▼ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで / 真梨幸子(Kindle版)
真梨幸子・およそ半年ぶりの新作。
コレ、最初にちゃんと言っておきたいのだけど、この作家のリリースペース
は本当に優秀。年に2冊、確実に新作を楽しませてくれる。僕の好きな作家
さんはこういうペースを守れない人が8割を占めちゃってるから、「定期的」
がキッチリしている作家さんは無条件で最高。さすが我が神。
今回のアイテムは「百貨店の外商」。
前々作の「カウントダウン」で登場した知ってるようで全く知らないお仕事
に従事する人たちが主役を張る、ある意味でビジネス小説である。
ただ当然、十把一絡げのビジネス小説ではなく、やっぱり最強のイヤミス。
どのくらい最強なのかと言うと、リアルに外商の仕事をしている人たちから
大クレームが殺到しそうなくらい最強(^^;)。なんつったって僕自身、今後
“外商”というタイトルで仕事をしてる人たちをそういう目で見そう。っつー
か、既にそういう人種だと思っちゃってるし(^^;)。
正直言えば、カウントダウンで「外商の人」が出てきた段階で、こういう人
たちを主役にした作品もアリなんじゃねぇか?と思っていた。ただ、ここま
で早く期待を作品化してくれるとは思わなかったし、さらにそれがここまで
凄まじい作品になったいるのは予想できなかった。ただただ凄い。
おそらく幸子サマ、今現在で僕のいちばん好きな作家で間違い無いかも。
誰にも負けない必殺技を持ち、読み手の期待に応える作品を書く。そして、
コンスタントに新作を提供してくれる。プロレスラーに例えれば、全盛期の
藤波辰爾。「攻め」と「受け」が絶妙のバランスなのだから。
この人の作品、もう滅多矢鱈に誰にでも読んで欲しい。
この感情を分かち合いたいなぁ、いろんな人と。