#IWE
G SPIRITS MOOKでは3冊目となる国際プロレス書籍。
今回の外伝は以前に出た「実録・国際プロレス」のスピンオフ的な位置づけで、
実録の方で掲載されなかった選手・関係者へのインタビューや評伝に加筆修正、
さらに書き下ろしまで加わった充実の内容。「東京12チャンネル時代の国際プ
ロレス」とも併せた、カルト三部作の最終刊(?)になると思う。
実録の時も驚いたが、この外伝も恐ろしいほどの束(^^;)。
レイアウトは新書によくある二段組み、ページ数は500弱。文字数ももちろん
だが、執筆陣の熱量もまた凄まじく、情念に溢れたすばらしい作品に昇華して
いるところが凄い。
今作のポイントは、故・ラッシャー木村さんの次男である木村宏さんがインタ
ビューを受け、内側から見た「プロレスラー・ラッシャー木村」について語っ
てくれていること。国際プロレスという団体に於いて、最重要人物と言っても
過言の無い木村さんというファクターが、前2作まででは圧倒的に足りなかっ
たのだが、ようやく最後のピースがハマった感。一般人であるにも関わらず、
Gスピリッツのロングインタビューに対応していただいた木村さんには、心の
底から感謝をお伝えしたい。
あとはアポロ菅原・高杉正彦のパイオニア戦志ご両名のインタビューも必読。
あのプロレスバカこと剛竜馬のダメっぷりを忌憚なく語る二人が、良い意味
でも悪い意味でも微笑ましい。伝説の嫌われ者こと、グレート草津には及ば
ないが、剛も人望無いなぁ(^^;)、と改めて感じた。
読み終わってから確認したのだが、ご存命の方が本当に少なくなった。
何年かに一度くらいのペースで販売される国際プロレス関連書籍だが、語り
部が誰も居なくなってしまったら、それすら潰えてしまう。団体崩壊から何
年経とうが、当時のことを雄弁に語ってくれるマイティ井上氏、高杉正彦氏
には、少しでも長く生きて欲しい、と思う。
やっぱりいいなぁ、国際。