若竹七海、女探偵・葉村晶シリーズ第四弾。
どうやらこの作品がいまのところの最新作であることは間違い無い模様。
体は連作短編集。先頃レビューした「さよならの手口」以降の年代の話で、
“不幸を呼び込む女探偵”にして“こき使われる書店アルバイト”でもある我ら
のヒロイン、葉村晶は四十肩に悩まされる世代となっている。
今現在、五十肩らしき疾患を患っている僕は本当に彼女の辛さが手に取るよ
うに解る(^^;)。体調に折り合いを付けながら相変わらずの災難に巻き込ま
れる葉村晶、ちょっと他人と思えなくなってきました(^^;)。
しかし、四十代に突入した葉村晶の周辺には、これまでのクールビューティ
ーさに加え、「笑い」という要素が重要なアイテムに進化しているのが大き
なポイント。これまでもテンポの良い会話の妙、という流れはキッチリあっ
たのだが、毒気の強い書店スタッフのキャラが確立されたおかげか、主人公
・晶との会話に見事なキャッチボールが成立。普通に笑える「楽しい作品」
に仕上がっていると思う。
もちろん、これまで通り随所に散りばめられた伏線とその回収劇も相変わら
ずお見事。新たな作品が出る度に、その精度は確実に上がっているのだから、
ミステリー好きにはたまらない。最高のシリーズだと思います、ええ。
このシリーズ、残りは第0作のアーリーストーリー「プレゼント」のみ。
ソレを読んじゃったらもう終わりなのかぁ・・・。ちょっと寂しいかも。