山猫珈琲(下)

▼山猫珈琲 下巻 / 湊かなえ

少し間を空けたが、湊かなえのエッセイ・山猫珈琲下巻を読んだ。
思った通り新聞に掲載されたモノよりも、こちらの雑誌系の方がかなり「自由」
おそらく文字の制限が新聞よりは緩く、思ったことを書きやすいんじゃないかと。
特に第三部“デビュー前夜”はあまりに凄まじい内容で、湊かなえが湊かなえで
ある理由が少しだけ理解できた気がする。

そしていちばんの注目は、特別収録されている2本のドラマ脚本
本当に初期段階の湊かなえの、「小説では無い形態」の作品が、瑞々しい魅力
溢れていることに非常に驚く。特に映像向き「ラスト・エレベーターガール」
は驚きの小粋なラブ・ストーリー。こういう属性があの湊かなえにあることが
かなり意外だった上に、やたらと面白い。なんならこういう小説を1本書いて欲
しい、と思った。もしかしたら、かなりすばらしい恋愛小説になるかも。

上下巻を通しても、やはり少し食い足り無さは感じたのだが、稀代のストーリー
テラー引き出しを確認出来ただけでも大きな収穫。次回作は少し違った感覚で
読めるかも。

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