証言UWF

▼証言UWF 最後の真実 / V.A

柳澤健の『「1984年のUWF」に対するアンサー』として出版された、とされ
る、ある種いわくつきの本。出版社は暴露系のプロレスムックを多数リリース
している宝島社。正直、全く期待していなかったのだが・・・。

柳澤氏の著作と大きく違うのは、この本が「関係者による証言」の集合体であ
ること。1984にも関係者のインタビューは多々掲載されているが、彼の本の
中には“実際にリングに上がっていたレスラー”の言葉が殆ど無い。その代わり
フロント雑誌記者興行関係者の証言が多く掲載され、さらには柳澤氏の
鋭い見解に溢れている。そのため、読み物としてのグレードが高く、満足度の
高い作品に仕上がっていた。

しかし、こちらは完全に真逆
基本はUWFに参加していたレスラーとその周辺の人々の“言葉”のみで構成され、
余計な脚色編者の意見などは一切掲載されていない。1984を読んだ後だか
らこの編集方針は非常に効果的で、一度ケリが付いた筈の僕のUWFへの思いが、
もう一度頭をムクッと起こしてきたような感覚さえ産まれた。

この本に対し、“証言”をしたUWF戦士は下記の通り。
前田日明・藤原喜明・山崎一夫・中野巽耀・宮戸優光・安生洋二・船木誠勝・
鈴木みのる・田村潔司・垣原賢人
・・・UWFのリングで、僕自身が全員のファイトを目撃している。彼らの語り口
皆一様に魅力的ながら、全員が明らかに違う見解を持つ。この証言集に説得力
が無いワケが無い。これもまた、“凄い本”である。

30年近く前に消滅した団体なのに、今もこれだけの求心力を持つUWF。
あの団体の始まりから終わりまでを観た僕も、きっと一生UWFを抱えて生きて
行くんだろうなぁ、と思った。

宝島真面目にプロレス本を作った結果がこの本。
出版社にアレルギーのあるプロレスファンも多いと思うが、UWFに心を揺すら
れた覚えのある同志なら、読んでおかないと損をする。名作です。

SHINSUKE NAKAMURA on WWE!

WWE NETWORKにてPPV「BACKLASH 2017」をタイムシフト観戦。
今回の主役は間違いなくKING OF STRONG STYLEこと中邑真輔。NXTから
上がってきた選手がPPVで一軍デビュー、というのは破格の扱い。
実際、このPPVのプロモーショングラフィック真輔のワンショットだった
のだから凄い。

対戦相手は過去に二度WWE世界王者になっているドルフ・ジグラー
アマレスをバックボーンとする基礎に忠実な選手で、日本のファンが思うよりも
かなり大物(^^;)。実は真輔とジグラーはSmack Downダークマッチで何度も
対戦しており、この段階で磨き上げられた鉄板カードだったのだと思う。

真輔はこの大物相手に終始余裕の試合運び。ちょっとくらい緊張してても良さそ
うなモン(^^;)なのに、ノリまくって試合するところはさすが。コレをやってる
のが日本人だ、というのがすっごく嬉しい。


ジグラーの持ち味を引き出し、得意技を受けきった上での貫禄勝ち。
フィニッシュは定番のリバースパワースラムからのキンシャサだったのだが、
この少し前にジグラーの片足タックルをガブり、横にスライドしてニーを決める。
というMMA的なムーブも。こういう試合をされると、もう唸るしか無い。

100点満点のデビュー。
もしかしたら、年内にWWE世界ヘビー級のベルトを巻く真輔の姿が観られるかも。
一刻も早くその時が来てくれるといいなぁ♪

SOLUCHAにザ・デストロイヤー!

メキシコ・アメリカより直輸入プロレスグッズサイトsolucha.com」。
レイ・ミステリオのマスク&コスチュームデザイナーとして世界的に有名な
HAYASHI氏主宰のお店。

メイン商品はもちろんマスク。ここのサイトの品揃えの豊かさと、業界最安
言われる応援用トイマスクリーズナブルさには、本当に感心してしまうのだ
が・・・。

人気商品のハイグレードマスク3,780円均一!)の広告写真↑↑の左上に、
我々の世代に突き刺さるデザインのマスク。なんと、ザ・デストロイヤーでは
ないですか!! いやぁ、今の時代にこのマスクが販売されるとは・・・。

ちなみに僕が最初に手に入れたマスクは、デストロイヤーのサイン入りマスク
僕のプロレス好きを知っていた小学校の担任教師がこっそり(^^;)くれたモノ。
贔屓されてたんだろうなぁ、あの頃は。しかし、なんであの先生がデストロイ
ヤーのマスクを持っていたのか、今となってはかなりな謎

今はもちろん持っていないのだけど、もう一度あの頃に帰れるのなら、今度は
永久保存するだろうなぁ・・・。取り敢えずこのHGマスク、手に入れるか・・・。

参考:solucha.com(公式ストア)

WAR OF THE WORLD

米国・ROH(Ring Of Honor)のビッグマッチ、「WAR OF THE WORLD」開催。
今回は新日本プロレスとの共同開催なため、NJPW WORLDで生中継があった。
さすがにリアルタイムでは見られなかったのだけど、タイムシフトで観戦。

ベストマッチはやっぱりヤング・バックスvsL.I.JROH世界タッグ選手権
内藤の人気はカッチリアメリカまで伝わっているらしく、↑↑のお得意のポーズ
を決めただけで場内は大熱狂。なんとなくだけど、雰囲気が新日本の頃の中邑に
似てきたかも。本人は嫌がりそうだけど(^^;)。

しかし、試合は王者のヤングバックスが快勝。
各国のインディに引っ張りだこのヤングバックスが、ホームのROHで負けるワケ
にはいかない。この2人をいつまで繋ぎ止めておけるか? 新日本の手腕に期待!

棚橋弘至はセミファイナルでバレットクラブアダム・コールとシングルマッチ。
タナっていちばん世界に通用しそうな選手なのに、国外での人気がイマイチと感
じるのは僕だけかなぁ?

試合巧者のコールとは手が合う所為か、大熱戦を展開。コールもこの試合を最後
にROHを離れるらしく、有終の美を飾るべく奮闘したが、最後は棚橋の得意技・
ハイフライフローがズバリと決まり、見事な勝利!

そして、試合前にIWGP US選手権の新設が発表される。
新日本の米国進出はどうやら本気なようで、真剣にWWEに闘いを挑む模様。
確かにWWEの寡占状態があまりに長く続くのはどうかと思う。考えてみれば、
新日本は既に世界で2番目の規模を誇る団体。もしかしたら、という可能性はある。
この計画、上手く行くといいなぁ・・・。

蒙古の怪人

▼”蒙古の怪人” キラー・カーン自伝  / キラー・カーン

毎号愛読しているG SPIRITSで出版が予告されてからずいぶん経った気が(^^;)。
待たされに待たされたおかげか、書店で手に取った時は思わず笑みを浮かべてし
まった程の待望の一作。“アルバトロス”こと、キラー・カーンの自伝である。

誤解を恐れずに、そして最大限のリスペクトを込めて敢えて言う。
キラー・カーンとは、「世界でいちばん有名な偽モンゴル人」生粋の日本人
ありながら後頭部に弁髪を結ってモンゴリアンを演じ続け、大袈裟で無く全米を
震撼させた最高のプロレスラーの一人。もしかしたらアメリカのオールドファン
は、今もカーンを本当のモンゴル人だと思っているかもしれない。

僕の考える「アメリカで本当にブレイクした日本人プロレスラー」は、実はそれ
ほど多く無い。思いつくままに並べてみても、ジャイアント馬場グレート・カ
ブキグレート・ムタ獣神サンダーライガーTAJIRI、最近の中邑真輔くらい
のもの。もちろんその中に、文句なくキラー・カーンも入っている。

現役時代のカーンは本当に凄いプロレスラーだった。
日本人離れした体躯に加え、あまりに恐ろしい表情。外国人相手でも一切体力負
けせず、相手が誰であろうと(例えばアンドレでも)真正面から攻撃を受け、自
らも真っ向からぶつかっていく。アルバトロス殺法と呼ばれたコーナー最上段か
両膝を落とすニードロップ説得力抜群で、一時は日本人最強かと思った程。
そんな名選手が綴る自らの半生は、やっぱり豪快面白い

印象に残ったのは、キラー・カーンという男の正直さ
カーンほど秀逸なプロレスラーがどうして全盛期にプロレスを辞めなければなら
なかったのか?とか、どうしてこれまでカーンがカール・ゴッチについて語らな
かったのか?など、思わず唸ってしまうようなエピソードが多々。この本を読み
終わる頃には、誰もが新大久保の「居酒屋カンちゃん」に行き、更に深い話を聞
きたくなるんじゃないか? そんな気がする。

そして・・・。
唯一無二のプロレスラー、キラー・カーンを引退に追い込んだ長州力を、僕はや
っぱり好きになれない、と改めて思った。あのど真ん中さえ居なければ、もっと
長くカーンの勇姿を観れたかも、と思うと、改めて腹が立つ。晩年の地獄は因果
応報なんだよな、きっと・・・。