#正義のオンナ
柚月裕子の新作。
記録によれば、僕が最初に読んだ柚月作品、「朽ちないサクラ」の続編。
警察事務員だった主人公・森口泉が、ある事件をキッカケに『警察官』を目
指すことを決意したのが前作のラスト。今作は警察官となった泉が、機動分
析係を志望するところから始まる。
僕は柚月裕子を「日本一男らしい女流作家」と評価しているのだが、女性が
主人公の作品になると、若干迫力に欠ける気が。泉の精神力と強い正義感は
非常によく理解出来るのだけど、物語の進行があまりにスピーディーであり、
あれよあれよという間に機動分析班の重要人物に成り上がる泉はちょっと不
自然で、ややリアリティに欠けるかもしれない。
それでも僕は前作を読んでいるので、ストーリーにしっかり入り込むことが
出来たのだけど、他の書評を見ると【シリーズ2作目】というアピールが殆
ど無いのが不思議。これはしっかり告知してあげないと、あらぬ誤解を生む
気がする。出版社の煽り文担当は今からでも書き足した方が良いかも。
何はともあれ、柚月裕子のシリーズ作品がまた増えたのは大歓迎。
次の作品あたりで、大爆発がありそうな予感。なんつっても、あの柚月裕子
なので。