シン・日本プロレス

#RINGS


▼シン・日本プロレス / 前田日明・片田直久(Kindle版)

どうやら電子書籍のみでリリースされている作品。
“新格闘王”こと前田日明に対するインタビューを書籍化したモノで、
前半は新日本プロレス-UWF時代、後半はRINGS-OUTSIDER時代
中心に構成されている。前半と後半で内容的に被る部分があるのは
若干腑に落ちないところ。

これまでいろんなところで目にしてきた『前田日明の言葉』をまと
めたような作品。故に内容はほぼ知っている話の焼き直しになって
しまうのだが、残念ながらに僕はコレに共感することが出来なかった

・・・個人的な意見だが、前田日明からはなんとしてでも自己を正当化
しよう、という意識を感じる。だから、いつも前田は被害者であり、
悲劇のヒーローを装うのだが、当時を知っているファンの側からする
と、それはとんでもない間違いだと思う。

僕らが心血を注いでいた新生UWFが潰れたのは、前田の人望の無さ
が大きな原因だったと思う。更に言えば、新生UWF時代の前田の試
は緊張感に欠けるモノばかりで、下からの突き上げに対してモノ
を言えるレベルの選手ではなかった。だから、新生UWFが解散した
後の僕はUインターの熱狂的なファンになったし、船木鈴木が在籍
した藤原組も心の底から応援出来た。でも前田のリングスは・・・とい
う感じ。それが今もずっと続いている。

だからこの本の内容に共感出来ないのは当然なのだが、それでも前田
ブレの無さだけは認める。過去から現在に至るまで、話の内容やニ
ュアンスは全く変わらず一貫している。そういう前田日明から離れら
れない人が居るのも、凄く理解できる。

だから前田ファンには確実に楽しめる作品なのは間違い無い。
僕の好きだった前田日明は、出戻った新日本を解雇された段階で終わ
っているから、その中に入れないのはしょうがないんだけど・・・。

伏魔殿のポリスマン

#JUDO


米国『グラップリング・マスター』と称される元プロレスラー・柔道家
“JUDO”ジン・ラベール氏が逝去。享年89の大往生。

UFCに出場したロンダ・ラウジーコーチとして有名になったが、古く
からのプロレスファンなら誰でもその名前を知っている【顔役】

かつてマイク・ラベールがプロモートしたLANWA HOLLYWOOD
ポリスマンであり、バックボーンである柔道の腕前は五輪レベル
旧オリンピックオーデトリアムでは、ジンに逆らう選手は皆無だったと
いうまことしやかなウワサが。

日本との繋がりも深く、旗揚げ直後の新日本プロレスと提携し、ハリウ
ッド・ブロンドス等の渋めのレスラーをブッキング。そして何よりも、
伝説の『猪木vsアリ』レフェリーを務めた事実は、その後彼の名前を
世界的なモノにした。

力道山時代から【伏魔殿】と称されたロスマット
しかし、新日本・WWEを含む現在のメジャーと呼ばれる団体はある意味
ロスマットの拡大解釈。良い意味での胡散臭さが溢れているので、今改
めて各種文献を読み返すと本当に興味深い。そういう団体で、言うこと
を聞かない選手・・・マスカラスも含まれていたとか・・・を実力で従わせる、
というのが恐ろしい。

その実績に感謝しつつ、謹んでご冥福をお祈りいたします。

ちなみに、ジンのフルネームを英語で書くと『Gene LeBell』となる。
この名字を「ラベール」と読むか、「ラーベル」と読むかが悩ましい
ところ(^^;)。個人的にはラベールの方がしっくり来るんだけど。

“館長” 青柳政司

#誠心会館


初期のFMW新日本プロレスプロレスリング・ノア等で活躍していた
空手家・プロレスラー青柳政司さんが永眠。死因は今のところ明らかに
されていない。享年65

現役プロレスラーとして活動中だった故人に敬意を表し、ここからは敬称
を略させていただきます。

・・・館長『日本人同士の異種格闘技戦』という概念を作った人。
もし館長が空手家として大仁田厚の前に立たなければ、後のFMWブーム
あり得なかったし、その後新日本に参戦してくれていなければ、越中詩郎
の再ブレイクも無かった、と断言出来る。

そして青柳政司は、誰よりもプロレスが好きだった・・・気がする。
自分より一回り身体の大きい選手に蹴り突きだけで果敢に挑み、気持ち
いいくらい鮮やかに玉砕する。プロレスの歴史を鑑みると、空手家は基本
「敵」でしか無かったが、青柳政司本人と、館長が率いる誠心会館が排出
した選手たちは、最初からしっかり“プロレスラー”だった。

館長の最大の功績は、プロレスのリングに「独特な緊張感」を持ち込んで
くれたこと。自信の技術を信じ、その上でプロレスとプロレスラーをリス
ペクトし、真っ向勝負で相手の技から逃げない空手家。こんな選手を、
好きにならないワケが無い

館長、ちょっとだけ早いです・・・。
まだまだリングで闘う館長の姿を観ていたかった。少しだけ休んで、また
強烈な蹴りを魅せてください。だからまた必ず、どこかで。

KING OF THE RINK

#ICEWARS


格闘技情報サイトeFightにて、新しい格闘技(?)を発見。

ICE WARS
アイスホッケーの装備オープンフィンガーグローブを装着し、1ラウンド
1分・2Rを闘う。決着はKO判定。もちろんスケート靴も履いているため、
グラウンドの攻防は認められない。あと、多分蹴りも反則

アイスホッケーが四大スポーツの一角とされるアメリカやカナダでは、わり
と盛り上がる競技になるのかも。雰囲気は懐かしのローラーゲームに酷似し
ており、漂う胡散臭さが非常に魅力的

今のところ「すぐに組み合って殴り合う」展開オンリーだが、“足”を使う
選手が出て来たら人気が出るかも。走り込んでのラリアートとか、スーパー
マンパンチとか出たらトキめくなぁ、きっと。

・・・でもまぁ、無理に氷上で殴り合う必要は無いんじゃないかとも(^^;)。

那須川天心 vs 五味隆典

#エキシビション


那須川天心RIZINラストマッチは、なんとエキシビションマッチ
対戦相手となったのは、かつてのPRIDE武士道エースであり、火の玉ボーイ
の異名を欲しいままにしたレジェンド五味隆典

・・・危険な試合だった、と思う。
天心の足は速く、手数もクリーンヒットも確実に五味の上を行ったハズだが、
おそらく五味は途中で「これなら耐えきれる」と判断した気がする。天心の
パンチが弱いのではなく、五味の10kg以上重いウェイトと化した所為。

適正体重からあまりに逸脱した試合は組まないで欲しい。
考えてみれば、天心が事実上唯一の「負け」を喫した試合もメイウェザー
のエキシビション。大事に至らなかったから良かったモノの、もしこの試合
で事故が起きたら、と考えると、吐き気すらする。

RIZINが無ければ天心を知ることも無かったので、それについては感謝する。
しかし、その危険さから厳格にすべきルールが守られない格闘技の試合を度
々組んでしまうRIZINには、正直嫌悪感しか沸かない。
天心が去った今日を以て、RIZINは特に注視すべき団体ではなくなった。

ただ、那須川天心には心からの「ありがとう!」を。RISEの最終戦と6月の
武尊戦、本当に期待しています!