#ちょこっと西遊記
▼楽園の楽園 / 伊坂幸太郎(Kindle版)

少し前の伊坂幸太郎作品。
実はコレ、「新作」と呼ばれた頃(1月くらい?)に紙の本を購入していたの
だが、そちらはまたもや読まないまま放置状態に。で、現時点でこなしている
現場の少ない空き時間で読書がしたくなり、電子書籍版も購入してしまった。
伊坂作品は『777』に続いての“二重買い”。あんまりよろしくない(^^;)。
西遊記のキャラクターをモチーフにしたダーク寄りのファンタジー。
そういえば伊坂幸太郎、15〜6年前にも西遊記をモチーフにした『SOSの猿』
という作品を書いていたのだが、アチラよりもう少し現実的・・・なのかも。
舞台はおそらく終末感の漂う近未来。
この時代に起こった現象を解決するために政府から秘密裏に選ばれた3名が、
“先生”(お師匠様?)なる人物の救出に向かうお話。3名はもちろん孫悟空
・沙悟浄・猪八戒をモデルにしたある意味での“能力者”。”先生”の気配が残
る場所で彼らが発見したものは・・・という感じ。
大地震やコロナ禍など、最近起こった災害を上手く絡め、一本の線で繋げた
ようなストーリー。氏独特の描写方は相変わらず流麗でカッコ良いのだが、改
めて考えるとゾッとする、という伊坂幸太郎らしい作品。なかなかの読み応え
で、作中に唸ってしまう場面が多々あった。しかし・・・。
短い(^^;)。いや、短すぎるでしょ、コレ(^^;)。
まぁ、紙の本の方も購入しており、その束から短いことは想像出来たのだが、
起承転結の“転”の部分でぶった切って来るとは思わなかった。いや、けして
不快な終わり方では無いので念のため(^^;)。
コレは装丁や挿絵も含めた「一冊の絵本」として楽しむべきかも。だとする
と、電子書籍よりも紙の本の方が宝物感が出るから、そちらをオススメ。
両方買っちゃった僕が言うから間違い無いと思うな、うん。
