伊坂幸太郎、約1年ぶりの新作。
想像するに・・・だが、この作品、伊坂センセイはいちばん最初にタイトルを
思いついたんじゃないかと(^^;)。駄洒落と言えばダジャレなのだが、発音
すると妙に語呂が良く、無根拠にセンスが良い。伊坂作品としての体裁を、
タイトルの段階で印象づけしてしまうのが凄い。
閑話休題。←オマージュ。
今回の主人公は双子。最高に虐げられ、最悪とも言える人生を送ることを
余儀なくされた2人。にも関わらず、文中から彼らの悲壮感は全く読み取れ
ず、逆にクールさが際立っている。これは間違い無く新たな代表キャラに
なる、と期待したのだが・・・。
もちろん、いつもの伊坂幸太郎ワールドがこれでもか!とばかりに展開さ
れる。何かが起こる度に一喜一憂できる文章と、何気ない感じで振られる
伏線とその回収は本当に見事。今回も最後までハラハラしながら読んだの
だが、クライマックスがあまりに切ない。読み終わった段階で強烈な寂し
さを感じてしまった。
ともかく、伊坂らしい破天荒で独特な世界観はもちろん健在だし、カッコ
イイとしか言えない文体も期待通り。ストーリーもアイデアもすばらしい
ので、誰が読んでも面白い作品であることは間違い無い。
そして、流行りそうな気がするな、この本の中にあるダジャレ(^^;)は。
「デッキが出来た」とか(^^;)。