#恩讐の彼方に
新日本プロレス・SENGOKU LORD in NAGOYA。
この厳しい時期にもかかわらず、New Japan Cup、DOMINIONと期せ
ずして上質の大河ドラマを送り出している新日本プロレスだが、今日
の名古屋はそのフィナーレ。
IWGPジュニア王者の高橋ヒロムが、IWGP二冠王のEVILに挑むタイトル
マッチ。この試合を「目の離せない一戦」まで昇華させたのは、間違い
なく高橋ヒロムである。
新日本が暗黒の時代を抜け出そうともがいている頃、前座戦線で懸命に
闘っていた二人。試合終盤までは紛うこと無き真っ向勝負であり、若手
の頃と寸分違わぬ熱い闘いを展開。
決定的と思えるチャンスを掴んだのはヒロム。再三に渡るディック東郷
の乱入をかわし、タイムボム→タイムボム2という必勝パターンを決め、
前人未踏の三冠王になるかと思わせた。しかし・・・。
またもや東郷の乱入を許してしまったヒロムが、悔しい負けを喰らう。
残念ながら、我々が長年心に描いていた夢は、またしても叶わなかった。
・・・試合終了後、信じられないことにテレビの前で悔しくて泣いた僕。
でも、よく考えてみればこういうカタルシスを感じるような試合は久し
ぶりな気がする。そこに立っていたのが、高橋広夢と渡辺高章であった、
という事実がとてつもなく嬉しかった。
この試合でEVILはヒールとして認知された。しかし、確固たる地位を築
くには、ちょっとやそっとで負けるワケには行かなくなった。次期挑戦
者として内藤が名乗りを上げたが、もしここで負けたら今後EVILに浮上
の目は無い。そのくらい危うい位置に立っていることを、王者はしっか
り自覚して欲しい。
・・・ヒロムの為にも。