#イヤミスの教祖 #ミスリードメーカー
半年ぶりの真梨幸子新作。
まずは2021年もしっかり3作品を読ませてくれたことに感謝。この絶妙な
スケジュール感、ファンとして非常に助かります!
そして感想なのだが・・・。
まずこの作品、過去の真梨幸子作品の中でも3本の指に入るほどの傑作な
気が。とにかく衝撃が凄まじく、コレは他の誰かにも是非読んで欲しいの
で、極力ネタバレしないよう心がけるので念の為。
ちょっと前まで大流行していたTVプログラム、【リアリティショー】の
制作過程と、そこで起きる予想外の事件を描いたモノ。とにかく登場人物
の全員が一癖も二癖もある人ばかりで、もちろんそれらに留意し、「騙さ
れないぞ!」という気持ちで読んでいたのだが、全く考えの及ばない恐ろ
しいラスト。読後に思わず口をついて出た言葉が「すげぇ・・・」。
ハッキリ言って天才の所業。
もちろん真梨幸子作品なので、全編に悪意、そして最低な欲望が渦巻く。
ここまでキャリアを重ねた作家なら、テイストの違う作品を出しても良い
と思うのだけど、相変わらず『ブレていない』。とにかく読者が真梨幸子
に求めているモノをしっかり把握した上で、ミステリーとしての完成度を
極限まで高めている。
もう一度言うが、コレは絶対に読むべき。
2021年最後の最後に傑作に出会えた事実と、僕が個人的に忌み嫌ってい
る【リアリティショー】に楔を打ってくれたことに感謝。
・・・花もきっと、報われる。