕は・・・。
文章量も丁度良く、読みやすい本だけど、ある意味考えさせられる。
・・・狙ったんだとしたら、凄ぇな、垣谷美雨って。