潔白

#冤罪


▼潔白 / 青木俊(Kindle版)

EJ推薦図書
いわゆる司法ミステリーなのだが、これがとんでもない骨太な内容。扱われ
ているのは「冤罪」。それも「最悪」と言って良い状況の案件なのだから。

以下、ネタバレ注意で!

母子2名殺害で逮捕された男は、一貫して無罪を主張しながらも死刑を宣告さ
れてしまう。決め手はDNA鑑定で、被害者の女性から検出された体液が男の
DNAと一致したため。当然男は上告の準備をするが、驚くほどの短さで死刑
執行されてしまう。しかし、当時のDNA鑑定はあまりに未成熟で、現在の
技術で再鑑定すれば違う結果が出る可能性が高いという。男の無罪を信じる
は再審を訴えるが、容疑者死刑という結果を既に出してしまっている検察
側はそれをなんとか阻止しようとして・・・という内容。

・・・いやぁ、恐ろしい
正直、中盤で誰が真犯人なのかはおおよそ検討が付くし、ソレに関する伏線
の貼り方もやや強引な感。つまり、ミステリーとしてはやや稚拙なのだが、
そんなことはもうどうでも良くなるほどの人間ドラマが、これでもか!とば
かりに展開される。そして、各所に織り交ぜられている他の冤罪に関しては、
殆どが実話なため、もしかしたら現実の「日本の司法」も、コレと似たよう
な状況かもしれない、と考えさせられる程の圧倒的なリアリティ。それが最
初から最後までずっと持続しているのだから凄い。

青木俊、只者じゃねぇぞ・・・。
取り敢えず別作品を調べてみたが、著作はこの作品を含めて3つしか無い。
あっという間に読んじゃう気がするな、3つとも。

GREEN BOOK

#世界一ステキな実話


グリーンブック@舞浜シネマイクスピアリ。
何かで予告を観た時からちょっと気になっていた映画なのだが、3/1の
公開初日から2ヶ月以上過ぎてもまだロードショーされている、という
事実が気になり、映画館へ足を運んでしまった。

・・・すばらしい映画
大袈裟で無く、今年観た映画の中では「最良」と言っても良いくらい。

舞台は1960年代、まだ人種差別の色が濃かった時代のアメリカ
黒人ピアニスト運転手として雇われた主人公のイタリア系移民が、
アメリカ各地を旅しながら二人の友情を育んでいく、という物語。
ちなみに「実話」を元に制作されたらしい。

自らも黒人差別主義者だったハズの主人公の心が、どんどん変わって
行く様が如実に見える。派手なシーンやヤマ場も殆ど無く、淡々とした
旅の描写だけで観る者の心をジーンとさせてくれる。「人種差別」とい
う難しい問題に対する静かで力強いアンチテーゼを終始感じさせてくれ
るところが、本当に凄いと思った。

この手の映画は久しぶりに観たのだが、これまでに観たいわゆる「ロー
ドムービー」の中でも1・2を争うすばらしい作品。吹替版も上映されて
いるらしいので、そっちの方も観に行ってみようかと。

かなりオススメ。清々しく感動したい人はぜひ!

遠藤ミチロウ :THE STALIN

#吐き気がするほどロマンチックだぜ


「スターリン! スターリン! スターリン! スターリン! ・・・」

僕が初めて自分で選択し、プレイガイドでチケットを購入し、足を運んだ
ライブ会場は後楽園ホール。その後に足繁く通うことになるこの会場で初
めて耳にしたのは、劈くような観客のスターリンコールだった。

開演前から客席のボルテージがハッキリと「ヤバい」
爆竹が飛び交い、モッシュが自然発生する会場の雰囲気にたまらず主催者
が舞台に登場し、誰も耳を貸さない状況で説明を行う。観客が反応したの
は前座バンド・ラビッツの出演が発表された時。ほぼ全ての観客が「No」
を突きつけ、スターリンコールの大合唱。結局ラビッツの登場は見送られ、
早々にカリスマが姿を現した。

・・・衝撃だった。
あの時の僕が体験したのはコンサート、いや下手すれば音楽ですらなく、
圧倒的な「PUNK」だった。その世界に魅入られ、足を突っ込んでしまっ
たらもう抜けられない。多感な時期の全てをパンク一辺倒で過ごしたのは、
スターリン・・・遠藤ミチロウの存在があればこそ、だった。

遠藤ミチロウは、遠い場所に行った。
僕の人生に大きな影響を与えてくれた人が、また一人居なくなった。
願わくば僕が同じ世界に行った時に、ミチロウがあの恐ろしい眼差し
パフォーマンスを繰り広げてくれていることを強く望む。

遠藤ミチロウ、日本最高のパンクバンド「THE STALIN」のボーカリスト。
2019年4月25日、膵臓癌に倒れる。享年68。
彼の存在は永遠に、アタマから輝いている

「平成」

#ありがとう平成 #さよなら平成


「平成」が本日、2019年4月30日を以て30年の歴史に終止符を打った。
昭和に生まれた僕は、平成という元号が全くピンと来ないまま長いこと暮ら
して来てしまったワケだが、まぁいろいろあった30年でもあった。

辛かったことや悲しかったことしか思い出せないのだけど、実は同じくらい
良かったこともあった筈。30年というキリの良い数字で役割を終えてくれた
平成という時代に、大きく感謝しようと思う。

ありがとう平成! さよなら平成!
そして僕の三時代目令和は明日より開始!

BOHEMIAN RHAPSODY

#FLASH


昨年度最大のヒット作と言われている「BOHEMIAN RHAPSODY」のBDを
購入した。名シーンと言われている「LIVE AID」の部分がノーカット収録
されているのがポイント。

購入したパッケージは本編がBD+DVDの2枚組に特典ディスク、Tシャツ
がセットになったもの。このセットがどうやらバカ売れしてるらしい。

クイーンは僕の中では決して重要なバンドでは無かった
これはおそらくこのバンドを知ったタイミングの問題で、当時のクイーン
はやや迷走していた時代(Hot Spaceの頃)。さらに自分がバンド活動を
始めた時期でもあり、ゴリゴリのヘビーメタルでも無く、パッションが先
に立つパンク・ニューウェイブでも無かったクイーンは我々の琴線に触れ
ず、であるから全盛期と思われるこの前の時代のクイーンを振り返ること
も無かった。

しかし、クイーンは世間に届くタイプの音楽を提供していた。
バンド活動を止め、リスナーに徹するようになると、名曲として昔の楽曲
がいくらでも入ってきた。そうやってようやくクイーンを認められそうに
なった頃に届いた凶報。それが、フレディ・マーキュリーAIDSによる
であった。

この映画は、そのフレディを主役に制作されたモノ。
実は劇場で観たのだが、レビューが出来ないままでいた。ラミ・マレック
の演じるフレディがあまりに真に迫っており、その衝撃を文章にすること
が困難であったのが原因。その気持ちは今も変わらないのだけど・・・。

クイーンの全盛期をもし僕が体験していたとしたら、この映画をどう感じ
たのかなぁ、と考える。もっと斜に構えるか、大号泣するかのどちらかだ
と思うのだが、おそらく前者になる可能性が強い。そういう意味で言えば、
彼らの全盛期を知らなかった、という事実が無ければ、この伝記映画でこ
こまで感動出来なかった気がする。

ただ、LIVE AIDでのクイーンに関しては・・・。
あのイベントは日本でも長時間生中継されており、ほぼ完徹で全てを観て
いたのだが、クイーンのパフォーマンスが始まったところで完全に眠気が
飛び、呆気にとられたことを鮮明に覚えている。ソレをほぼ完璧に再現
た部分は、鳥肌が立つほどすばらしかった。

やはり観るべき「映画」
そしてクイーン楽曲の凄さを、全ての人が再認識すべきだと思う。

・・・ところで、この映画で「Born to Love You」がほぼ使われていないの
は、ちゃんと理由がある。興味のある人は調べてみると面白いかも。