WTL & SJTL 2022

#ニューカマー


新日本プロレス、年末恒例のタッグリーグ
今年はヘビー級ワールドタッグリーグと、ジュニアスーパージュニアタ
ッグリーグ同時開催で、まあ人数が多いったら無い(^^;)。

正直、今回は何故かあまり興味が持てず、最終戦まで殆ど試合をチェックし
ていなかったのだが、さすがに決勝は観ておこうかと。これが大当たりで、
初参戦で気になる選手が何人か居た。ダブルメインで行われた決勝戦をそれ
ぞれかんたんに。

まずはジュニア、YOH & リオ・ラッシュ新R3Kが、 インパクトレスリン
エース・オースティン & クリス・ベイと決勝戦。注目は日本初参戦と
なる黒人のベイだが、コレが身体能力の塊のような良い選手。雰囲気はかつ
てのリッチ・スワンARフォックスに似ているが、ハイフライ系のムーブ
は彼らの上を行くかもしれない。

特に元NXTのリオ・ラッシュとの絡みは最高かも。
試合はR3Kが勝利したが、これがYOHの浮上するキッカケになれば・・・。

そしてヘビー、YOSHIHASHI & 後藤洋央紀毘沙門と、初参加のオージー
オープンによる決勝戦。注目は間違い無くマーク・デイビスカイル・フレ
ッチャーのオージーオープン。両者共にガンガン前に出る日本向きの選手で、
特にまだ20台のカイルは今後新日本の宝に化ける可能性も。頻繁に来日させ
て欲しいなぁ、このチーム。

優勝は毘沙門
正直、YOSHIHASHIも後藤もあまり好きな選手ではないのだが、そういうの
を考慮した上で、彼らのベストマッチかと。会場中に多幸感を与える締めが
出来ようになったのは、素直に評価する。

ヘビー・ジュニア共に、おそらく1・4ドームタッグタイトルマッチ
ここで勝たないとこの長いリーグ戦が無駄になるので、両チーム共に頑張っ
て欲しい。いや、イケると思うんだけど。

Undiputed Champion of The Wooooorld!

#四冠王


井上尚弥vsポール・バトラーバンタム級四団体世界王座統一戦
この試合を観るためにdTVへ入会、万全の状態でTV観戦。正直、前座試合
どれもピリッとせずイヤな雰囲気のままメインイベントへ。

これまでの尚弥のタイトルマッチの中で、いちばん「軽い」と思われていた
バトラー。実際、1Rで両者の実力差は明確となり、後は尚弥がいつ仕留める
か?がポイントになるかと思ったのだが・・・。

バトラーは恐ろしい作戦を実行。
尚弥を相手にガードを固め、足を使って逃げ回る戦法に終始。時折尚弥の
強烈なボディブローを被弾するが、それでも足を使い続ける。終盤には逃げ
ながら放つ左右のフックが幾つか当たり始め、観ているこちらが少々焦った
ほど。このままでは判定、という展開。が!

11ラウンド、ここに来てギアを一段上げた尚弥の猛攻
バトラーの固いガードを全く気にせず、まるでサンドバッグを打つかの様な
タコ殴り。ガードの上からとはいえ、「世界で最も恐ろしいパンチ」と形容
される尚弥の強打をまとめて喰らい続けるのはあまりに危険。最初にボディ
に一発良いのが入ったことが要因だとは思うが、バトラーはガードの上から
KOされる、という驚くべき事態。もうバトラーに余力は残っていなかった。

井上尚弥WBA・IBF・WBC・WBOバンタム級世界王座統一
四団体統一は世界で9人目アジア人としてはの快挙。4人の世界王者を1人
ずつ倒しての四冠もな上に、その全てがKO勝ち、という驚異的な記録を打ち
立ててしまった。

日本ボクシング史上最高にして最強の傑作
今後はスーパーバンタム級に階級を上げることを宣言したが、果たしてどこま
で行くのか・・・。四階級制覇は間違い無いと思うが、もしかしたらスーパーバ
ンタムでも統一王者になっちゃうかもしれない。まだまだ夢が見れそう!!

CASIMERO vs AKAHO

#ノーコンテスト


韓国・仁川で行われたトレジャー・ボクシング・プロモーション第一弾興行
ベテランの「倒し屋」こと赤穂亮が、自信のキャリアを掛けて闘ったのは、
なんとあのジョンリール・カシメロ。我らの井上尚弥を罵倒しまくった上に
WBO世界バンタム級タイトル剥奪された、あのカシメロである。

WOWOWオンデマンドで中継されていたので、コレをライブ観戦。
ノンタイトル・スーパーバンタム級10回戦で、カシメロにとっては一つ
上の階級に当たる。

両者共に強打者インファイターだが、試合が始まるとやっぱり感じてしま
実力差。体格で劣るハズのカシメロの出入りは凄まじく、1Rから強烈な
ワンツーをヒット。対する赤穂もしっかり食い下がってはいたが、さすがに
この段階で最終ラウンドまでは保たない気がした。

2R、膠着後のブレイクでグラブを合わせに行った赤穂に対し、カシメロは
ソレを無視して速攻。しかし身体を入れ替えて対応した赤穂がカウンター
当て、なんとカシメロからダウンを奪う快挙。ただしカシメロにダメージは
見えず、立ち上がった後に恐ろしい勢いでの猛攻。青息吐息状態の赤穂だが、
クリンチで凌ごうとしたところに、カシメロのラビットパンチ(反則の後頭
部への打撃)がヒット。レフェリーはタイムを要請して赤穂の回復を待った
が、赤穂はコーナーに座り込んだまま立ち上がれず・・・。
しばらくの後、無効試合を告げるゴングが鳴らされた。

・・・う〜ん(^^;)。
カシメロのことは大っ嫌い(^^;)だけど、今回の反則はけして故意では無い
気が。両選手ともに攻撃的であるが故、試合の流れの中で偶然出てしまった
パンチが、これまた偶然後頭部に当たっただけかと。正直、あのパンチが無
かったとしたら、おそらく勝者はカシメロだった気がする。

しかし、赤穂もタイミングとはいえ、あのカシメロからダウンを奪ったのは
賞賛に値する。勝ち目は限りなく薄かったが、同じタイミングで強烈な一撃
が入った可能性も否定出来ない。つくづく惜しいアクシデントだった。

だけど、今回の試合を観て、カシメロが尚弥の相手にならないことも明白に
なった。ダウンを奪われたあのパンチを繰り出したのがもし井上尚弥であっ
たのなら、カシメロが立って来ることは無かった、と断言出来る。

もしまだカシメロが井上尚弥との対戦を希望するのであれば、スーパーバン
タムでタイトルを奪って待っていればいい。きっと尚弥がイージー四階級
目のベルトを取る事になるので。

武尊の現在

#Lonely Legend


元K-1王者の武尊が、久々に国内で公の場に。

デイリースポーツの記事によると、15日に都内で行われた鳥取県の
カニをアピールする「蟹取県ウェルカニキャンペーンメディア発表会」
にタレントの山崎怜奈と共に出席。この会で、『次戦』に関するコメ
ントを出したらしい。

もう一度武尊の試合が観られるのは嬉しいのだが、写真の笑顔があま
りに普通過ぎるのがちょっと気になる。武尊の笑顔と言えば、ちょっ
と前まで「恐怖」同義語だったのに、なにか憑き物が落ちたよう
気配・・・。

既にK-1との契約は終了し、次戦はどこのリングにでも上がれる武尊。
僕にとっては棚橋弘至と同様、「恩」を感じる選手なだけに、願わく
武尊が良い思いを出来る試合が組まれますように・・・。

テレビはプロレスから始まった

#昭和大衆史


▼テレビはプロレスから始まった / 福留崇広

プロレス関連の名著を立て続けにリリースし続けている福留崇広氏の
新作は、「プロレスのテレビ中継」、特に日本テレビで放映されてい
日本プロレス・全日本プロレスの中継にフォーカスされた作品。
サブタイトルは「全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち」

今でも戦後復興ドキュメンタリー等を見ると、力道山シャープ兄弟
の試合を観るために街頭テレビに群がる多くの人たちの様子が確認で
きるほど、終戦後の大衆カルチャーとして認識されているプロレスの
テレビ中継。僕らの世代が虜になった怪物番組フォーマットが、ど
のような流れで構築されたのか、が、克明に記録されている。

基本新日派である僕は、あまり日本テレビのプロレス中継に思い入れ
を持っていないのだが、それでも『恩知らず』『イカ天』でインパ
クトを残した若林健治アナウンサー、『ジャストミート!』で一世を
風靡した福澤朗アナウンサーのインタビューは興味深かったし、何よ
りもストーリーテラーとなった原章プロデューサーの談話には思わず
唸るモノがあった。

福留さんの著作、いつも膨大で緻密な取材があったことが窺えるが、
それでも単なる【資料】に成り下がらず、しっかりとメッセージを感
じられるのある【作品】になっているのが凄い。今後どのようなネタ
でドキュメンタリーを作ってくれるのか、大いに期待したいと思う。

プロレスファンはもちろん、現役のテレビマン昭和カルチャーに目
の無い人にもオススメ。すっげぇおもしろいです、コレ。