WRESTLING DONTAKU 2025 day1

#njDONTAKU


新日本プロレス『レスリングどんたく 2025』初日。
さすがに大会場福岡国際センター観客8分の入りだったが、大会内容
かなりのモノ。印象に残った2試合を集中レビュー

まずは第5試合・棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)
引退を控える棚橋弘至が、これまで対戦成績7勝6敗で勝ち越している難敵、
ザック・セイバーJr.と一騎打ち。正直、棚橋が勝ち逃げしてもいいんじゃ
ないか、とも思ったのだが、コレがとんでもなくエモい試合になった。
全盛期には及ばないが、タナのコンディションはここ最近でいちばん良か
ったのではないか?と。正しく今が全盛期のザックを向こうに回し、棚橋
らしいテクニックで対抗。読み合い・切り返し合いの応酬は見応え充分で、
僕の好きなプロレスらしいプロレスを堪能することが出来た。
結果は完敗、対戦成績も五分に持ち込まれてしまったが、これは棚橋弘至
だけが可能な、棚橋弘至らしいプロレス。コレがもうすぐ観れなくなっち
ゃうんだよなぁ・・・。

そしてメイン、DOG POUND CAGE MATCH
デビッド・フィンレー率いるWAR DOGSが、EVIL率いるHOT5vs5
全面対決。負けた方のチームがBULLET CLUB追放、という金網マッチ
かつてこの形式でUnited Empireととんでもない試合を行ったWDが有利
と思っていたのだが、HOTの対応力もなかなかのモノ。特に成田SHO
ハードコアっぷりは凄まじく、新日本の生え抜きとは思えないほどの狂気
を発揮。結果こそWD勝利で終わったが、逆にBULLET CLUBの縛りが外れ
たおかげで、今よりもさらに徹底したヒールになれそう。この抗争、以外
に長く続くかもしれない。

さて、明日は最終日大会二日目客入りも含め、どうなるか・・・。

レスリング肥前の国

#njHIZEN


新日本プロレス『レスリング肥前の国』SAGAアリーナ。
どんたくシリーズ別タイトルビッグマッチ新設SAGAアリーナ
のマッチメイクは、セミ・メイン共にジュニアタイトルマッチ

まずはセミファイナルIWGPジュニアタッグ選手権
王者TMDKロビー・イーグルス&藤田晃生に挑んだのは、コンビを
組んで日の浅いYOH&マスター・ワト。気になるのは、もちろんYOH

せっかくキャラチェンジに成功したのに、SHOとのタイトルマッチでの
負傷が響き、結局ずっと低迷しているYOH。しかし、僕の中でYOH・・・
小松洋平の存在は大きく、どこかで浮上して欲しい、とは思っていた。
今日の試合も、安定感たっぷりのTMDKの攻撃に苦しみながらも、地力
の差を魅せ付けての大勝利。コレを機に、YOHもワトも殻を破れるとい
いのだが・・・。

そしてメインエル・デスペラードの持つIWGPジュニアヘビー級王座
挑んだのは、United Empireに加入したメキシコCMLLテンプラリオ
デスペ技量は既に疑う余地も無いし、テンプラリオセンスもファン
タスティカマニアで証明済み。試合内容は保証されたも同然、と安心し
た状態で試合を観た。

・・・予想通り(^^;)。
いや、下手すれば予想を上回る好勝負。何よりもルチャの癖が微妙に残
っているテンプラリオを上手く引っ張り、名勝負のレベルにまで持って
行ったデスペ妙技。これはもう、IWGPジュニア史上に残る名王者
誕生した、と言って良いのでは?

これで次のBOSJにも弾みが付く。
どんたくシリーズの中で「ジュニアが主役」の大会を組める新日本、ま
だまだ捨てたモンでは無い、かと。逆風が吹いているけど、ココを踏ん
張れば、またきっと!

岩谷麻優

#ICON


昨日、横浜アリーナでのビッグマッチを終えたSTARDOM
メインの敗者引退マッチの結果やその後には正直一切の興味が無いのだけど、
本日行われた一夜明け会見“とんでもない発表”が。

“アイコン”前IWGP女子王者岩谷麻優スターダムから退団を発表。
青天の霹靂とは正にこのことで、記事を見た瞬間に身体が静止してしまった。

スターダムは出入りの激しい団体であり、旗揚げからリングに上がり続けて
いる選手は既に麻優のみ。僕がスターダムに夢中になったのは、現WWEの
宝城カイリの存在があったからこそで、彼女が退団してからのスターダムに
は以前ほど夢中になれていない。しかし、完全に見限ることが出来なかった
のは、そこに岩谷麻優が居たから。彼女の底抜けの明るさと、モデル並み
スタイル、なによりも得体の知れない「強さ」が無ければ、スターダム存続
は無かった、と言い切れる。

岩谷真優の居ないスターダム・・・。
残念ながら、もう僕はスターダムに興味が持てない。絶対に失ってはならな
い選手を手放してしまった、と心から思う。

行き先は十中八九あの団体かと。
岩谷麻優の人生なので文句は言えないが、さすがにちょっと抵抗感が。
願わくばアメリカAEWでもWWEでもいいから、そちらをチョイスして欲
しいけど・・・。

WRESTLING REDZONE in HIROSHIMA

#njREDZONE


新日本プロレス『WRESTLING REDZONE in HIROSHIMA』広島サンプラザ。
現在、レスリングどんたく前哨戦シリーズの最中だが、今年は広島大会
佐賀大会別タイトル付きビッグマッチ。何よりも福岡大会の後に退団
が決まっている内藤哲也“準ホーム”広島。さすがにコレは確認すべき。

無論、注目はセミファイナルスペシャルタッグマッチ
元IWGPタッグ王者師弟コンビ、L.I.Jの内藤哲也&高橋ヒロム組が、本体
再編成でタッグを組んだ石井智宏&タイチ組と対戦。コレがとんでもなく
エモい試合になってしまった。

相変わらず内藤のコンディションはサイアク技の正確さはどんどん失わ
れており、今日に至っては得意技の類が一切キレイに決まっていない、と
いう事態に。もしかしたら内藤の「目」は思った以上に悪く、ほぼ見えな
い状態で試合をしているのではないか?と疑ってしまった。そうでないこ
とを願ってはいるが、如何せん内藤に休養は絶対に必要だと思う。

そんな内藤を負けさせるワケにはいかない、とばかりに、ヒロム鬼気迫
るレベルの好ファイト。しかし、相手の石井&タイチもソレを許すハズが
無く、こちらも凄まじい攻撃で対応。内藤も出来る限りのことはやった、
と思うのだが、残念ながら・・・

・・・コレもおそらく、だが、内藤哲也の中では今日の試合がラストマッチ
というつもりだったのではないか、と。思い入れのある広島で、今出来る
限りのファイトをした、と考えると、思わず涙腺が緩んでしまった

内藤の今後のスケジュールは、殆どがL.I.Jとしての10人ないしは8人タッ
。鹿児島大会で同じく退団するBUSHIとのタッグが組まれているが、こ
ちらはオンエア・配信共に無い大会。今日の内藤が、全力を出した最後の
試合だ、と思うと、やっぱり少しやるせない。

中邑真輔よりも、オカダ・カズチカよりも、内藤哲也の退団は痛い、と
個人的に。福岡大会、観るのが少し怖いなぁ・・・。

方舟の継承者

#IMMORTAL BIRD


方舟の継承者 / 丸藤正道(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「方舟の天才」ことNOAH丸藤正道が、2018年に行われた自身の20周年記念
興行にリリースした自伝。7年前はある事情(後述)で手に取るタイミング
が無かったのだけど、Unlimited扱いになっていたのでチェックしてみた。

丸藤正道という天才プロレスラー、我々新日本派のファンにとってある意味で
「目の上のタンコブ」(^^;)。運動能力が高くて出来ない事はほぼ無く、スタイ
リッシュな上にルックスも良い。さらにプロレスのセンスも抜群。文句の付け
ようの無い、本当の意味での“逸材”であり、丸藤が新日本を選ばなかった、と
いう事実に地団駄を踏んだほど。

実際、旗揚げしてから数年間、NOAH「国内プロレス団体の最高峰」であっ
た時期があったのは、認めざるを得ない。もちろん三沢光晴小橋建太と言っ
た名選手の存在が大きいのだが、NOAHをそこまで押し上げたいちばんの原因
は、丸藤KENTAが積極的に他団体の選手と闘い、その実力を認めさせてきた
のが大きい。コイツらさえ居なければ、と何度思ったか(^^;)。

そんな丸藤の半生が本人の口から語られているのだが、僕が感じたのは不思議
なことに“新日本的な感覚”だった。ライバルのKENTAと比較すれば、オトナに
見られがちな丸藤だが、実は丸藤の方がラジカル尖っていたのではないか?
とか思った。まぁ、そのくらいで無ければあの体格で20年以上NOAHのトップ
を張り続けることは出来なかったんだろうけど。

・・・しかし、丸藤の20周年記念興行納得出来るモノでは無かったのも事実。
もしあの試合が強烈な印象を残してくれれば、おそらくそのタイミングでこの
本も入手していたと思う。そのくらい、あの試合は残念だった。

あれから7年が過ぎ、さすがの丸藤正道にも「終わり」が見えて来た気が。
「天才」の最後は、それに相応しいモノでありますように。最後までしっかり
見届けるつもりなので。