▼左遷社員池田 リーダーになる / 鈴木孝博(Kindle版)
何故だか久しぶりのUnlimited対象作品。
著者の鈴木孝博氏は元CSKの幹部で、後にUCOMの社長となり、同社の建
て直しを見事に実行したことで知られる、割と高名なビジネスマン。
そんな人がビジネス小説を書いた。しかも読み放題対象。だったら読んで
みよう、ということで取り敢えず。
まず、全体から感じる「熱さ」に関してはかなり悪くない。僕も仕事が楽
しい、と思える瞬間というのは、総じて自分が「燃えている」時。最近は
そういう仕事に殆ど当たっていない(^^;)のだけど、気持ちは非常に良く
解る。故に共感度は非常に高いし、解りやすくて誰でも読めそうな文章は
ビジネスの心構えの書としては優秀だと思う。だけど・・・。
「小説」としての構成は・・・ちょっと稚拙な気が(^^;)。
まぁ、僕がこの手の作品の比較対象としてしまう作家が池井戸潤とかだっ
たりするからかもしれないけど、やっぱりストーリー展開の都合が良すぎ、
残念ながらリアリティが全く感じられない。舞台として中堅のドレッシン
グメーカーをチョイスしたりするセンスや、そこで開発される魅力的な商
品などの素材が良いだけに、その部分が本当に惜しい気が。
やっぱり小説ではなくて、「ビジネス書」として読むべきかも。
それなら少なくとも、ドラッカーの「マネジメント」よりは良い気がする。
・・・まぁ、あっちが僕には解んないだけ、というのも否定しないけど(^^;)。
取り敢えずUnlimitedユーザはご一読を。もしかしたらハマるかも・・・。