#RINGS
▼シン・日本プロレス / 前田日明・片田直久(Kindle版)
どうやら電子書籍のみでリリースされている作品。
“新格闘王”こと前田日明に対するインタビューを書籍化したモノで、
前半は新日本プロレス-UWF時代、後半はRINGS-OUTSIDER時代を
中心に構成されている。前半と後半で内容的に被る部分があるのは
若干腑に落ちないところ。
これまでいろんなところで目にしてきた『前田日明の言葉』をまと
めたような作品。故に内容はほぼ知っている話の焼き直しになって
しまうのだが、残念ながらに僕はコレに共感することが出来なかった。
・・・個人的な意見だが、前田日明からはなんとしてでも自己を正当化
しよう、という意識を感じる。だから、いつも前田は被害者であり、
悲劇のヒーローを装うのだが、当時を知っているファンの側からする
と、それはとんでもない間違いだと思う。
僕らが心血を注いでいた新生UWFが潰れたのは、前田の人望の無さ
が大きな原因だったと思う。更に言えば、新生UWF時代の前田の試
合は緊張感に欠けるモノばかりで、下からの突き上げに対してモノ
を言えるレベルの選手ではなかった。だから、新生UWFが解散した
後の僕はUインターの熱狂的なファンになったし、船木や鈴木が在籍
した藤原組も心の底から応援出来た。でも前田のリングスは・・・とい
う感じ。それが今もずっと続いている。
だからこの本の内容に共感出来ないのは当然なのだが、それでも前田
のブレの無さだけは認める。過去から現在に至るまで、話の内容やニ
ュアンスは全く変わらず一貫している。そういう前田日明から離れら
れない人が居るのも、凄く理解できる。
だから前田ファンには確実に楽しめる作品なのは間違い無い。
僕の好きだった前田日明は、出戻った新日本を解雇された段階で終わ
っているから、その中に入れないのはしょうがないんだけど・・・。