肉小説集

▼肉小説集 / 坂木司(Kindle版)

あれ、何年ぶりなの?という感覚の坂木司作品。
調べてみたら、2011年初頭に矢継ぎ早に何冊か読んでいたことが発覚。
わりと好きな作家だった筈なのに、なぜここまで間隔が空いたのか解ら
ない(^^;)。なんか事情があったんだろうか・・・。

そんなお久しぶりの坂木ワールドテーマ短編集
アイテムは「肉」、それも「豚肉」で、それぞれ豚足・トンカツ・バラ肉
・肩肉・ヒレ肉・ハムをモチーフにした短編が6篇収録されている。

実に意表を突くテーマであり、さぞかし美味い豚肉の話が詰まっているか
と思いきや、実は殆どが冒頭で“全く美味しく無さそう”に表現されてると
ころがシニカル。いや、結果的にはどれも美味な結末(除くトンソク^^;)
にはなるのだけど、まさかこのタイトルの作品でこういう内容を持ってく
るとは・・・。そういえば、坂木司ってそうだった、と思い返す。キライじゃ
ないなぁ、やっぱり。

印象に残ったのは肩肉モチーフ「肩の荷(+9)」
僕と同年代の主人公の先の無さぶりが凄まじく、途中で読むのがイヤにな
った程だったのに、最後はジワッとした希望が溢れる。落とすだけ落とし
ておいて突き上げるテクニックは相変わらずで、清々しく“やられた”感が
凄い。やっぱりこの作家、面白いオンナ(予想)だと思う。

この作品には姉妹編があるらしい。しかも、アイテムは鶏肉(^^;)。
まだハードカバー扱いだけど、文庫版が電子書籍になったら是非読みたい。
・・・というか、久しぶりに漁ってみようかな、彼女の作品♪

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