私が見た未来

#Prediction


▼私が見た未来 完全版 / たつき諒(Kindle版)

珍しくマンガのレビュー。
と言っても、純粋なマンガだけの作品ではなく、最近都市伝説界隈
で話題になっている【予言書】完全版。おおよその流れを説明す
るとこんな感じ。

この本は1999年に発売され、既に絶版となっていたモノが完全版
として復刻されたモノ。古本市場では10万円近いプレミアが付いて
いるのだが、その原因が表紙に書かれた「大災害は2011年3月」
いう文言。東日本大震災を言い当てている、として話題になった。

作者のたつき諒先生は『予知夢』を見る体質らしい。この本に収録
されている作品によると、フレディ・マーキュリーの死や、自身の
身近で起こったことを夢で見ているらしい。ソレをしっかり作品化
しているのが凄いところなのだが、もちろん価値が出たのは最近。

絵は昔の少女マンガ然としたタッチだし、ストーリーや構成もいわ
ゆる怪奇・ミステリー系短編のスタンダード。正直インパクトには
乏しく、絶版になったのも当然だと思われる。

しかし、表紙に書いてある大災害が表記通りの期日に起こったのは
事実。しかも、マンガの中に書いてある「津波」は東日本大震災の
ことではなく、2025年7月に起こる災害、と新たな予言まで。

・・・一度しっかり当てているから、全てを否定するワケにはいかない
し、途中まで完全に信じて読んでいたのだが、僕の信用を思いっきり
崩壊させる記述(^^;)があった。

どうやらたつき先生の前世は、僕が制定する「いくら奇跡を起こそ
うとも全く信用出来ない胡散臭い人ランキング」1位にずっと居座
り続けている人のだったらしい(^^;)。コレを公言されてしまうと、
本当に萎えちゃうんだよなぁ・・・。

もし2025年に何かが起こるのならたつき先生、アナタは彼を超えて
います。もう名前出さない方がいいと思うな、あの人の。

EVIL

#時をかける新人 #正規採用


▼EVIL 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 / 内藤了(Kindle版)

内藤了東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ第六弾
新人女性警察官・堀北恵平、通称ケッペーちゃんも遂に正規採用
大好きな東京駅おもて交番に配属され、張り切っているところ。

おもて交番に道を聞きに来た老婆の対応をするケッペーちゃん。
そこで突然起こった通り魔事件。刃物を振りかざす犯人から決死で
老婆を守ったケッペーちゃんだが、既に老婆の姿は無し。交番には
不信な風呂敷包みが。中身を確認すると・・・といった内容。

タイトルの「EVIL」に若干の塩っぽさ(^^;)は感じるのだが、ソレは
内藤先生の所為ではなく、キング・オブ・ダークネスの所為(^^;)。
後に良い雰囲気になってくれるといいんだけど、無理っぽいなぁ・・・。

今回起こる事件はこれまでと比較すればかなり大人しめ。全5冊を使
ってジワジワと攻めてきた「猟奇」は一旦お休みのようだが、代わり
にこれまで続いてきた過去回想がクライマックス。次回作あたりから
全ての伏線回収が始まりそうな気配。

驚いたことに、今回はうら交番・柏村氏の出番なし。さすがにコレは
ちょっと寂しいなぁ・・・。まぁ、おそらく次回作に必要な行程。気に
なるなぁ、続きが。

DOUBT

#時をかける新人 #真実吐露


▼DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 / 内藤了(Kindle版)

内藤了東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ第五弾
新人女性警察官・堀北恵平、通称ケッペーちゃんの研修も最終段階
入り、現在は警察学校で最後の仕上げに取りかかっているところ。

コロナ禍となった東京が舞台。研修途中に立ち寄った東京駅近辺で、
馴染みのホームレス連中から「仲間が減っている」という情報を受け
たケッペーちゃん。同じ頃、先輩刑事の平野清掃工場ゴミ集積プ
ールで複数の遺体を発見、その捜査に当たっていて・・・という感じ。

今回起こる犯罪の内容はもう誰が何を言おうと完全に「猟奇」
凄いのはこの凄惨過ぎる犯罪がある意味でカジュアルに行われている
ことであり、起きた事件よりもその動機の部分に戦慄が走る。もちろ
ん小説内のフィクションだが、今のご時世なら同じ事が起きても全く
不思議は無い。そういう意味で非常に怖い作品だった。

今回はうら交番柏村とケッペーちゃんとの【決定的】と思える会話
が収録されている。コレがあった、ということはもう物語も終盤
クライマックスまでどう盛り上げるか、興味を持って注目したい。

・・・上記、今年の春に書いてます(^^;)。
何故アップし忘れたんだろうか??

民王 シベリアの陰謀

#微妙


▼民王 シベリアの陰謀 / 池井戸潤(Kindle版)

池井戸潤の新作は、ずいぶん久しぶりの「民王」第二弾
氏にしては珍しい政治コメディで、前作は総理大臣父親とそのバカ息子
の心と身体が入れ替わってしまう、というドタバタ劇。テレビドラマにも
なった秀作で、かなり笑わせて貰った記憶が。

低値停滞する日本に、突然起こった未知のウィルス騒動。右往左往しなが
ら解決策を探る総理大臣とその周囲の人々、ソレに巻き込まれたバカ息子、
見え隠れする陰謀・・・といった感じ。今回は入れ替わりは特に無い。

言ってしまえば、現在進行中のコロナ騒動を絶妙にアレンジし、コメディ
に仕上げたなかなかの意欲作。いまこの時期にこの作品をリリースする、
というのは、かなりの勇気が必要だったのでは?とか思う。

もちろん爆笑出来るところもあるし、今回は前作で暴君ぶりを如何なく発
揮した総理の「格好良さ」というアイテムも。非常に面白かった、と言い
たいところなんだけど・・・。

・・・ごめん、まだちょっと笑えないや、僕は。
今の状況が今後どうなったとしても、あと1年したらもう一度読むつもり。
その時に大笑い出来ればいいんだけど。

W☆ING流れ星伝説

#Wrestling International New Generation


▼W☆ING流れ星伝説 星屑たちのプロレス純情青春録 / 小島和宏

週プロ名物記者小島和宏が、日本プロレス史上最大の「徒花」
とされている『W☆ING』及びその後継『W☆INGプロモーション』
全貌をまとめた書籍。こんなクソマニアックな本が出たことが、まず
は驚きなのだけど・・・。

とにかく、小島記者(そう呼ばせてください!)の熱量がもの凄い。
小島氏のプロレス関連書籍はだいたい読んでいるのだけど、ここまで
熱い思いが溢れる文章は他では読んだ事が無い。関係者である小島氏
が、ここまで熱くなれる団体、それが【W☆ING】である。

この本を読みながら記憶を紐解いてみたら、僕もW☆INGの重要な興行
はかなり生観戦していた事実に驚いた。旧W☆INGの旗揚げ戦、マスカ
ラスの登場したW☆INGプロの初興行、松永のバルコニーダイブetc…。
確かにあの頃のW☆INGには得体の知れない胡散臭さが溢れ、その怪し
さに魅了されていた時期が、僕にも確実にあった。

であるが故に、もの凄い文章量の本なのに一切の退屈が無い
プロレス本でありながら、しっかりしたドキュメンタリー。ただし、
読む人を確実に「選ぶ」作品であることに、若干の悔しさを感じた。
・・・のだが!

この本、すっげぇ売れている(!)らしい。
実際、Amazonで注文しようとしたら在庫切れのアラートが表示され
ていたので、わざわざ秋葉原の書泉ブックタワーまで買いに行った。
そういう人間の絶対量が多い、ということは、まだまだこの時代も捨
てたモンじゃない。ちょっと生きる気力が沸いて来たぜ!!