W☆ING流れ星伝説

#Wrestling International New Generation


▼W☆ING流れ星伝説 星屑たちのプロレス純情青春録 / 小島和宏

週プロ名物記者小島和宏が、日本プロレス史上最大の「徒花」
とされている『W☆ING』及びその後継『W☆INGプロモーション』
全貌をまとめた書籍。こんなクソマニアックな本が出たことが、まず
は驚きなのだけど・・・。

とにかく、小島記者(そう呼ばせてください!)の熱量がもの凄い。
小島氏のプロレス関連書籍はだいたい読んでいるのだけど、ここまで
熱い思いが溢れる文章は他では読んだ事が無い。関係者である小島氏
が、ここまで熱くなれる団体、それが【W☆ING】である。

この本を読みながら記憶を紐解いてみたら、僕もW☆INGの重要な興行
はかなり生観戦していた事実に驚いた。旧W☆INGの旗揚げ戦、マスカ
ラスの登場したW☆INGプロの初興行、松永のバルコニーダイブetc…。
確かにあの頃のW☆INGには得体の知れない胡散臭さが溢れ、その怪し
さに魅了されていた時期が、僕にも確実にあった。

であるが故に、もの凄い文章量の本なのに一切の退屈が無い
プロレス本でありながら、しっかりしたドキュメンタリー。ただし、
読む人を確実に「選ぶ」作品であることに、若干の悔しさを感じた。
・・・のだが!

この本、すっげぇ売れている(!)らしい。
実際、Amazonで注文しようとしたら在庫切れのアラートが表示され
ていたので、わざわざ秋葉原の書泉ブックタワーまで買いに行った。
そういう人間の絶対量が多い、ということは、まだまだこの時代も捨
てたモンじゃない。ちょっと生きる気力が沸いて来たぜ!!

RESURGENCE

#njresurgence


昨日の朝にライブ配信された新日本プロレス米国ロサンジェル
ス大会『RESURGENCE』のアーカイブをようやく視聴。新日本の
ビッグマッチがアメリカで行われるのは久しぶりだが、なんとこ
の大会は【有観客】。まずはメインイベントについて。

長期政権を築いていたジョン・モクスリーを破ってIWGP US王座
に就いたのは、なんと元鈴木軍ランス・アーチャー。この巨大
な新王者に、棚橋弘至が挑戦。いやぁ、すげぇカードだ・・・。

とにかくランスがパワーに任せて暴れまくり、タナがソレを正面
から受ける、という展開。自分より一回り以上大きな選手を相手
に、30分近くコレをやれる、というのがタナの非凡なところ。

ランスの攻めを受けきったタナは終盤怒濤の畳み掛けハイフラ
イフロー三連発という鉄板のフィニッシュで、日本人初US王者
となった。ジェイ同様、これでタナもグランドスラムを達成。

タナはレスラーを含めた関係者の評価が高い選手だが、そりゃあ
そうだろ、と思わず納得。試合後、ヒールのアーチャーがマイク
でタナにリスペクトを示したのだから凄い。

US王者になったので、棚橋弘至はしばらくアメリカ中心になる
可能性大。AEWIMPACTのリングでも防衛戦をして欲しいし、
なんならケニーAEW王座とのWタイトルや、モクスリーとの
シングルなど、夢の広がる興味深い展開になりそう。棚橋弘至
ベルト姿、やっぱりしっくり来る!

もう一つ。
この大会、観客は歓声を挙げていたし、ハイタッチなどのスキ
ンシップも解禁されていた。コールの響く会場はとにかくすば
らしい。この光景を観ていて、正直ちょっと涙が出た

日本にも早く帰って来てくれないかな、「本当のプロレス」が。

CASIMERO vs RIGONDEAUX

#3位と4位


WOWOWエキサイトマッチでオンエアされたWBO世界バンタム級
選手権王者ジョンリール・カシメロにWBA同級“正規”王者の
ギジェルモ・リゴンドーが挑んだ試合をリアルタイムで観た。

試合前から舌戦(というかカシメロの一方的な罵倒)を繰り広げた
両者だが、試合が始まってもまぁ不穏(^^;)。↑↑の開始前だけで
なく、試合中もこういう感じの場面が多々あった。

肝心の試合は、アウトボクシングのカウンター狙いだけを遂行した
リンゴンドーを、王者のカシメロ追い回す展開。リゴンドーの側
から考えてみれば、パンチのあるカシメロに勝つにはこの展開しか
選択肢が無かった、というところか。結局この状態のまま12Rが過
ぎていき、2-1のスプリットでカシメロが辛くも防衛を果たした。

リゴンドーの一級品だが、12Rやって左の一発も当てられない
のは王者として問題。もし今日の相手がリゴンドーでなくて当初の
予定通りノニト・ドネアであったら、カシメロの王座は今日で終わ
っていた気がする。要するに、今日は世界3位と4位の闘いであった、
ということ。

・・・こんなクソみたいな勝ち方しか出来なかったのに、試合後のイン
タビューで井上尚弥に対してこの態度。あの悪童・ネリに比べれば
まだマシだが、コイツはコイツでマジでクソ(^^;)。

尚弥、マジで頼む! コイツをボッコボコにしてくれ!

リングサイド

#台湾プロレス


▼リングサイド /  林育徳(著)、三浦裕子(翻訳)(Kindle版)

以前から気になっていた小説。
林育徳とは台湾新進作家で、オリジナルは中国語で書かれている。
そして題材は『プロレス』。コレに興味を持つな、という方が難しい。

全10篇から成る連作短編で、共通テーマはもちろんプロレス。だが、
台湾の発展途上都市で暮らすあらゆる年代の【生活】が絡められてい
る所為か、ありきたりなプロレス小説とは立ち位置を完全に異にして
いる感。

かといってプロレスに対する記述が足りていない、という事は絶対に
無い。WWEや新日本といった他国のプロレスのテレビ放送事情や、
ネットでのコミュニティ、そして台湾国内にも幾つか存在するインデ
ィー団体の現状が細かく書いてある。そういう完全にニッチマニア
ックな素材を、良い意味で【枯れた人間ドラマ】を組み立ててしまう
のだから、この作家のポテンシャルはかなり高いと思う。

読後感はプロレス本のソレではなく、上質なヒューマンストーリー。
・・・もしかしたら、これまで読んだプロレス小説でいちばんの作品
もしれない。コレは次作に期待。訳者の三浦裕子さん、ぜひ林育徳氏
の新作を日本にも!!

Beautiful Day

#ONGAKU-SENKA


『今日のiPod「POP」から流れた曲』
もうとっくに書いたと思っていたのだが、実はこのトピックに登場して
いなかった(であろう)、大物バンドの曲。

Beautiful Day by U2.
U2に関しては、今さら言うことが無いくらい有名なバンドであり、も
ちろん名曲も多々あるが、今回は2002年頃にもの凄いインパクトを放
ったこのPVをセレクトしてみた。

WWE(当時はWWF)のスーパースター・HHHが、足の大怪我から復帰
した時に作成されたビデオ。この頃のHHHは正直好きなプロレスラーで
は無かったのだが、このビデオで大ファンになった覚えが(^^;)。
あの感動的な復帰劇は、この曲が無くては成り立たなかったと思う。

最近では殆ど試合をしなくなったHHHと、殆ど活動しなくなったU2。
両者共、このままで終わる筈は無く、最高のビッグ・カムバックを期待
せずにいられない。その時はまた、この曲を使って欲しいなぁ・・・。

▼All That You Can’t Leave Behind / U2