福家警部補の報告

▼福家警部補の報告  / 大倉崇裕(Kindle版)

大倉崇裕福家警部補シリーズ第三弾。
このシリーズ、完璧にハマってしまった模様(^^;)。とにかく「ミステリーを
読んでるぜ、オレ!」という気分にさせてくれるのが良い。細かく言うのなら
サスペンスなんだけど(^^;)。

今回は3篇を収録。
1話が長くなってしまったのだが、相変わらず途切れない緊迫感はさすが。
第三弾の登場人物、つまり“犯人”は、少女漫画家昔ながらのヤクザ、そして
現代版必殺仕事人の老夫婦。どれも違った意味で興味を惹くキャラクターであ
り、それら全てのディテールを深く理解した上でしっかりと書き分けているの
が凄い。トリック暴きの説得力にも磨きがかかり、最早敵無しの状態。

このシリーズの問題点があるとすれば、スーパーヒロインである筈の福家警部
をどうしてもヒールとして見てしまう(^^;)こと。出てくる犯人に純度100%
の悪人、というのが居らず、どちらかといえば止むに止まれぬ状態で殺人を犯
してしまう人が殆どなため、大胆かつ的確な推理で犯人を追い詰める福家が
たら憎らしい場合がある。「お前、空気読めよ・・・」と何度呟いたことか(^^;)。
しかし、今作に関してはその部分に一工夫のある篇が。ちょっとした清涼感
感じました!

いわゆる「倒叙型」(犯人は最初から判明・物語内で追い詰められる)を書く
作家にはこれまで全く当たりが無かったのだけど、大倉崇裕だけは認めるべき。
とにかく面白いし、無駄や無理の無い腑に落ちる構成は本当にすばらしい。
まとめて読んでしまったおかげで残りはあと1作を残すのみ。ちょっとシリーズ
から外れた作品で小休止しようかな?

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