思い出探偵

#捜し物はなんですか? #京都大原三千里


▼思い出探偵 / 鏑木蓮(Kindle版)

某所からの推薦図書
鏑木蓮という作家が全くピンと来なかったのでネットで著作を検索した
ところ、なんとなくでも知っている作品が一つも無し。こういう状況は
今やかえって珍しい。久々に新鮮な気持ちで読んでみた。

タイトルから容易に予測出来る通り、ミステリー作品である。
ただし、基本人は死なないし、これはあんまりだ、という残酷な展開
無い。それもそのはず、主人公の元刑事・実相浩二郎が探偵として取り
扱う案件は「思い出」。浮気調査や身辺調査ではなく、「思い出」に纏
わる人やモノを探す、という状況なので、もちろん派手な展開は皆無。
なのだが・・・。

なんとうか、非常に暖かいお話
仕事の性質上、長い年月を掘り返さなければならない事態が多く見られ、
その中にはもちろん重い事実もあったりするのだが、それを踏まえた上
で依頼人をハッピーにしよう、という誠実さが随所に感じられる。ハー
ドなミステリーも大好きだが、こういうしっとりした展開の作品も時に
は必要なのかも。不思議と心が洗われ、ひさびさにホンワカとした緩や
かな読後感を堪能した。

思い出探偵はシリーズ作品らしく、続編が数冊ある模様。心がくたびれ
た時、もしくはいつも読んでいるハード系の作品に疲れた時に読んでみ
よう、と思った。

しかし一つだけ、非常に苦手な部分が(^^;)。
舞台は京都であり、当然登場人物の何人かは京都弁を喋る。残念ながら
僕は文字で書かれた関西系の方言があまり好きでは無いらしく、会話の
部分で読書のテンポがちょっと狂ってしまったかも。
人が喋る京都弁は決してキライではないんだけどなぁ・・・。

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