#エンマ様
▼ラスト・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 / 佐藤青南(Kindle版)
佐藤青南、行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第10弾にして最終刊。
このシリーズに出会ったのが2012年だから、かれこれ12年続いた大作、と
いうことに。もちろん、あのラスボスとの決着も・・・。
前作で“エンマ様”こと楯岡絵麻の部下・西野の恋人宅に放火したのは、死刑
囚のサイコパス・楠木ゆりかだと判明。獄中からどのような手を使って刺客
を差し向けたのか探るエンマ様だったが、捜査は困難を極める状況に。そん
な中、捜査一課の同僚・筒井の娘が何者かに襲われる、という事件が。楠木
の関与を疑ったエンマ様は・・・という展開。
すっかり身内と化した楯岡&西野コンビと、筒井・綿貫コンビ。時間を掛け
て「絆」を描き、敵の最終攻撃がこの絆の破壊、という展開、ベタだが非常
に燃えた(^^;)。そういうワケで読後の痛快感・爽快感はすばらしく、最終刊
に相応しい流れ・・・ではあったのだが・・・。
正直、今回に関してはトリックの作り方にかなり無理があった気が。
納得出来ないワケでは無いが、感心してしまう内容のトリックが一つも無か
ったのが非常に残念。通常シリーズ内の一作であればまぁ問題は無いが、こ
れを「ラスト」と考えると、正直消化不良感が残ってしまう。
・・・無理に終わることは無いんじゃないかなぁ、と(^^;)。
楠木ゆりかの死刑執行や、エンマ様の恋愛模様など、最後に確認したかった
場面も幾つか残っている。スピンオフで構わないから、後日談の形式でリリ
ースして貰えると非常に嬉しい。
取り敢えず、本編終了お疲れ様でした!
読み応えタップリのシリーズを与えてくれて、本当にありがとうございます。
願わくば、エンマ様を凌ぐキャラクターを配した新作を!早めに(^^;)。