#格闘技今昔
▼ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017 / ゴング格闘技編集部
(Kindle版)
Kindle Unlimitedのリコメンドに出て来たMOOK。
1986年に旧「ゴング」から独立するカタチで創刊し、現在まで続く格闘技
雑誌、『ゴング格闘技』の記事から、インタビュー・ノンフィクションを集
めたモノ。
“柔道と柔術”・“バーリトゥード・ジャパン”・“日本総合格闘技”・“MMA、
世界の頂”・“空手とは何か”・“立ち技格闘技の挑戦”から成る全6章。ゴン格
らしい硬派なチョイスで、木村政彦から那須川天心まで、絶妙なクロニクル
となっている。
僕が格闘技に絶大な興味を示したのは、K-1誕生からPRIDE全盛期、その後、
までの間。基本はプロレスからの延長であり、その期間が過ぎた後にはしっ
かりプロレスに回帰した。この本からはいわゆる“90年代”の情報が明らかに
欠落しており、そこから逆にゴン格という専門誌の拘りを感じる。そういう
意味では、非常に興味深い「まとめ本」になっている気がする。
ゴン格も創刊から30年を超える長寿雑誌なのだが、この本のタイトルから
『1986年の格闘技』について調べてみた。この頃にはまだK-1が生まれて
おらず、ヒットしたのは新日本プロレスで行われた前田日明とドン・中矢・
ニールセンの異種格闘技戦くらい。まぁ、この試合を格闘技の括りに入れる
のは正直アレなのだが、ターニングポイントであったことは間違い無い。
前田vsニールセンが名勝負にならなければ、その後にK-1やPRIDEが出て来
たとは思えないので・・・。
個人的に楽しむことは出来たのだが、こうなると対極の「格闘技通信」から
もクロニクル作品を出して欲しいところ。単にあの頃を懐かしむのならば、
格通のチョイスの方がバラエティに富みそうな気がするな、うん。