WORLD TAG LEAGUE 2019

#年末の風物詩までもうすぐ!


新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2019」が本日最終戦
このシリーズ、最初に開催された時は正直「捨てシリーズ」だと思っ
ていたのだが、今年は本当に面白かった

全16チーム総当たり、決勝戦は特に設けず、獲得した得点が一番多い
チームが優勝、というルール。各チームが15試合の公式戦をこなさね
ばならない過酷な形式であり、毎日試合結果をチェックするのが楽し
みになったくらい。前半の鈴木軍同門対決は紛れもない名勝負だった
し、これまでずっとイマイチだったKENTAが存在感を増した。そうい
う意味で、ようやく意義深いシリーズになったのかも。

優勝したのはジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー
この意外な結果がまた良かった。ジュースはもちろん、フィンレーも
ジェイ・ホワイトに劣らないスターになる可能性大。来年に向けてこ
の2人が飛び出したのは喜ばしい限り。

正直、参加チームのバランスに難があったのは否めないが、こういう
試合が続くのであれば「年末はタッグリーグ」というのが久しぶりに
一般的になる可能性も。願わくば、かつてのハンセン&ホーガン組
ベイダー&ビガロ組のような、プレミアム感のある外人タッグが欲し
いかな?

ともかく、予想外に面白いシリーズでした! 来年も期待しよう!

さらば闘いの日々

#ブルータス光秀


▼さらば闘いの日々 / 谷津嘉章

糖尿病が原因で片足切断を余儀なくされたプロレスラー、谷津嘉章
初の著書。実はこの本、リリースを知らされた時からちょっと期
待していた作品。最近のプロレス関係の諸誌で読む谷津のコメント
が非常に興味深く面白いものばかりなのがその原因なのだが・・・。

根本的なことを言うと、谷津嘉章というレスラーには全く思い入れ
を持っていない日本アマレスヘビー級最強とまで称された男だか
ら、強いことは間違い無いし、プロレス自体も決して下手では無い。
ただ、本書で本人も述懐している通り、その印象はいつも中途半端
その証拠に、これだけ長い間プロレスを観ているのに、谷津の試合
「名勝負」と感じた試合がただの1試合も無いのだから。

正直、この本の構成にもその「中途半端さ」を感じた(^^;)。
例えばWJに関する件についてはもっと突っ込んで喋って欲しかっ
たし、谷津ほどのボキャブラリーがあればソレが出来た気がする。
だけど・・・。

谷津嘉章
とにかく「気の毒」としか言い様の無いアマレス・プロレス人生。
メダル確実と言われたオリンピックは国がボイコットするし、プ
ロレスデビュー戦ではあり得ないくらいボロボロにされるし、凱
旋帰国したと思ったら維新軍に組み込まれるし、総合格闘技に出
る頃には年取ってるし、と一事が万事でそんな状況。コレに加え
WJの歴史的な大失敗、さらには後に起こした事業の失敗に加え、
壮年を過ぎてからの片足切断。これがもし自分だったら、と考え
ると、本人には申し訳無いが「死にたくなる」と思う。

それでも全てを受け入れ、今も必死に生きている事実はリスペク
に値する。これまでは好きでも嫌いでもないプロレスラーだっ
たのだが、この本を読んだ後はけっしてキライでは無いところま
で心が変わった。谷津嘉章の今後に、光があることを切に願う。

・・・あ、印象に残っている試合が1つだけ。
正規軍vs維新軍5vs5勝ち抜けマッチ高田伸彦戦。後に延彦
と名前を変える高田の出世はここから始まった。おそらくこの時
の高田の対戦相手が谷津でなかったら、その後の高田は無かった
気がする。良かった、1試合でも見つかって(^^;)。

猪木伝説の真相

#人の人生をカンタンに変える男


▼猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯 / V.A.

僕が何十冊か所持している「猪木本」に、また新しい一冊が加わった。
宝島から出る猪木本だから、もちろん証言シリーズの形式を踏襲。
「不世出」と表現される史上最高のプロレスラーアントニオ猪木
ついて、その周辺に居たプロレスラーや関係者へのインタビューをま
とめたモノ。驚くべきは、猪木本人もインタビューに応えていること。

物心がついた頃から今に至るまでアントニオ猪木は僕の「神」である。
猪木が黒と言えば白いものでも黒だし、猪木が右に行けば当然自分も
その方向に進む。「猪木信者」というのは本当によくできた言葉で、
同じような感情を抱き続けて今に至っている同士がウジャウジャ居る。

アントニオ猪木はプロレスを「たかがプロレス」にしなかった人
僕はテレビで猪木の大一番を見る度にどんどん魅了され、取り返しの
付かないところまで来てしまった。総合格闘技やボクシングにも印象
的な試合は幾つもあるが、それよりも真剣に見ていたのが一連の異種
格闘技戦大木、シン、ハンセン、ラッシャー木村らとの闘いで、今
になっても一連の流れを思い出せる。たかがファンである僕がそうな
のだから、同業者であるプロレスラーたちの猪木へのリスペクトは相
当なもの。どのインタビューを読んでも、それを強く感じた。

そんな猪木だが、さすがに残された時間はそれ程多くない気がする。
もし猪木に何かあった場合、僕がどんな精神状態になるのか皆目見当
が付かない。ずっと大好きだったプロレスから離れるとしたら、その
時なのかなぁ、という気もするが、果たして・・・。

この本を読んでも、いわゆる「謎」は解明されない。しかし、僕と同
じくアントニオ猪木に人生を変えられた人たちは読まずには居られな
い筈。特に佐山聡、前田日明、藤原喜明のインタビューは必読。
かなりイケます、この本。

証言 新日本プロレス「ジュニア黄金期」の真実

#僕らのライガー


▼証言 新日本プロレス「ジュニア黄金期」の真実 / V.A

順調に冊数を伸ばしている宝島「証言」シリーズの最新作は、新日ジュニア
80年代にジュニア黄金期を築き、世界中に新日ジュニアをアピールする、と
いう偉業を成し遂げ、まもなく引退する我らの獣神サンダー・ライガーに関
するインタビュー集である。

証言シリーズはある意味「歯に衣を着せない」感じの文章がウリだったと思
うのだが、今回は全くそういう雰囲気が無い前田藤原を始めとする大物
もインタビューに応えているのだが、毒舌でならす彼らからすら、ライガー
に関する「悪口」が一つも見えない。ファンだけでなく、同じプロレスラー
や業界関係者からもリスペクトされているライガー。僕らの宝物である。

もう引退まで2ヶ月とちょっと
ライガーの居ないプロレスがどんな風景になるか、今はなんとも言えないの
だが、改めて残りのライガーを最後まで見届けよう、と思った。

スーパージュニアに、そして世界の獣神に栄光あれ!

『正しいプロレスラー』

#バトルライガー・両国で壮絶に散る


新日本プロレス「KING OF PRO-WRESTLING」両国国技館。
年明けドームのメインカードが確定する重要な大会であり、IWGP王者
のオカダ・カズチカ、権利証保持者の飯伏幸太がそれぞれ最後の防衛戦
を行う日。しかし、その2つを差し置き、最も事前の注目を集めたのは、
第4試合に組まれたスペシャルシングルマッチだった。

獣神サンダー・ライガーvs鈴木みのる
上半身裸のバトルライガー仕様で花道に姿を現したライガーに大歓声。
この姿を観ただけで、僕も唸りとも叫びとも言えない変な声が漏れた。



打撃関節技を主体とした闘いは、二人の「原点」を思い起こさせる攻防。
体格に劣るライガーだが、前半はあの鈴木を相手に五分以上に渡り合った。
この時点で僕はもう号泣していた。




しかし、ペースは徐々に自力に勝る鈴木へ傾く。
スタミナを使い果たしたライガーはそれでも食い下がったが、スリーパー
からゴッチ式パイルドライバーという鈴木の必勝パターンが決まり、敢え
なく試合は終了。ライガーは完膚なきまでに叩きのめされた


試合後、イスを持ち出した鈴木だが、ダウンするライガーの前でイスを投
げ捨て、その場で土下座。この試合にタイトルマッチを凌ぐ価値観を創っ
てくれたのは間違い無く鈴木みのるである。あまりに見事なプロフェッシ
ョナル振りに感服した。

・・・おそらく今日は、実質的な獣神サンダー・ライガーの引退試合だった
のだと思う。退場時、リングに向かい深々と礼をしたライガーは、最後に
全力を出せた、という達成感に満ちていた気がする。

ある作家はライガーを「正しいプロレスラー」と称した。
30年以上、ずっと変わらずに僕の正しいプロレスラーで在り続けてくれ
た獣神サンダー・ライガーに、心から感謝する。

最終章もやっぱり最高だった。何度言っても言い足りない「ありがとう」
を、僕は東京ドームで直接ライガーに言わなければならない。