#爪痕
さいたまスーパーアリーナで行われたWBA・IBF世界ミドル級統一王座戦。
WBAスーパー王者の村田諒太と、IBF王者のゲンナジー・ゴロフキンの対戦は、
あまりに感動的な、歴史に残る一戦となった。
試合序盤、ペースを握ったのはなんと村田。
GGGの背筋が凍るような左ジャブをものともせず、距離を詰めた村田が強烈な
左右のボディ。あのGGGが、伝説のゲンナジー・ゴロフキンが、明らかに村田
の攻撃を嫌がり、苦痛の表情を見せる。カネロとの試合でも、GGGはこんな顔
を見せなかった気がする。
判官贔屓が凄くある見方だが、3Rまでは明らかに村田のペース・・・な気がした。
この段階で、僕は間違い無く夢を見た。もしかしたら、本当に最強のミドル級
の日本人世界王者が誕生するのではないか?と。
しかし、GGGはやはり規格外の強さ。
村田のボディを嫌いながらも、時折強烈に入る左ジャブとワンツーの効果は絶
大で、村田の顔はラウンドを重ねる毎に大きく腫れていく・・・。
間違い無く劣勢の村田だが、それでも果敢に前に出てパンチを放つ。
そんな村田の姿を観ていたら、試合の途中なのにも関わらず、涙腺が崩壊した。
9R。あのGGGを相手に、9Rまで勇敢に打ち合った村田を、誰が責められよう。
この一戦で村田はカネロやGGGと同じ土俵に居ることをしっかり証明。そして、
村田諒太というボクサーがオールタイムで最強の重量級日本人ボクサーである
ことも証明された。心から拍手を贈りたい。
おそらく今日を最後に、村田諒太はグローブを壁に掛ける。
最後の試合を生涯のベストバウトとし、負け試合にも関わらず観客を感動させ
た村田を、僕は心の底からリスペクトする。最高の試合を、ありがとう!