WORLD TAG LEAGUE 2019

#年末の風物詩までもうすぐ!


新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2019」が本日最終戦
このシリーズ、最初に開催された時は正直「捨てシリーズ」だと思っ
ていたのだが、今年は本当に面白かった

全16チーム総当たり、決勝戦は特に設けず、獲得した得点が一番多い
チームが優勝、というルール。各チームが15試合の公式戦をこなさね
ばならない過酷な形式であり、毎日試合結果をチェックするのが楽し
みになったくらい。前半の鈴木軍同門対決は紛れもない名勝負だった
し、これまでずっとイマイチだったKENTAが存在感を増した。そうい
う意味で、ようやく意義深いシリーズになったのかも。

優勝したのはジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー
この意外な結果がまた良かった。ジュースはもちろん、フィンレーも
ジェイ・ホワイトに劣らないスターになる可能性大。来年に向けてこ
の2人が飛び出したのは喜ばしい限り。

正直、参加チームのバランスに難があったのは否めないが、こういう
試合が続くのであれば「年末はタッグリーグ」というのが久しぶりに
一般的になる可能性も。願わくば、かつてのハンセン&ホーガン組
ベイダー&ビガロ組のような、プレミアム感のある外人タッグが欲し
いかな?

ともかく、予想外に面白いシリーズでした! 来年も期待しよう!

憧夢超女大戦 25年目の真実

#闘強憧夢


▼憧夢超女大戦 25年目の真実 / 小島和宏

最近「XXの真実」というタイトルのプロレス本のリリースが多い。
令和に入り、プロレスファンの「入れ替わり」を意識せざるを得な
い今日この頃。そうなるとかつてのある種偏執的とも言えるファン
懐古に走るしか無くなる。かく言う僕もその1人なのだが(^^;)。

そんな中、興味深いテーマの本が発売された。
アイテムは94年に行われた全日本女子プロレスの東京ドーム大会
いわゆる「対抗戦ブーム」の象徴とも言える興行と、その大会が行
われるまでの経緯を克明に描いたノンフィクションである。

著者の小島和宏とは、その時代に週刊プロレスで女子プロレスを担
当していた記者。この人が居なかったらインディブーム女子プロ
対抗戦ブームも起こらなかったのではないか?と言われる程のキー
マンである。

僕が女子プロレスを真剣に観ていたのはこの時代のみ。
主に神取忍・風間ルミを中心とするLLPW勢を強烈に応援しており、
いちばんいけ好かない存在だったのが北斗晶であった。実際、オン
ナ同士の意地の張り合いは掛け値無しで面白く、それが小島記者の
煽りでさらに盛り上がっていた、異様に熱い時代だった。

小島氏の文章は本当にこちらにスッと入ってくる。
あの頃読みまくった週プロの記事は多々あるが、印象に強く残って
いるのは小島氏と鈴木健氏の記事が殆ど。僕らの週プロとは正しく
小島&鈴木健であり、そのうちの1人がまとめた文章が面白く無い
ワケが無いのは当然である。

もちろん僕もこの全女ドームを観に行ったのだが、試合よりも客席
のハチャメチャさがやたら面白かった印象。当然満員にはほど遠い
客入りで、外野席はゆったり。僕の席の側では明らかに「鍋」をや
っている集団があり、彼らと爆笑しながら長時間の興行を楽しんだ。
ただ、翌日に外せない仕事があり、23時過ぎ(^^;)に終了したメイ
ンイベントは最後まで観ていない、というのも覚えている。

すげぇ団体だよな、全女って(^^;)。
おそらく最初で最後の開催となった女子プロレスのドーム大会を、
しっかり検証すべし。面白いよ、コレ。

さらば闘いの日々

#ブルータス光秀


▼さらば闘いの日々 / 谷津嘉章

糖尿病が原因で片足切断を余儀なくされたプロレスラー、谷津嘉章
初の著書。実はこの本、リリースを知らされた時からちょっと期
待していた作品。最近のプロレス関係の諸誌で読む谷津のコメント
が非常に興味深く面白いものばかりなのがその原因なのだが・・・。

根本的なことを言うと、谷津嘉章というレスラーには全く思い入れ
を持っていない日本アマレスヘビー級最強とまで称された男だか
ら、強いことは間違い無いし、プロレス自体も決して下手では無い。
ただ、本書で本人も述懐している通り、その印象はいつも中途半端
その証拠に、これだけ長い間プロレスを観ているのに、谷津の試合
「名勝負」と感じた試合がただの1試合も無いのだから。

正直、この本の構成にもその「中途半端さ」を感じた(^^;)。
例えばWJに関する件についてはもっと突っ込んで喋って欲しかっ
たし、谷津ほどのボキャブラリーがあればソレが出来た気がする。
だけど・・・。

谷津嘉章
とにかく「気の毒」としか言い様の無いアマレス・プロレス人生。
メダル確実と言われたオリンピックは国がボイコットするし、プ
ロレスデビュー戦ではあり得ないくらいボロボロにされるし、凱
旋帰国したと思ったら維新軍に組み込まれるし、総合格闘技に出
る頃には年取ってるし、と一事が万事でそんな状況。コレに加え
WJの歴史的な大失敗、さらには後に起こした事業の失敗に加え、
壮年を過ぎてからの片足切断。これがもし自分だったら、と考え
ると、本人には申し訳無いが「死にたくなる」と思う。

それでも全てを受け入れ、今も必死に生きている事実はリスペク
に値する。これまでは好きでも嫌いでもないプロレスラーだっ
たのだが、この本を読んだ後はけっしてキライでは無いところま
で心が変わった。谷津嘉章の今後に、光があることを切に願う。

・・・あ、印象に残っている試合が1つだけ。
正規軍vs維新軍5vs5勝ち抜けマッチ高田伸彦戦。後に延彦
と名前を変える高田の出世はここから始まった。おそらくこの時
の高田の対戦相手が谷津でなかったら、その後の高田は無かった
気がする。良かった、1試合でも見つかって(^^;)。

猪木伝説の真相

#人の人生をカンタンに変える男


▼猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯 / V.A.

僕が何十冊か所持している「猪木本」に、また新しい一冊が加わった。
宝島から出る猪木本だから、もちろん証言シリーズの形式を踏襲。
「不世出」と表現される史上最高のプロレスラーアントニオ猪木
ついて、その周辺に居たプロレスラーや関係者へのインタビューをま
とめたモノ。驚くべきは、猪木本人もインタビューに応えていること。

物心がついた頃から今に至るまでアントニオ猪木は僕の「神」である。
猪木が黒と言えば白いものでも黒だし、猪木が右に行けば当然自分も
その方向に進む。「猪木信者」というのは本当によくできた言葉で、
同じような感情を抱き続けて今に至っている同士がウジャウジャ居る。

アントニオ猪木はプロレスを「たかがプロレス」にしなかった人
僕はテレビで猪木の大一番を見る度にどんどん魅了され、取り返しの
付かないところまで来てしまった。総合格闘技やボクシングにも印象
的な試合は幾つもあるが、それよりも真剣に見ていたのが一連の異種
格闘技戦大木、シン、ハンセン、ラッシャー木村らとの闘いで、今
になっても一連の流れを思い出せる。たかがファンである僕がそうな
のだから、同業者であるプロレスラーたちの猪木へのリスペクトは相
当なもの。どのインタビューを読んでも、それを強く感じた。

そんな猪木だが、さすがに残された時間はそれ程多くない気がする。
もし猪木に何かあった場合、僕がどんな精神状態になるのか皆目見当
が付かない。ずっと大好きだったプロレスから離れるとしたら、その
時なのかなぁ、という気もするが、果たして・・・。

この本を読んでも、いわゆる「謎」は解明されない。しかし、僕と同
じくアントニオ猪木に人生を変えられた人たちは読まずには居られな
い筈。特に佐山聡、前田日明、藤原喜明のインタビューは必読。
かなりイケます、この本。

年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで

#文化系プロレスの進化論


▼年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで
/ 高木三四郎(Kindle版)

今や名実共に「業界第2位」の立場を確立した感のあるDDT
飯伏幸太ケニー・オメガを発掘・育成し、両名に退団されても勢いは衰
えず、新たなスターをバンバン産み出すDDTの「大社長」高木三四郎
インタビュー集である。

プロレス団体と言うより、成功したベンチャー企業の社長の本を読んで
いるような感覚。確かにDDTの「やり方」はこれまでのプロレス団体で
は絶対に出来なかったことだと思っていたが、その様をこうやって一冊
にまとめられるとソレが凄い説得力を放つ。この人が出てこなかったら
日本のプロレスはどうなっていたのか?とかを考えると、本当にゾッと
するくらい。

DDTはサイバーエージェントの傘下に入り、今後の大爆発が期待されて
いる。いろいろ考えてみると、企業としての伸びしろブシロードより
サイバーエージェントの方がやや上かもしれない。もしかしたら、本当
新日本プロレスを超えることが出来るかも・・・。そんな可能性を感じた。

プロレスファンのみならず、企業経営者が読んでもきっと面白い。
ベンチャーのなんたるかをちゃんと解っている「大社長」。この言葉は
聞くべきだな、マジで。