キム・イル 大木金太郎伝説

#原爆頭突き


▼キム・イル 大木金太郎伝説:海峡を越えた原爆頭突き / 高月靖

昭和プロレスマガジン55号から始まった連載「大木金太郎の流浪人生」。
大木金太郎というプロレスラーは昭和プロレス好きにとって実に魅力的
な研究素材。国交の無かった時代に韓国から密航し、力道山の弟子にな
る、というだけでも興味深いのに、コレに和を掛けて面白いのが韓国マ
ット界の暗黒過ぎる歴史。おそらくこの連載で、その辺りが鮮明になっ
ていく、と思うのだが。

この連載記事について、参考文献が幾つか記載してあった。既に所持し
ている本もあったのだが、今後の予習の為に改めて入手した2冊のうち
1冊がこの本。史実をしっかり調べ、さらに大木の周辺人物たちに細か
なインタビュー取材を敢行。結果、かなりしっかりしたドキュメント
作品に仕上がっている。

ちなみにこの本はおそらく絶版になっており、古本を当たるしか無い。
僕は幸いにも2,000円程度で購入出来たのだが、今Amazonを調べると
中古品で28,000円(!)から、という高値が付いている。昭和プロレス
に興味のある人は手に入れておきたい書籍なのは明白、そういう人たち
は資料に金を惜しまない(^^;)。ちょっと時期がずれていたら、おそら
く僕も数万円を使っていた可能性大である(^^;)。

普通に手に入って本当に良かった。もう1冊はまた別の機会に。

捻くれ者の生き抜き方

#C.A.C.C


▼捻くれ者の生き抜き方 / 鈴木秀樹

人間風車の正統後継者にして、日本一面倒なプロレスラーこと、鈴木秀樹の
著書。自伝というよりも、自信のプロレスラーとしての立ち居振る舞いを解
説したプロレスビジネス書、といった雰囲気。

ちょっと前、秋葉原の書泉ブックタワーに、昭和プロレスマガジンの最新号
を買いに行った折に、なんとか残っていたサイン本を入手。読みかけていた
本が数冊あり、しばらく置きっぱなしになっていたのだが、ここ1日で一気
に読んだ。

とにかく、デビューから今に至るまで、ずっと特異な場所に居続けた異色の
プロレスラーが鈴木秀樹。UWFスネークピットジャパンでビル・ロビンソン
からCACC(Catch As Catch Can)を学び、アントニオ猪木のIGFでデビュー
する、という経歴だけでも異色なのに、IGF崩壊後は強烈過ぎるダブルアーム
スープレックスで様々な団体を席巻。今の時代には珍しい、「強さ」をしっ
かり表現できるプロレスラーである。

僕よりもずいぶん年下なハズなのに、まぁ頷ける部分が多々ある内容。
ハードな練習をこなして確かな技術を手にしていることに加え、自分の意見
をしっかり言える心の強さと、【おもしろい】ことにアンテナを立てられる
センス。鈴木がフリーながら各団体で引っ張りだこなのも頷ける。

鈴木は今、WWEからコーチの依頼を受けて渡米中。
もちろん鈴木の指導を受けた選手がどうオーバーして行くのかも確認したい
が、願わくば鈴木秀樹がWWEスーパースターとして闘う姿も観たい。
このご時世なので帰国がいつになるのか定かで無いが、その時はどこかの会
場でこの本の表紙にもう一つのサインを貰いたいところ。

その時まで、この本はしっかり所持しておこう!

月下のサクラ

#正義のオンナ


▼月下のサクラ / 柚月裕子(Kindle版)

柚月裕子の新作。
記録によれば、僕が最初に読んだ柚月作品、「朽ちないサクラ」の続編。

警察事務員だった主人公・森口泉が、ある事件をキッカケに『警察官』を目
指すことを決意したのが前作のラスト。今作は警察官となった泉が、機動分
析係を志望するところから始まる。

僕は柚月裕子を「日本一男らしい女流作家」と評価しているのだが、女性が
主人公の作品になると、若干迫力に欠ける気が。泉の精神力と強い正義感は
非常によく理解出来るのだけど、物語の進行があまりにスピーディーであり、
あれよあれよという間に機動分析班の重要人物に成り上がる泉はちょっと不
自然で、ややリアリティに欠けるかもしれない。

それでも僕は前作を読んでいるので、ストーリーにしっかり入り込むことが
出来たのだけど、他の書評を見ると【シリーズ2作目】というアピールが殆
ど無いのが不思議。これはしっかり告知してあげないと、あらぬ誤解を生む
気がする。出版社の煽り文担当は今からでも書き足した方が良いかも。

何はともあれ、柚月裕子のシリーズ作品がまた増えたのは大歓迎。
次の作品あたりで、大爆発がありそうな予感。なんつっても、あの柚月裕子
なので。

ONE PIECE 99

#麦わらのルフィ


2021年6月4日、遂に「ONE PIECE」99巻が発売。
週刊少年ジャンプ本誌でも話題になった第1,000話が収録される記念巻。
もちろんサブタイトルは1,000話から【麦わらのルフィ】。

↑↑、ONE PIECE公式YouTubeチャンネルの99巻発売記念ARムービー。
日付が変わったと同時にこの動画が公開され、居ても経ってもいられなく
なった僕は、深夜2時にコンビニに走り、99巻を手に入れた。

1,000話前後の内容に関しては、ジャンプ本誌を何十回となく繰り返し
読んだので、今さら語るべきことは無い筈なのだけど、やはり1,000話
のルフィの立ち居振る舞い全てが「美しい」。ワノ国篇はまだまだ続き
そうだけど、この篇のクライマックスは今までで最高のカタルシスが得
られそう。

あと5年で終了すると言われるワンピース。
まさか100巻を超える超大作になるとは予想していなかったけど、なん
とかこの作品が終了するまでは生きていたい、と心から願う。

まずはカイドウをコテンパンに。もうグウの音も出ないくらい叩きのめ
して欲しい。海賊王はお前だ、ルフィ!

▼ONE PIECE 99 / 尾田栄一郎

行動心理捜査官・楯岡絵麻vsミステリー作家・佐藤青南

#エンマ様


▼行動心理捜査官・楯岡絵麻vsミステリー作家・佐藤青南 / 佐藤青南

佐藤青南の行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第9弾、ということで良いの
だろうか? これまでずっと統一されてきた英語の2Wordsタイトルが外れ、
一目見て物語の内容が予想出来るモノに。ちょっと長いけど(^^;)。

今回のエンマ様の捜査対象は新進のミステリー作家。文壇や専門筋からは全
く認められていないが、執筆しながら会費が高額なオンラインサロンを主宰
し、その会員たちが複数冊の著作を購入することで単行本の刷り部数が増大、
結果ランキング上位にいつも顔を出す、という曰く付きの人物。コレがエン
マ様にとって非常に厄介な技能を持つ人物で・・・という内容。

ああ、今ってこういう作家が居るんだ、とまず思った。
例えばキ○グコングの西○氏あたり(^^;)がそういう感じを醸し出している
気はするが、彼の作品・・・読んだこと無いけど・・・はおそらくそこまで酷く無
い気がする。他にはなんちゃら学会とか新興宗教系の偉い人たちがそういう
手法で本を売っている、というのはなんとなく知っているが、もっとリアル
にコレに該当する作家が存在する模様。そんな際どい人物に、自らの名前を
付けてしまうセンス、僕はキライじゃないです。

今回もミステリーとして非常によく出来ているのは間違いないが、ある意味
で現状の出版業界の問題点を突いているところが大きなポイント。これまで
のシリーズ作品の中でも圧倒的に深く、読み応え充分の良作かと。

・・・ただ、個人的には2Wordsタイトル続けて欲しかったなぁ(^^;)。