#China Power
▼たとえば孤独という名の噓 / 誉田哲也(Kindle版)

コレも入院中にまとめ買いした電子書籍の中の一冊。
しかし、僕の“本命作家”の一人である誉田哲也の新作(昨年11月発売だけ
ど^^;)で、楽しみに取っておいた、というのが正解。他作品を諸々を読了
し、ようやく読み始めたのだが・・・。
全5章からなる長編ミステリー。
1章を読み終え、2章のアタマくらいまで読んだ時は“連作短編”と勘違いし
たが、紛れもなく一連な物語。章ごとに語り部が変わり、新しい“事実”が
次々と積み重ねられて行く。前章で決定的だと思った“犯人”が次章で覆さ
れるので、事態は混沌の極みに。最後に「まさか?」の真実が露わになる
様は、いっそ清々しさすら感じる。
氏お得意の警察小説であり、所轄・警視庁捜査一課はもちろん、公安も出
てくる“全部入り”。誉田哲也作品で「公安」が登場する作品は、ジウシリ
ーズを始めとした「重たい作品」が殆どなのだが、この作品はソレらに比
べれば幾らかライト。どちらかと言えば、緻密なストーリー構成にどんで
ん返しを幾つも乗せた、良質なミステリーに仕上がっている。
そして、今回のネタが『中国』というのも興味をそそるポイント。
この作品の中で描かれる中国という国と、そこが行っている諜報活動の様
子が、彼の国の“真実”に近いモノであるのかどうか、本当のところはもち
ろん解らない。ただ、「実際もこんな感じなのでは?」と思わせてくれる
圧倒的なリアリティ。コレはもうさすがとしか言い様が無い。
姫川玲子などの有名キャラこそ出て来ないが、それでもノンストップで読
みたくなる快作。この作家のブレなさはすばらしいな、マジで。


