777

#運


▼777 / 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の新作は、待望の殺し屋シリーズ
しかも、このシリーズの中でも屈指の人気を誇る『天道虫』を主役に
据え、更に新たなキャスト(?)を多々配置した、ファンなら間違い
無く狂喜してしまう構成。

キーワードはやはり「運」。とにかく運がいいんだか悪いんだか解ら
ないテントウムシが、その特製を思いっきり生かして大活躍。ネタバ
レは避けたいので詳しくは説明しないが、物語の全てが展開している
場所が“一カ所”である、という事実にクラクラしてしまう。

・・・いやぁ、すばらしい!
読み始めたらもう本当にあっという間で、終盤には読み終えるのが惜
しくて残りの束を何度も確認してしまったほど。とにかくテンポが凄
まじい程によく、状況が容易に想像出来る上に共感度がやたら高い。
まぁ、実際にあんな場面に放り込まれたら、間違い無くパニックを起
こしてしまうんだろうけど。

そして殺し屋シリーズの次回作には、是非またモウフマクラを!
ちょっとアイドル感(^^;)があるんだよなぁ、あのコンビ。

湊かなえのことば結び

#ゴキゲンRADIO


▼湊かなえのことば結び / 湊かなえ

コレはどうなんだろう、一応エッセイでいいのかな?
2020年から2023年までの約1年半、この本の著者である湊かなえ
パーソナリティを務めた、FM大阪「湊かなえのことば結び」
この番組の95回に渡るオンエアの内容が詳細に記録されている作品。

このラジオ番組が非常におもしろかったであろうことは凄く理解出
来る。幸か不幸か、番組開始から程なくでコロナ禍となってしまい、
そこで生まれた「おうち活動」の選択肢の一つとして、この番組が
活用されたのは非常に意義深いこと。もしあの頃にこの番組の存在
を知っていれば、僕も定期的に聴いていたかもしれない。いや、な
んなら投稿とかしていたかも(^^;)。

であるからこそ、コレは「音」として聴くべきだった気が。
湊かなえの文章力は相変わらず見事ではあるのだが、やっぱりラジ
オで聴いた方がより大きなインパクトがあった、と思う。

番組のリスナーさんたちにとっては非常にありがたい記録なんだろ
うなぁ、きっと。今からでも聴く方法ってあるのかなぁ、この番組。

ルポ西成

#大阪アンダーグラウンド


▼ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活 / 國友公司(Kindle版)

「ルポ歌舞伎町」に衝撃を受け、さっそくデビュー作をチェック。
時系列で言えばこちらを先に読むべきだったのだけど・・・。

大学卒業後、就職活動を途中で放棄した作者・國友公司(^^;)。
フリーのルポライターとして生きて行くことを選択し、ほぼそのまま
大阪・西成ドヤ街への長期潜入取材を敢行。やっぱりこの人、どこ
かのネジが一本ハズレている気がする(^^;)。

西成、取り敢えずのイメージは『絶対に近づいてはならない場所』
この作品で解説される西成は正にそんな場所で、とにかく後ろ暗い
人間しか登場しない。さらに言うのなら、その殆どがいわゆる「ダ
メ人間」であり、完全に人生から転落した人間たちの吹きだまりで
ある、ということが非常によく解る。

國友氏の凄いところは、そんな西成の中で「飯場で働く」等の最低ラ
インをしっかり実践し、その経験を元にリアルな文章を書くこと。
このデビュー作を読むだけで彼が気合いの入ったルポライターである
ことが解るし、ノンフィクション作家に必須なスキル「優秀な観察者」
を、生まれながらにして持っている人だ、ということも理解出来る。

結果的に言えば、こちらを後に読んで良かったな、と。
西成で「流されない」ことを学んだおかげで、歌舞伎町住まいも問題
が無かった、と腑に落ちた。

とにかく注目の若手ノンフィクションライター
もう一つ著作があるようなので、早いうちにそちらも。

ルポ歌舞伎町

#新宿アンダーグラウンド


▼ルポ歌舞伎町 / 國友公司(Kindle版)

Kindle Unlimitedリコメンドにいきなり登場したノンフィクション
このところ社会派ハードボイルド系の小説ばかり読んでいた所為か?

作者の國友公司はルポライター。後で調べたところ、名門の筑波大学
に入学しつつも、後ろ暗いアルバイト東南アジアでの放浪に時間を
浪費し、卒業に費やした期間はなんと7年。作家デビュー作は大阪・
西成ドヤ街潜入ルポだと言うのだから、ちょっとヤバイ人(^^;)なの
かもしれない。

その西成の後に、作者が興味を持ったのがなんと新宿・歌舞伎町
一癖ありそうなヤクザマンションに自ら入居し、歌舞伎町とそこで生
活する人々を徹底的に観察。一歩間違えば自らがアチラの世界に取り
込まれそうな状況を、ギリギリのところで泳ぎ切っているのが凄い。

おもしろかったのは「思い出の抜け道」近辺で営業する怪しいお店
実態。基本は不法占拠であり、所有者もハッキリしないところで何年
にも渡って商売が成立しているのが凄いし、その中に“誰も踏み込めな
い場所”今も存在している、という事実。かつて香港に存在したあの
九龍城と同じか、それ以上にインパクトのある場所が、歌舞伎町にあ
る、というだけでかなりときめいてしまう。

個人的に歌舞伎町に多大なる思い入れのある僕としては、最高に入り
込める作品。こうなったら西成の方も読むしかないかな、うん。

全天竜人に告ぐ!

#お前ら全員4ね!


週刊少年ジャンプ・46号
WITCH WATCHに大変な展開があり、次号以降が非常に気になるのだけど、
取り敢えずはONE PIECEの件

今回はマジでいろいろあったので、完全にネタバレ注意で。
コミック派・アニメ派の皆さんはすぐさま退場。もしくはジャンプ読んで
からもう一度来ていただければ。

▼週刊少年ジャンプ(46) 2023年10/30号

タイトル『死んだ方がいい世界』
いや、もしかしたらワンピース史上でいちばん胸クソの悪い回かも(–X)。
どんな事情があるか知らないが、とにかく天竜人に殺意を覚える。特に、
↓↓の画像に赤丸を付けたクソ天竜人、火の点いたママのタバコを目に
押しつけてジュッといっても手を離さないくらいの極刑をお願いしたい。

まずは「老害」の一人、Jを完膚なきまで叩きのめすルフィが見たい!
いや、なんなら正義のために五老星を四老星にするくらいして欲しい。
エッグヘッド篇、スカッと終わってくれないと暴れるぞ、マジで(^^;)。