日本懐かしオカルト大全

#ムー #トワイライトゾーン


▼日本懐かしオカルト大全 / 寺井広樹・白神じゅりこ(著)
並木伸一郎 (監修)

今日の「懐かしシリーズ」、題材は「オカルト」
僕らの子どもの頃は心霊・超能力・怪奇現象といった各種のオカルト系
テレビ番組が多々オンエアされていた時代。考えてみたらそういうのが
成立していること自体が凄いこと。なんつったって、今はもう殆どそう
いう番組は存在しないんだから(^^;)。

内容は幾つかのカテゴリに別れているのだが、僕の場合【UFO・宇宙人】
とか【予言】【超能力】にほぼ興味は無い。代わりに思いっきり刺さ
ったのが【UMA】【都市伝説】。特にUMAに対する興味は、幼少期か
ら今に至るまで、テンションは殆ど変わらない。

ネッシー雪男ビッグフットにも夢中になったが、子どもの頃の僕の
心を鷲掴みにしたのは、比婆山脈に実在する、と言われていたヒバゴン
地元の小学生銀玉鉄砲で撃退した、という記事を読んだ時は本当に興
奮したし、なんなら親に広島旅行をねだったほど。もちろん連れて行っ
てはくれなかったけど(^^;)。

そんな、オカルトがオカルトとして黙認されていた時代がまざまざと蘇
る快作。熱心な元ムー&トワイライトゾーン読者としては、オススメせ
ざるを得ない「記録集」中岡俊哉心霊写真と、フォックス三姉妹
ラップ現象にも注目!!

日本懐かし団地大全

#箱の中身


▼日本懐かし団地大全 / 照井啓太

マイブームの「懐かしシリーズ」、今回の題材は「団地」
昭和中期から後期にかけて、雨後のタケノコの如く、日本全国に建設
された団地について、ふか〜く掘り下げた内容となっている。

団地という言葉、今ではかなり広義な意味を持っており、集合住宅が
密集した街自体に「○○団地」という名前が付いていたりするのだが、
個人的には建築形態にどうしても拘ってしまう。

今現在の日本の住居形態を考えると、主流は間違いなくマンション
僕の中でのマンションと団地の違いは、【同じ形状の建物が複数】
【縦横比で言うと横が圧倒的に長い】【建物にナンバー】、そして
【エレベーターが無い】といったところ。

僕のいちばん古い記憶はこの形状の団地から始まっており、そこには
楽しい思い出しか無い。2DKでけして広くは無かったけど、友だちは
皆同じ建物に住んでおり、併設の庭で好きなように遊べて、酷いイタ
ズラをすればベランダに出された。この本に出ている写真を眺めてい
たら、そんな遠い昔のことをいろいろ思い出した。

30年ほど前、僕は仕事で関東近郊の団地を週替わりで回ったことが
ある。思った以上に各地に特色があり、その違いを見るだけでおもし
ろかったのだが、1カ所だけとんでもない団地があった。ハッキリと
書くといろいろ問題がありそう(^^;)なのでイニシャルにするが、名
称は「M団地」。場所は都内、とだけ言っておこう(^^;)。

団地の中庭のようなところで仕事をしていたのだが、隣には花壇の前
壊れたラジオを修理して売る人が居たり、土曜の昼間から泥酔して
道を転げ回っている人、それを全く気にせずに買い物に勤しむ主婦
ど、この世とは信じられない世界が展開。一緒に仕事をしていた先輩
は、終わりしなに一言「この団地は狂ってる」とつぶやいた(^^;)。

その団地はさすがに取り上げられていなかったが、それに勝るとも劣
らない魅力的な団地が多々。団地で一度でも過ごした人には絶対に響
くので、是非ご一読を。

・・・しかしすげぇ題材だなぁ、コレ(^^;)。

日本懐かし即席めん大全

#Day Dream Believer


▼日本懐かし即席めん大全 / 山本利夫

レビューがメチャクチャ溜まっている「懐かしシリーズ」
今回、7〜8冊をまとめて購入したのだけど、その中でも「本命」(^^;)
と目されているのが、この「日本懐かし即席めん大全」

元祖と言われる初代チキンラーメンから、最新のカップヌードルまで、
各種のインスタント麺類のパッケージを網羅。どれもこれもそこそこの
思い入れのある商品ばかりで、見ているだけで心が躍る本

衝撃を受けたのは「待ち時間1分!」のキャッチコピーと、当時復活した
ばかりのザ・タイガースをCMに起用したクイックワンがあっという間に
消えた理由。そもそもお湯を入れて1分という短時間が問題で、油断して
いるとすぐ伸びる、というのが原因らしい(^^;)。インスタントラーメン
の3分というのは「黄金の時間」だということを改めて認識した。

そういえば全然即席めんでは無いのだが、ラーメンのデザインを模した
冷菓、その名も「ラーメンアイス」という商品を思い出した。
アレも「中国四千年の歴史と無関係」という秀逸なキャッチのCMでやた
ら笑った記憶がある。コラムで触れてくれたら嬉しかったなぁ・・・。

しかし、インスタントラーメンもまとまると間違いなくカルチャー
サブカルと括るわけにはいかないな、ラーメンだけは。

もう、聞こえない

#誉田流ファンタジー


▼もう、聞こえない / 誉田哲也(Kindle版)

誉田哲也新作は、なんとファンタジー
とは言っても、もちろん凡百のファンタジーではなく、誉田テイスト
キッチリ詰まった、妖しいダークファンタジーである。

物語の導入部分は警察署。この段階で氏お得意の警察小説と思ったのだ
が、少し読み進めただけで「そうではない」と判断出来る構成。さらに
中盤までに巧妙なミスリードが仕掛けられており、アタマで描いていた
相関図の内容がコロコロと入れ替わる。おかげで読むのが楽しい状況に。

内容に触れると、どうあってもネタバレになりそうなので詳細は避ける
が、少なくとも三段階以上のオチがある作品。ダークなのにエピローグ
の内容はややほっこり。誉田哲也作品でこういう読後感は初めてかもし
れない。

惜しむらくは、今回はお得意の「作品間リンク」がほぼ無いところ。
いや、もしかしたら高井戸署の女性刑事あの人の嫁かもしれないし、
城東署の署長出世したあの人、という可能性もある。その辺りの謎が
ある程度解き明かされていたら、もっと楽しめた気がする。

・・・コレは続編アリだなぁ、と。
最後に成立した最強ペアその後の活躍を、ぜひ読んでみたい気がする。
とにかく、見事な構成の快作。誉田哲也、さすがです!

妻たちのプロレス

#ランキングしてはならない


▼妻たちのプロレス / ターザン山本・福留崇広

久しぶりのプロレス本だが、最初は購入を躊躇した
何故ならば、著者の一人が元週プロ編集長・ターザン山本だから(^^;)。
若い頃はともかくとして、年齢を重ねるとただただ鼻につくターザンの
文章。コレにカネを払うのはどうかと思ったのだけど、結局購入したの
はもう一人の著者が「さよならムーンサルトプレス」を書いた福留崇広
だったから。

プロレスラー5人の「妻」を主役の据えたノンフィクション集。
登場するのは、力道山・高山善廣・剛竜馬・葛西純・藤波辰爾、そして
ジャイアント馬場の5名の奥様方。うち4名は僕の中で「超一流」の評価
が付いているのだが、残り1名は残念ながらそうではない(^^;)。まぁ全員、
プロレス史に残る人たちなのは確かなのだが。

とにかく興味深く読んだのは、藤波夫人の伽織さんと高山夫人の奈津子
さんのエピソード。現在も闘病を続ける高山さんの奥様の力強さに感動
したし、長州に踏み台にされかけた時代の藤波さんの様子を語る夫人に
強烈なシンパシーを感じた。

コレは完全に目の付け所、つまりは企画の勝利。
プロレスラーの妻、という切り口はわりとありそうだが、人選を工夫し、
複数を組み合わせることで味が出る、という相乗効果はすばらしいと思う。

・・・ただ、福留氏だけで良かった気がするなぁ、著者は(^^;)。
馬場夫人を描いたターザン山本の文章は、気持ち悪いを通り越してかなり
バカっぽい。中学生のポエムでももう少し良い気がするんだけど(^^;)。

ちなみにファンなら一目瞭然だが、超一流でない選手の名前は敢えて書か
ないことにしようかと。さすがにちょっと気の毒なので。