キム・イル 大木金太郎伝説

#原爆頭突き


▼キム・イル 大木金太郎伝説:海峡を越えた原爆頭突き / 高月靖

昭和プロレスマガジン55号から始まった連載「大木金太郎の流浪人生」
大木金太郎というプロレスラーは昭和プロレス好きにとって実に魅力的
研究素材。国交の無かった時代に韓国から密航し、力道山の弟子にな
、というだけでも興味深いのに、コレに和を掛けて面白いのが韓国マ
ット界の暗黒過ぎる歴史。おそらくこの連載で、その辺りが鮮明になっ
ていく、と思うのだが。

この連載記事について、参考文献が幾つか記載してあった。既に所持し
ている本もあったのだが、今後の予習の為に改めて入手した2冊のうち
1冊がこの本。史実をしっかり調べ、さらに大木の周辺人物たちに細か
なインタビュー取材を敢行。結果、かなりしっかりしたドキュメント
作品に仕上がっている。

ちなみにこの本はおそらく絶版になっており、古本を当たるしか無い。
僕は幸いにも2,000円程度で購入出来たのだが、今Amazonを調べると
中古品で28,000円(!)から、という高値が付いている。昭和プロレス
に興味のある人は手に入れておきたい書籍なのは明白、そういう人たち
資料に金を惜しまない(^^;)。ちょっと時期がずれていたら、おそら
く僕も数万円を使っていた可能性大である(^^;)。

普通に手に入って本当に良かった。もう1冊はまた別の機会に。

HERE IS THE “MONSTER”

#PFP #LAS VEGAS


またもベガスで行われたWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王座戦
王者井上尚弥に挑戦したのは、フィリピンのマイケル・ダスマリナス
戦前の下馬評は、ほぼ10-0で尚弥。前回に続き、比較的軽い相手・・・と
思われたのだが、よく考えればそれがオカシイことが解るハズ。だって、
ダスマリナスはIBF世界ランキング1位なのだから。

もし【怪物】が不覚を取るとするのなら、こういうノーマークの相手
の試合かも、というヘンなドキドキがあった。まがりなりにもトップラ
ンカー、そしてリーチのあるサウスポー。もしダスマリナスが隠れた強
豪だったら?という根拠の薄い(^^;)怖さ。でも・・・。

「完璧」とは、こういう試合。
1Rから距離を取って足を使い、手数を出してくるダスマリナスに対し、
尚弥はほぼベタ足のヘッドスリップのみでパンチを軽々躱す。初回に
直弥の放ったカウンターの左フックは、なんとかスリッピング・アウ
ェイで躱したダスマリナスだが、この段階で実力差を悟った模様。

以降、尚弥の懐に潜り込むことが出来なくなったダスマリナス。
結果的にその弱気が原因で、地獄の苦しみとされる直弥の悶絶ボディ
喰らって3Rで轟沈した。

ほぼ一発も有効打を喰らわずに完勝して魅せた井上尚弥。
次戦は遂にカシメロドネアとの『二冠王対決』が実現する模様。ただ、
どちらが出て来てもおそらく尚弥の牙城は崩せない、と断言できる。
おそらく次の試合で四冠を統一すれば、日本人初のPFP1位となるハズ。

・・・そろそろ次の階級での試合を考えた方が良いかも(^^;)。

捻くれ者の生き抜き方

#C.A.C.C


▼捻くれ者の生き抜き方 / 鈴木秀樹

人間風車正統後継者にして、日本一面倒なプロレスラーこと、鈴木秀樹
著書。自伝というよりも、自信のプロレスラーとしての立ち居振る舞いを解
説したプロレスビジネス書、といった雰囲気。

ちょっと前、秋葉原の書泉ブックタワーに、昭和プロレスマガジンの最新号
を買いに行った折に、なんとか残っていたサイン本を入手。読みかけていた
本が数冊あり、しばらく置きっぱなしになっていたのだが、ここ1日で一気
に読んだ。

とにかく、デビューから今に至るまで、ずっと特異な場所に居続けた異色の
プロレスラーが鈴木秀樹。UWFスネークピットジャパンビル・ロビンソン
からCACC(Catch As Catch Can)を学び、アントニオ猪木IGFでデビュー
する、という経歴だけでも異色なのに、IGF崩壊後は強烈過ぎるダブルアーム
スープレックスで様々な団体を席巻。今の時代には珍しい、「強さ」をしっ
かり表現できるプロレスラーである。

僕よりもずいぶん年下なハズなのに、まぁ頷ける部分が多々ある内容
ハードな練習をこなして確かな技術を手にしていることに加え、自分の意見
をしっかり言える心の強さと、【おもしろい】ことにアンテナを立てられる
センス。鈴木がフリーながら各団体で引っ張りだこなのも頷ける。

鈴木は今、WWEからコーチの依頼を受けて渡米中。
もちろん鈴木の指導を受けた選手がどうオーバーして行くのかも確認したい
が、願わくば鈴木秀樹がWWEスーパースターとして闘う姿も観たい。
このご時世なので帰国がいつになるのか定かで無いが、その時はどこかの会
場でこの本の表紙にもう一つのサインを貰いたいところ。

その時まで、この本はしっかり所持しておこう!

那須川天心の3対1

#神童


録画しておいたRIZIN.28那須川天心の試合をチェック。

公式試合ではなく、キック無し立ち技変則ルール。契約体重は特に無し、
バックブローが許されているので純粋なボクシングルールでも無い。1R3分
3ラウンドのエキシビションのような試合だが、ハードなのはラウンドご
とに対戦相手が違うこと。1Rはホープの大崎孔稀、2RはK-1甲子園世代の
HIROYA、3Rはなんとあの所英男。ある意味危険なマッチアップである。

元々今日の東京ドームは、天心vs武尊のために押さえられていたらしい。
武尊の負傷でこのドリームマッチが流れたため、天心はこういう変則的な
試合をせざるを得なくなった

試合後、天心は3月からのボクシング転向を正式にアナウンス。
キックルールの試合は、あと2〜3戦ということになると思う。

武尊絶対に間に合わせなければならない
もしこのカードが実現しないまま天心がボクシングに転向すれば、それは
残念ながら武尊の所為、ということになる。天心にこんな危険なお茶濁し
試合をさせたのは武尊の責任。天心はずっと待っていたのだから。

・・・それと2Rの相手を務めたHIROYA、残念ながらちょっと見損なった
体重で圧倒的に勝りながら、1Rしか無い試合でガードを固め、殆ど手を出
さないことに何の意味があるのか? 昔、K-1の試合でHIROYAを認めたこと
があったのだが、今日のHIROYAには本当にガッカリした。

今回のRIZIN、その他の試合もなかなかおもしろかったのだけど、それでも
熱く語るべき試合があったか?と問われると?マーク。希望があるとすれば、
気を吐いたボンサイ柔術勢と、井上直樹の今後か?
それでも厳しいだろうなぁ、RIZINは。

DOMINION 2021

#闘龍門


緊急事態宣言を受け、開催が1日延期となった新日本プロレスの大阪
ビッグマッチ『DOMINION in OSAKA JO HALL』。上半期の総決算的
な大会で、重要な試合がいくつも組まれたのだが、注目すべきはやは
りこの試合。

第3代IWGP世界ヘビー級王座決定戦オカダ・カズチカvs鷹木信悟
2代目世界王者、ウィル・オスプレイの長期欠場を受け、緊急で組ま
れた決定戦である。両者共にバックボーンは【闘龍門】だが、さすが
にこの試合はオカダが意地でも取る、と思っていたのだが・・・。

序盤から快調に飛ばす鷹木に対し、イマイチ表情がピリッとしない
病み上がりのオカダ。終盤ではなんとか盛り返したモノの、試合の
主導権が全く握れない。コレはコロナ云々ではなく、腰の具合が相
当悪いのでは無いか? 試合中に「オカダが勝つ」というイメージを
持てなかったのは久しぶりである。

レインメーカーを完璧にかわし、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決
めた鷹木信悟激勝。新日本に参戦してからまだ5年は経っていない
と思うが、まさか鷹木がこんな短期間で頂点まで上り詰めるとは・・・。
驚くと共に納得【IWGP世界】価値を創っていける選手である。

次の防衛戦は初代王者・飯伏幸太。ここで防衛出来れば、鷹木の価値
はトップ戦線からしばらく外れないハズ。心情的には飯伏なのだけど、
鷹木への期待感はソレ以上にあるかもしれない。

第3代IWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟
この痛快な事実を、脳に刻み込んでおくことにする。