#天才クラッカー、北へ
志駕晃の「スマホを落としただけなのに」シリーズ第三弾。
現状ではこの作品が最新作ということに。前作のラストの「含み」
をどう拡げてくるかと期待したのだが、良い意味で「まさかこんな
手で来るとは!」という驚きが。
前作に続いて主役を張る警視庁サイバー捜査官・桐野と、その宿敵
である浦井はもちろん登場するのだが、物語の始まりは普通のOLで
ある有希が「公園のベンチでスマホを拾う」、という第一作を踏襲
した感じなのがまず面白い。この新たなキャラクターも含めた主役
クラスの連中がランダムに語り部を務める構成。読者のミスリード
を誘う展開だが、「そうはさせるか!」とばかりに注意した・・・のだ
が、まぁ見事にやられた(^^;)。
今現在を考慮すると「かなり近い未来の話」ということになる。
その辺りの想像を膨らませながら読むと本当にドキドキするし、ま
たもや「実際に起こりうる」と感じてしまったのだから凄い。
シリーズとしての惹きも充分に残した上でのラスト、実際のところ
かなりすばらしいと思います、ええ。続編出たら即買いだな、コレ。