▼LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 / 内藤了(Kindle版)
藤堂比奈子シリーズ第四弾。
さすがに4作目まで来るとキャラクターの個性が完全に確立され、物語に入り
込みやすくなった。いわゆる「いつもの連中」感が出て来て、まるで家族の
お話を読んでいるよう。っても、内容はまたしても「猟奇犯罪」なのだが(^^;)。
今作のテーマは「義勇」で良いかと。
絶対的な犯罪者であるのに、法の網目をくぐって裁かれないままでいる「悪」
を、アメージング過ぎる義勇軍が成敗するエピソード。心情にバシバシ訴えて
くる話なのだが、その手段はやっぱり猟奇(^^;)なのが凄い。
全ての死体に尋常では無い量の現金・・・硬貨・紙幣取り混ぜ・・・が詰め込まれ、
その重さで検死が難航する、という恐ろしい状況。設定の異様さは相変わらず
なのだが、前作よりもミステリーとしてきっちり落とし込んでいるのが見事。
全ての面から見て、完成度はさらに上昇。一作ごとに高いカーブで急成長して
いるシリーズで、読了した瞬間に次作が読みたくなるほど。
このシリーズ、残すところあと1作。間もなく始まるTVドラマで注目度は更に
上がると思う。なるべく長い間、続編を出し続けて欲しい。良いです、うん。