昭和プロレスを語ろう!

#昭和プロレス


▼昭和プロレスを語ろう! / 小佐野影浩・二宮清純

ブックレビューはしばらくプロレス本が続くかもしれません(^^;)。
品川駅構内の本屋にフラッと立ち寄った時に見つけた新書小佐野影浩とは
ご存じ週刊ゴング元編集長の小佐野さんで、二宮清純とは気合いの入った
スポーツライターとして有名な二宮さん。そんな2人が、昭和プロレスをネタ
に対談。こりゃあおもしろそう!ということで。

・・・いや、2人ともちょっと肩の力が抜けすぎかも(^^;)。
時代は力道山時代からリアルな昭和の終わりまでを網羅しているのだが、特
に目新しい真実も無ければ暴露も無い、下手すればちょっと残念な内容
ただ、そんな2人のリズム妙に心地よく、知っている話でも気分良く読めて
しまったのが不思議。

個人的に小佐野さんの上田馬之助への評価がそれほど高くなかったのが意外。
後は懐かしいガイジンレスラーたちのエピソードにほっこりさせて貰った。

この2人には、どうせなら「平成前半のプロレス」も語って欲しいところ。
新日本の暗黒期くらいまでの時代なら、両名とも語れる何かがありそうな気
がするので。

TYSON vs JONES Jr.

#IRON


正直、最初に試合開催のニュースを聞いた時には「何を馬鹿げたことを・・・」
と思っていた、マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.のボクシング・エキ
シビションマッチ。どんなお茶の濁し方をするのか、と思っていたら・・・。

両者共にあまりに「本気」。特に身体を絞り、全盛期とは言わないまでも、
スピード感溢れる攻撃を繰り出すタイソンの姿は、神々しささえあった。
相手のジョーンズは失礼ながら殆ど試合を観たことの無い選手だったのだが、
デトロイト・ヒットマンスタイルを使いこなすトリッキーな闘いを仕掛けて
来る実力者。おもしろくないワケが無かった。

1R2分エキシビションとはいえ、8Rをフルに闘い続けた両者に感嘆した。
ジョーンズは51歳、タイソンに至っては54歳。そんな2人が本気丸出しで
闘う姿はに、不覚にも感動してしまった。

日本で大金を儲けようとしている元世界チャンピオンに言いたい。
・・・これこそが、本当のエキシビションマッチだ、と。
相手にするのなら、異分野の格闘家、いわゆる素人のボクサーではなく、
引退した選手でも現役の選手でも構わないから、同階級・同じレベルの
「プロボクサー」「真剣なショー」をしてもらいたい。そうでない限り、
僕はアイツを認めたくない。

・・・まぁ、タイソンとアイツとでは、ボクサーとしての価値天と地程の
差はあるんだけど(^^;)。

いつまであるか定かではないけど、一応フルラウンドを!

聖女か悪女

#イヤミスの教祖


▼聖女か悪女 / 真梨幸子(Kindle版)

真梨幸子の新作。
前作の「縄文」から約半年、相変わらずリリースのペースがコンスタント

カリスマブロガーが結婚パーティーの最中に倒れ、植物状態に。同じ頃、
四谷の高級マンションで8体の惨殺死体が発見される。2つの事件の発生
と共に、過去のある事件との関連性が浮かび上がり・・・という内容。

・・・このところ新境地の続いていた幸子サマだが、今作ではピュアなイヤ
ミスに見事に帰還。いや、イヤミスに「ピュア」があるかどうかは定かで
無い(^^;)のだが、コレは真梨幸子らしい悪意に満ち溢れた、ある意味スト
レートな作品。真梨幸子中毒者としては、非常に嬉しい内容だった。

こういうご時世だから、変わらぬ信念を突きつけてくれる作品には本当に
救われる。真梨幸子が変わらないでいてくれる事実に感謝したい。

ちなみにこの作品、禁書となっているマルキ・ド・サド「美徳の不幸」
へのオマージュらしい。現代イヤミスの教祖に影響を与えた作品であるの
なら、ぜひ読んでみたいのだが、選集全4冊は厳しいかなぁ(^^;)。

忘れじの外国人レスラー伝

#DECADE


▼忘れじの外国人レスラー伝 / 斎藤文彦

フミ・サイトーこと、斎藤文彦の新刊ノンフィクション。
新書でリリースされるプロレス本、というのは最近ではあまり無かった気
がする。書店で見掛けたのではなく、Amazonのリコメンドで購入。

登場するのは10人ガイジンプロレスラー。羅列すると、
“神様”カール・ゴッチ、“白覆面の魔王”ザ・デストロイヤー、“大巨人”
ンドレ・ザ・ジャイアント、“人間風車”ビル・ロビンソン、“爆弾小僧”
イナマイト・キッド、“人間魚雷”テリー・ゴディ、“殺人医師”スティーブ
・ウィリアムス、“刺青獣”クラッシャー・バンバン・ビガロ、“皇帝戦士”
ビッグバン・ベイダー、“暴走戦士”ホーク・ウォリアー。
10人の共通項は「故人である」ということ。

この10人にはそれぞれ大いなる思い入れがある。であるからこそ、淡々と
描かれる各人の「終わりと始まり」は、びっくりするくらいスッとコチラ
に入ってくる。彼らがリングで闘う姿は今も鮮明。フミさんが書いている
通り、ファンが思いを馳せているウチはずっと彼らは生きている、と僕も
思う。

極めて冷静な文体だが、行間から滲み出る愛情を誰もが感じる筈。
プロレスとかそういうのは関係無く、フミ・サイトーのような文章は僕の
理想。こういう文章を書ける人になりたいなぁ・・・。

不機嫌なフリップ芸

#短期集中


東京都知事小池百合子氏、このところ毎日のように記者会見
こんなご時世なのでソレも仕方無いと思うのだが、ちょっと雰囲気が・・・。

お得意のフリップ芸(?)を繰り出すのは良いのだが、会見中に咳き込む
場面がチラホラ。メディアはここぞとばかりにフラッシュを焚くのだけど、
百合子さんがコレに噛みつく状況が。

・・・都知事が咳をすれば、そりゃあ皆注目するに決まっている。
個人的に百合子さんの頑張りについては大いに評価してるので、こういう
場面でヒステリーっぽく振る舞うのはだと思うんだよね・・・。

どっしり、余裕を持って、笑顔で構えてくれていいんだけど。