#本屋大賞
▼カフネ / 阿部暁子(Kindle版)

入院中にまとめ買いした電子書籍の中の一冊。
阿部暁子作品はもちろん初めてなのだが、購入の決め手は2025年の本屋大賞
受賞作である、ということ。そういえば、同じ頃に購入した「成瀬」も前年の
大賞作品だった。成瀬には相当刺激を受けたが、果たしてこちらは・・・。
主人公・野宮薫子は中年の域に達した公務員。溺愛していた弟が若くして急
逝し、絶望のどん底まで落とされるも、弟の残した「遺言」に従い、遺産を
相続すべく、彼の恋人であった小野寺せつなに会うことに。薫子はせつなの
慇懃無礼な態度に憤るのだが、疲労が祟りその場で倒れてしまう。実は薫子
はごく最近離婚を経験しており、荒んだ生活を送っていた。無愛想だったせ
つなだが、薫子を家まで送り届けることに。そこでせつなが薫子に振る舞っ
た料理が絶品で・・・という導入。
ザックリ言えば、世代の違う女性同士の「対立」から始まる「友情」を描い
た作品かと。とはいえ、単純なヒューマンストーリーだけと言うワケではな
く、ちょっとしたミステリー要素も含まれている。もちろん、本屋大賞受賞
作に相応しい「濃い人間ドラマ」は圧巻で、読み応えは充分。だけど・・・。
実は入院中から少しずつ読んでおり、読了したのはつい最近(^^;)。
僕はかなりの速読を自負しているのだが、それでもこの作品の“文章量”は手
に余るほど(^^;)。まぁ、冒頭の導入解説がこれまでになく長くなってしま
ったのもソレが原因かも。個人的にはあまり問題は無いのだが、読む人によ
っては冗長に感じてしまうかもしれない。この作品に敢えて弱点を挙げると
するのなら、そのあたりなのかも。
とはいえ、本屋大賞に相応しい作品であるのも事実。逆に言えば、ガッチリ
読書を楽しみたい人にも向いている作品だとも思う。「アオハライド」など、
有名な著作もあるので、機会があれば読んでみようかな・・・。