もう、聞こえない

#誉田流ファンタジー


▼もう、聞こえない / 誉田哲也(Kindle版)

誉田哲也新作は、なんとファンタジー
とは言っても、もちろん凡百のファンタジーではなく、誉田テイスト
キッチリ詰まった、妖しいダークファンタジーである。

物語の導入部分は警察署。この段階で氏お得意の警察小説と思ったのだ
が、少し読み進めただけで「そうではない」と判断出来る構成。さらに
中盤までに巧妙なミスリードが仕掛けられており、アタマで描いていた
相関図の内容がコロコロと入れ替わる。おかげで読むのが楽しい状況に。

内容に触れると、どうあってもネタバレになりそうなので詳細は避ける
が、少なくとも三段階以上のオチがある作品。ダークなのにエピローグ
の内容はややほっこり。誉田哲也作品でこういう読後感は初めてかもし
れない。

惜しむらくは、今回はお得意の「作品間リンク」がほぼ無いところ。
いや、もしかしたら高井戸署の女性刑事あの人の嫁かもしれないし、
城東署の署長出世したあの人、という可能性もある。その辺りの謎が
ある程度解き明かされていたら、もっと楽しめた気がする。

・・・コレは続編アリだなぁ、と。
最後に成立した最強ペアその後の活躍を、ぜひ読んでみたい気がする。
とにかく、見事な構成の快作。誉田哲也、さすがです!

スシロー・匠のまかない鶏ごぼうラーメン

#五芒星


なんとなく朝早起きしてしまい、その後に深く昼寝をしちゃったので、夕飯
は楽をしよう、ということに。近くにスシローがあると、こういう時に便利。
で、またもや期間限定のラーメンがあったのでオーダーしてみた。

スシロー南葛西店・匠のまかない鶏ごぼうラーメン
スシローの限定ラーメンはおおよそで安定の美味しさなのだが、こちらも
なかなかレベルが高い。日本蕎麦のような薄味なのでゴボウの香りが引き
立ち、麺を食べ終わった後のスープが寿司にかなり合う。

これまでの他の期間限定ラーメンに比較すると若干パンチが足りないよう
な気がしないでも無いのだが、寿司と併せて食べる、と考えれば最適かも。
・・・新戦略なのかなぁ、コレって。

参考:スシロー南葛西店(official)

SUMMER STRUGGLE in JINGU

#外苑前ハッピーエンド


新日本プロレスサマーストラグルの最終戦は神宮球場大会
通常なら数万人の収容が可能な会場であり、今の新日本プロレスなら
2万人近くの観客を集めることが可能であったハズ。しかし、観衆は
約4,700人。もちろん、コロナの影響である。

午後5時開始、全6試合
夜の帳が下りたのはセミファイナルの途中であり、前半は屋外会場なら
ではの明るい雰囲気。その中でも気を吐いたのは鈴木みのる52歳
古豪は、15も若い鷹木信悟真っ向勝負を仕掛けた上で完勝し、2度目
NEVER王座戴冠。いやぁ、カッコイイわ・・・。

メインはIWGPヘビー&IWGPインタコンチネンタル二冠戦
前王者の内藤哲也が、現王者のEVILに挑んだのだが、ここは内藤が自力
を発揮しリベンジ。新日本にスッキリした結末を久々にもたらした。

圧巻だったのは、勝利者マイクの後の演出
神宮球場の空に数十発の花火が放たれた。神宮外苑に花火。この意味は
プロレスだけに止まらない。CS放送でこのシーンを観て、不覚にも
流してしまった。

いろんな意味で、新日本プロレスに「ありがとう!」を言いたい。
僕史上「サイアク」とするしかなかった2020年の夏は、あの花火で
強烈に印象深いモノに変わったのだから。

プロレスはいつ何時如何なる場所でも、必ず僕を助けてくれる
誇りに思う、本当に。

妻たちのプロレス

#ランキングしてはならない


▼妻たちのプロレス / ターザン山本・福留崇広

久しぶりのプロレス本だが、最初は購入を躊躇した
何故ならば、著者の一人が元週プロ編集長・ターザン山本だから(^^;)。
若い頃はともかくとして、年齢を重ねるとただただ鼻につくターザンの
文章。コレにカネを払うのはどうかと思ったのだけど、結局購入したの
はもう一人の著者が「さよならムーンサルトプレス」を書いた福留崇広
だったから。

プロレスラー5人の「妻」を主役の据えたノンフィクション集。
登場するのは、力道山・高山善廣・剛竜馬・葛西純・藤波辰爾、そして
ジャイアント馬場の5名の奥様方。うち4名は僕の中で「超一流」の評価
が付いているのだが、残り1名は残念ながらそうではない(^^;)。まぁ全員、
プロレス史に残る人たちなのは確かなのだが。

とにかく興味深く読んだのは、藤波夫人の伽織さんと高山夫人の奈津子
さんのエピソード。現在も闘病を続ける高山さんの奥様の力強さに感動
したし、長州に踏み台にされかけた時代の藤波さんの様子を語る夫人に
強烈なシンパシーを感じた。

コレは完全に目の付け所、つまりは企画の勝利。
プロレスラーの妻、という切り口はわりとありそうだが、人選を工夫し、
複数を組み合わせることで味が出る、という相乗効果はすばらしいと思う。

・・・ただ、福留氏だけで良かった気がするなぁ、著者は(^^;)。
馬場夫人を描いたターザン山本の文章は、気持ち悪いを通り越してかなり
バカっぽい。中学生のポエムでももう少し良い気がするんだけど(^^;)。

ちなみにファンなら一目瞭然だが、超一流でない選手の名前は敢えて書か
ないことにしようかと。さすがにちょっと気の毒なので。

ジャイアンvsジャイアン

#njsst


新日本プロレス・サマーストラグル後楽園ホール2日目
さすがに今日は2日後に迫ったシリーズ最終戦、神宮球場大会の前哨戦で攻
める日。どれもそこそこおもしろかったのだが、いちばん印象に残ったのは
親子ほどの年齢差のある↓↓この2人の絡み。

神宮で鷹木信悟の持つNEVER無差別級王座に挑戦するのは、鈴木みのる
今のプロレス界、現状で50台に到達した選手は何人も居るのだが、鈴木の
存在感圧倒的。その鈴木が、脂の乗りきった状態の鷹木をターゲットに
した、というのがポイント。

鈴木と全く同じ年齢の僕が言うのもなんだが、鈴木みのるのクソ憎たらし
芸術の域。なんといっても、試合中は完全に鷹木に肩入れして観てし
まうのだから凄い。

実際のところ、神宮でいちばん楽しみにしているのはこの2人のタイトル
マッチ。おそらく本番も鷹木を応援すると思うが、最後は鈴木がもう一度
ベルトを巻く姿を観たい、というジレンマ(^^;)。いいなぁ、このカード!