完全版 さよならムーンサルトプレス

#闘魂三銃士 #スペース・ローン・ウルフ #610


▼完全版 さよならムーンサルトプレス / 福留崇広(Kindle版)

以前単行本版でレビューした福留崇広作品が文庫化
まもなく引退を迎える天才プロレスラー・武藤敬司に関するノンフィクショ
ンで、副題は『武藤敬司「引退」までの全記録 』。文庫化にあたり更に大幅
加筆が付加されているのだが・・・。

この作品、再読なのにも関わらず、まるで初めて読んだ本のよう(^^;)。
単行本を読んだのがかなり前、という事実こそあるモノの、おそらく加筆・
修正もの凄いことになっているのではないか?と。以前も書いた通り、僕
にとっての武藤はけしてフェバリットなプロレスラーでは無いのだが、語る
べき選手ではある、という事実を改めて思い出した。

そして行間から溢れる「思い入れ」が凄い。
福留さん、本当に武藤敬司/グレート・ムタが好きなんだなぁ、と素直に感
じることが出来るし、下手すれば共感してしまう。2023年2月21日を迎え
る前に、完全版となったこの作品を読んでおくといいかもしれない。

・・・武藤、引退試合ちゃんとやれるんだろうか??

愚零闘武多・終幕

#魔界帰還


プロレスリングノア・GREAT MUTA FINAL BYE-BYE 横浜アリーナ
新日本の愛知県体育館とどちらを観ようか迷ったのだけど、こちらを
チョイス。まぁ、グレート・ムタ最後だからなぁ・・・。

とにかくムタの最後だけあり、面子がやたら豪華
ムタと同じコーナーにはWCW時代のライバルであるスティングAEW
の有望株であるダービー・アリン。対角のコーナーには、ボディペイン
トを施した丸藤正道、武藤と同期のAKIRA、そして新崎人生の化身であ
白使。試合前にはグレート・カブキのヌンチャクパフォーマンスもあ
ったりした。

だがしかし、いくらビッグネーム揃いとはいえ、殆どが半リタイア状態
ベテラン選手ばかり。その所為か、「間」をたっぷり取った展開が半
分以上を占めたのだが、驚いたことにソレが全く飽きない。ちょっと前
の選手は、特に動かなくともプロレスを魅せられる、という良い例。

試合は27年前同様、ムタが白使をフォールして有終の美。
今回も卒塔婆を持ち込んだ白使だが、またもやムタに血文字を描かれて
しまう。その文字は・・・。

「完」
いやぁ、本当にお見事でした!

グレート・ムタは今日で最後だが、武藤敬司のファイナルは来月21日
今日凄いカードが発表されたので、その件はまた改めて。ただ、おそら
く今後、単独引退興行東京ドームで開催出来るプロレスラーは出て
来ない気がする。行くべき、なのかなぁ?

WRESTLE KINGDOM 17 in YOKOHAMA ARENA

#NJPWvsNOAH


新日本プロレスWRESTLE KINGDOM 17 in 横浜アリーナ
昨年同様、新日本とNOAHの対抗戦。去年と違うのは、『L.I.J vs 金剛』
全面的に押しだし、シングルマッチ5戦が組まれたこと。

2勝2敗イーブンで迎えたメインは、内藤哲也拳王リーダー対決
この興行のMVPは間違い無く金剛拳王。自身のYouTubeチャンネル
を使って内藤を煽りまくり、短い期間でかなり深いストーリーを作って
魅せた。もちろん生涯新日派の僕だが、今回に関しては功労者拳王
勝たせてやりたい、と本気で思っていた。

前半は一進一退。ただ、攻撃量は拳王が上回っているモノの、内藤は
要所々々で上手く「休む」。長丁場になれば拳王が不利だが、今回は
30分1本勝負。20分を過ぎたあたりで、内藤も休むことが出来なくな
った。

拳王は攻勢を仕掛ける。リング中央でアンクルホールドがズバリと決
まった時は、アップセットが起こる、と本気で思ったのだが・・・。

・・・さすがは内藤
拳王のちょっとした隙を見逃さず、変形デスティーノ→バレンティア→
トドメの正調デスティーノ完璧に畳み掛け、文句の付けようの無い
3カウント。完敗した拳王のイメージを考えると、どう考えてもNOAH
ダメージは深い。時間切れの方が良かった、とまで思ったのだが・・・。

・・・試合後、解説席の武藤がリングに上がり、自身の引退試合の相手に
内藤を指名。いや、このやり方は正直どうかと(^^;)。バカ負けした状
態の拳王がマジで気の毒。だから、今年は今以上に金剛を応援しよう
と決めた!

一応、第四試合にも触れておく。
昨年完膚なきまでにやられたNOAH・清宮海斗が、オカダ・カズチカ
“仕掛けた”。カットプレーに入った折、ストンピングを余裕の表情
で受け流したオカダにカチンと来たらしく、掟破り顔面キック
この攻撃にキレたオカダが、試合そっちのけで清宮と殴り合いを展開。
試合はノーコンテストとなった。

個人的に、清宮の行動は大正解だと思う。
いや、逆にココでオカダに対して仕掛け無いようであれば、清宮海斗
というプロレスラーを僕は見限っていたような気がする。
オカダにとってはアレだが、これで清宮vsオカダ黄金カードに進化。
これは素直に評価しなければなるまい。

両団体の対抗戦、今年はあと2〜3回やるべきなんじゃないかと。
単純に試合内容が良いし、何よりも拳王にリベンジのチャンスがある
べき。今回は100点満点の興行、だから続きが観たい!

堂々たる『返上』

#PFP


井上尚弥が、自らの保持するWBA・IBF・WBC・WBO4本のベルト
返上を発表。日本ボクシング史上最強のボクサーは、次の舞台へ進む!

やっぱり気になったのは、↑↑のインタビューで語った「パッと思いつ
く4人」。うち二人はスティーブン・フルトンムロジョン・アフマダ
リエフで間違い無いと思うが、もう二人がイマイチピンと来ない
・・・ルイス・ネリ? ・・・ジョンリール・カシメロ? ・・・いや、こんな
奴ら、構ってやる必要無いか(^^;)。

なんにせよ、フルトンやアフマダリエフとの一戦は楽しみ。
普通に勝っちゃう気もするんだけど。

シン・日本プロレス

#RINGS


▼シン・日本プロレス / 前田日明・片田直久(Kindle版)

どうやら電子書籍のみでリリースされている作品。
“新格闘王”こと前田日明に対するインタビューを書籍化したモノで、
前半は新日本プロレス-UWF時代、後半はRINGS-OUTSIDER時代
中心に構成されている。前半と後半で内容的に被る部分があるのは
若干腑に落ちないところ。

これまでいろんなところで目にしてきた『前田日明の言葉』をまと
めたような作品。故に内容はほぼ知っている話の焼き直しになって
しまうのだが、残念ながらに僕はコレに共感することが出来なかった

・・・個人的な意見だが、前田日明からはなんとしてでも自己を正当化
しよう、という意識を感じる。だから、いつも前田は被害者であり、
悲劇のヒーローを装うのだが、当時を知っているファンの側からする
と、それはとんでもない間違いだと思う。

僕らが心血を注いでいた新生UWFが潰れたのは、前田の人望の無さ
が大きな原因だったと思う。更に言えば、新生UWF時代の前田の試
は緊張感に欠けるモノばかりで、下からの突き上げに対してモノ
を言えるレベルの選手ではなかった。だから、新生UWFが解散した
後の僕はUインターの熱狂的なファンになったし、船木鈴木が在籍
した藤原組も心の底から応援出来た。でも前田のリングスは・・・とい
う感じ。それが今もずっと続いている。

だからこの本の内容に共感出来ないのは当然なのだが、それでも前田
ブレの無さだけは認める。過去から現在に至るまで、話の内容やニ
ュアンスは全く変わらず一貫している。そういう前田日明から離れら
れない人が居るのも、凄く理解できる。

だから前田ファンには確実に楽しめる作品なのは間違い無い。
僕の好きだった前田日明は、出戻った新日本を解雇された段階で終わ
っているから、その中に入れないのはしょうがないんだけど・・・。