OMNIBUS

#ストロベリーナイト


▼オムニバス 警部補 姫川玲子 / 誉田哲也(Kindle版)

約4年ぶりとなる誉田哲也ストロベリーナイトシリーズの新作。
体裁は連作短編であり、幾つかの章の語り部を「現在の姫川班メンバー」が
それぞれ担当しているのがポイント。タイトルの意味としてピンとくる構成。

惜しむらくは、全7章のうち3章分が過去にKindle Singleとしてリリースされ
ている、ということ。シリーズ初作からずっとストロベリーナイターズだっ
た僕は当然その3作品は既読であり、正直若干食い足りなかった感はあった。

しかし、各ストーリーのトリックや構成は秀逸で、その辺りのテクニックは
さすが。他作品に比べればけして事件は大きくないし、派手さやグロさも殆
ど感じないのだが、姫川班というチームの実態が垣間見られる。個人的には、
こういうのもたまにはアリ。おそらく次作は長編になると思うのだが、それ
に向かって良いアイドリングになる作品だと思う。

そして!
ちょっとネタバレ注意なのだが、ラストで今後の展開が楽しみにならざるを
得ない描写が。もう一人のスター女性警察官が、姫川玲子の部下として復活
する模様。対極とも言える二人が、どんな二人三脚を魅せてくれるか、今か
ら本当に楽しみ。お願いだから今年中に出して欲しいなぁ、新作