#怒りの軽井沢
読むべき新刊を読み終えたため、馳星周強化月間シーズン2開始。
調べてみると馳著作にはKindle Unlimited扱いになっている作品が数作
あり、まずはそこを攻めてみよう、と決意。その中でもいちばんおとな
しそうなタイトルの、この作品を選んでみた。
・・・一個もおとなしくありませんでした(^^;)。
いや、正確に言うと中盤まではじっくりとしたストーリーで読ませるタ
イプのハードボイルド系ミステリーの風合いがあったのだが、ソレ以降
はもうダダダダっと人が死んで行く様を見せつけられてしまう。
その中軸に居るのが主人公、現在は軽井沢で別荘の管理業を細々とこな
す中年だが、その正体は歌舞伎町の元ヤクザにして最凶の殺人マシーン。
思わぬことから平穏を破られた上に、大事な人を傷つけられたことをキ
ッカケに暴走を始めてしまう。
おおまかな内容は正しく映画の「ランボー」。スタローンが演じたアレ
を和風(?)にアレンジし、極道の世界をアダプトして完成させた作品、
と言っても、大枠で間違いでは無い。
興味深いのは、この作品でも「犬」が大活躍するところ。人がバタバタ
死ぬ作品の中でも作者の犬に対する愛情が垣間見えるのが、唯一微笑ま
しいところだった。
・・・さすがに万人にオススメするタイプの作品では無いなぁ(^^;)。
とはいえ、ガチガチのハードボイルド好きにはたまらない世界観なので、
その手の作品が好きな人は是非。