#パンデミック
約4年ぶりのリリースとなる、中山七里・ヒポクラテスシリーズの新刊。
メインキャストの一人である刑事・古手川和也の登場する作品は多々読んで
来たのだが、このシリーズの主役にして中山作品でいちばん魅力的だと思わ
れる女性法医学者・栂野真琴の登場は久しぶり。
相変わらず気合いの入った医療ミステリーであり、多々ある「法医学」とい
うジャンルを扱った作品としては、おそらく国内最高峰。解剖シーンのリア
ルさと、遮二無二頑張る古手川&栂野の名コンビの姿がすばらしいコントラ
ストを描く、という構成は、この新作でも全く変わらなかったのが嬉しい。
前作までは連作短編だったのだが、今作は遂に長編。そして凄いのが、扱わ
れている内容が「パンデミック」であるということ。正に今、現実に起こっ
ているコロナというパンデミックの最中に、こういう内容の作品を世に出せ
る作家は「強運」と呼ぶ他無い。
・・・これは今すぐドラマにすべき。
パンデミックの何が恐ろしいのか、今一度再確認できる筈。きっとリアルな
パンデミック対策にもなる筈なので・・・。