3150 FIGHT vol.3

#大成功の客寄せパンダ


Abema生中継されていた亀田興毅興行『3150 FIGHT vol.3』
G1の長野大会とどちらを観ようか迷ったのだけど、アチラは後でも観ら
れる、と判断。まぁ、G1のメインの時はチャンネル変えたけど。

話題になっていた皇治エキシビションに関しては、相手のヒロキング
以外を話題にする必要が無いくらい寒い試合だったが、この試合を目当
てに会場に足を運んだ人・Abemaの配信を観た人が多々居たかと。

おかげで、通常光の当たることの無いボクシング4回戦・8回戦といっ
アンダーカードが堪能出来たのは嬉しい誤算だった。特に中盤で行わ
れた福永宇宙vs山下賢哉の試合は凄まじく、この試合とメインで行われ
日本ヘビー級王座決定戦の2試合で充分に満足した。

正直、選手としては「最低」だった亀田興毅だが、プロモーターとして
才能は認める。試合内容の陳腐さで賞味期限が切れかかっているキッ
クボクサーを上手に客寄せパンダに使い、才能あるボクサーたちをプレ
ゼンする、という手法は悪く無い。

皇治はこの試合でまた株を下げたけど、あと1〜2回は使えそうな余力は
残っている。だって、まだ結果としてKO負け・一本負けが無いのだから。
次はぜひ総合で客寄せを。あ、プロレスのセンスは無さそうなので、来
ないでください、マジで。

IOKA vs NIETES 2

#THE BOXING


TBSの生中継にて、WBO世界スーパーフライ級選手権をライブ観戦。

王者井岡一翔に挑んだのは、3年7ヶ月前井岡に土を付けている元王者
フィリピンのドニー・ニエテス。井岡にとってはリベンジマッチであり、
一度勝利しているニエテスにとっては王座返り咲きの絶好のチャンスである。

2年前の田中恒成との一戦以来、僕の中で評価が爆上がりの井岡。
井上尚弥のような派手さこそ無いモノの、しっかりしたディフェンスと、
絶対に自分のペースを崩さないメンタルの強さは、ある意味ボクサーの
完成形と言って過言は無い。今日ももちろん期待して観たのだが・・・。

・・・唸った
井岡は接近戦に持ち込みたいニエテスの攻撃を悉くいなし、丁寧にを突い
て距離を稼ぐ。時折炸裂するボディと左フックのコンビネーションは確実に
ニエテスにダメージを与える。何が凄いのかと言うと、井岡がこの攻撃を
しっかり12Rに渡って続けたこと。恐ろしいスタミナである。

もちろんフルマークの判定、しかもジャッジの一人が12点差を付ける程の
ワンサイドゲームで井岡は五度目の防衛に成功、完璧なリベンジを果たして
魅せた。今日の井岡は間違い無く『THE BOXER』だった。

今後は他団体王者との統一戦を目指す意向の井岡だが、井上尚弥が階級を上
げるのを待ってバンタム級に転向するのもいいかもしれない。今の井岡一翔
と、ドネアカシメロが闘ったら、井上とは違うジャンルの名勝負を残しそ
うな気配。どうあれ楽しみだな、今後も。

ALI vs INOKI

#MMAの始まり


▼アリ対猪木–アメリカから見た世界格闘史の特異点 / ジョシュ・グロス

以前からずっと読みたいと思っていた本をようやく入手。
日本では色々な作品で語られている【世紀の一戦】アントニオ猪木
モハメド・アリ異種格闘技戦を、アリ側・米国側の視点に立ち、その
実現の背景から試合内容その後に及ぼした影響までが細かく記述され
ているドキュメンタリー

この試合のことを考える度に、「ボクシングの”現役”世界ヘビー級王者」
が、【”真剣勝負”の他流試合】に臨んだ『奇跡』を意識せざるを得ない。
今では絶対にあり得ない状況であり、こんなことを「やりたい!」と言
える世界王者が存在するのなら、心の底から応援したいくらい。それく
らい、モハメド・アリは今を以て特別であり、唯一無二。だからこそ、
アリ側から書かれたドキュメントを、しっかり読んでみたかった。

・・・その希望は、しっかり叶った
あの異様な試合は、アントニオ猪木はもちろん、モハメド・アリも自ら
が望んだ闘いであった、ということが感じられたのが本当に嬉しいし、
その後に世界的に発展していくUFC・PRIDEを始めとする【MMA】
大きな影響(ほぼ反面教師ではあるが)を与えた事実も嬉しい。

解説柳沢健氏は、この作品を「1976年のモハメド・アリ」と評した。
出来れば氏の名著である「1976年のアントニオ猪木」と併せて読むこ
とをオススメする。

なんちゃらジュニアとは、レベルが違うんだよ、アリは。

POUND FOR POUND

#PFP


遂に・・・。遂に、日本人プロボクサーが、世界最高権威を獲得!

米国『THE RING』こと、リングマガジンが独自に選定するPFPランキングにて、
バンタム級三冠王井上尚弥1位を獲得。これで尚弥はカネロウシク、もっ
と言うならアリタイソンと同じ位置まで上り詰めたことになる。

ちなみにPFPとは【Pound For Pound】の略で、凄〜くカンタンに説明すると、
「もし全員が同じ体重だった場合」ランキング。このランキングはESPN
ボクシングシーンなども選定しているが、歴史的に見てリングマガジンのラン
キングが世界でいちばん価値がある、とされる。

・・・一時期、山中慎介で夢を見たが、さすがに叶うことは無かった。
日本人がこの位置に行くなんてことはあり得ない、とある種諦めていたのだが、
井上尚弥の登場で夢が再燃。まさか、本当に実現するとは・・・。

正直、個人的には四冠統一よりもこちらの方が価値がある気がする。
井上尚弥の全盛期に生きてて良かったよ、本当に。

INOUE vs DONAIRE 2

#PFP #三冠王


さいたまスーパーアリーナ、井上尚弥ノニト・ドネア再戦
前回と違うのは、ドネアWBC王座を奪取し、しっかり再戦の資格を持つこ
とをアピールした上での【王座統一戦】であること。

尚弥のキャリアを振り返って考えてみると、間違い無くいちばん苦戦したの
がドネアとのWBSS決勝戦。それだけで充分ドネアに挑戦する権利はあると
思うのだが、世界王者にカムバックしたドネアはおそらく今が“最強”の状態。
いくら尚弥でも、さすがに苦戦する、と予想。

1R、ドネアがいきなり伝説の左フックを振るう。
尚弥は辛うじてガードしたと思ったが、後の談話ではガードを割って被弾し
ていたらしい。一瞬焦ったが、尚弥は逆に冷静になり、ジャブを上下に打ち
分ける丁寧なボクシング。これは長くなるかな、と思ったのだが・・・。

初回終盤、尚弥が離れ際に放った右ストレート・・・チョッピングライト・・・が
ドネアのテンプルを捉える。ドネアはたたらを踏んでダウン。明らかなダメ
ージを抱えたまま、2Rへ。

チャンスを逃さない尚弥は、2R初頭から鬼のラッシュ
見るだけで頭痛がしそうなくらい強烈な連打を食らったドネアは防戦一方。
尚弥は手を止めず、コーナーに押し込んで連打・連打・連打。ドネアがコ
ーナーでうずくまる前に、レフェリーが試合を止めた。

・・・圧巻、としか言い様が無い。
あれからドネアは凄く強くなっている、と思っていたが、井上尚弥はその
何倍も強くなっていたらしい。今日の尚弥の戦いを観る限り、バンタム級
に敵はもう居ない。WBO王者ポール・バトラーは正直格落ちの感はある
が、行きがけの駄賃でタイトルをいただき、日本ボクシング史上初の四団
体統一を果たした上で、スーパーバンタム級でも世界王者になって欲しい。
カシメロ?誰だっけ、それ??