#東野ファンタジー
東野圭吾の新作。
帯にある通り、「秘密」「時生」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の流れを汲
むファンタジー小説。うだつの上がらない生活を送っている青年が、
ひょんなことからある神社の巨大クスノキの番人を務めることに。
パワースポットとして知られるクスノキには秘密があって・・・という
内容。
東野圭吾のファンタジーは当然全て読んでおり、どの作品からも強い
影響を受けている。つまりどれもこれも最初から最後まで鋭く面白か
ったのだが、今回はちょっと・・・という感じ。
問題はおそらく物語前半。いや、おもしろくないワケでは無いのだが、
何故か他の作品に比べて展開が冗長気味。ハッキリ言えばテンポがゆ
ったりで、集中して読むのが少し辛い。
しかし、後半以降のたたみかけるような展開はいつもの東野圭吾。
クライマックスで明かされた事実にはかなり意表を突かれたし、そこ
に至るまでの重要な要素としてのゆったり展開だとすれば納得が行く。
読むのに少々時間がかかったが、最後にはやっぱりスッキリさせてく
れるのが東野圭吾が天才作家である由縁。出来れば次は、ハードなミ
ステリーが読みたいなぁ・・・。