#炎の飛龍
▼藤波辰爾自伝 ROAD of the DRAGON / 藤波辰爾
デビュー50周年を迎えた藤波辰爾の自伝。サブタイトルは「プロレス50年、
旅の途上で 」。藤波さんの自伝はこれまでも何冊かリリースされているが、
今作はそれらの集大成と言って良い内容。とにかく束が厚く、ボリュームが
凄い。
僕のプロレス観戦人生は、藤波辰爾のプロレスラー人生と同義である。
アントニオ猪木は別格として、藤波さんほど僕の人生に影響を与えてくれた
プロレスラーは居ない、と断言できる。この人がいなかったら、これだけ長
い間プロレスを観続けることはなかった、と自信を持って言える。
藤波辰爾の功績は数えられないほどあるが、中でも賞賛されるべきは3つ。
- 容姿端麗・女性人気の高いカッコイイレスラー像の構築
- ジュニアヘビー級という現代プロレスに必要不可欠な概念
- 相手の技を全て受ける試合スタイル
今現在のプロレス界を見返してみれば解ると思う。
今人気のあるプロレスラーの殆どはイケメンでカッコイイし、相手の技を受
けた上で逆転する力が無ければファンの支持は得られない。そして藤波さん
がジュニアという概念を持ち込まなければ、プロレスラーにすらなっていな
い選手が多々居たハズ。
同世代のジャンボ鶴田、天龍源一郎、長州力らと比較するとやや地味な感は
あるが、個人的には彼らより藤波辰爾の方が明らかにすばらしいプロレスラ
ーである、と思う。
そんな思い入れたっぷりのプロレスラー・藤波辰爾の自伝だから、ここに書
かれている内容のほぼ全てを「知っている」。内容に過不足は無く、押さえ
るべきポイントは全て押さえてある重要な書籍。これがすぐに理解できるく
らい、長く深く藤波辰爾を追い続けた自分を、誇っても良いような気がする。
そして、今も現役でリングに上がり、シングル王座二冠を保持する炎の飛龍
・藤波辰爾。少しでも長く、リング上で活躍する姿を魅せ続けて欲しい。
・・・ちなみに、現役プロレスラーのことを書くときは極力敬称略にするのだ
が、藤波さんだけは勘弁して欲しい(^^;)。尊敬度合が凄すぎるので(^^;)。