#琉球
「潔白」に引き続き、青木俊の過去作品をば。
未だ著作は2冊しかないので、コレを読み終わっちゃうとしばらく青木俊作品
にありつけなくなっちゃうのが悔しいところなのだけど・・・。
今作品のテーマは「沖縄」、そして何かと話題の「尖閣諸島」。
尖閣の領有権を巡る日中の綱引きの中で浮かび上がる古文書「羅漢」の存在。
コレを突き止めた女性新聞記者が、自らの姉の死の真相を知るために動き出す。
同時に日本・中国の動きも活発になる中、沖縄では・・・という内容。
・・・フィクションの筈なんだよなぁ、この本って。
恐ろしいことにオスプレイが墜落し、米軍基地反対派の沖縄県知事が誕生した
のはこの作品が書かれた後らしい。もちろん偶然だとは思うのだが、その後の
事実を踏まえた上で読むと、フィクションな筈の古文書の存在すら本当のよう
な気がしてくる。すげぇ作家だな、青木俊!と感じた次第。
読み終わってからちょっと考えた。
僕は沖縄が大好きだし、今後もずっと今までと同じように沖縄が存在してくれ
ることを願うのだが、今の沖縄の人たちは、日本の統治下にあることに幸せを
感じてくれているのだろうか?、と。
「フィクション」で簡単に片付けることの出来ない小説。
ハードな社会派ミステリーが好きな人は絶対読むべき!