▼虎の回顧録 昭和プロレス暗黒秘史 / タイガー戸口(Kindle版)
“野生の虎”こと、タイガー戸口の自伝。
御年71歳にして未だ現役。この間のジャイアント馬場没20年追善興行の
バトルロイヤルにも出場し、元気なところを魅せてくれた、昭和を代表す
るプロレスラーの一人。
以前から著書を熱望されていた戸口さん。
その理由は、Gスピリッツ等の雑誌で時折見掛けるインタビューの面白さ
にある。とんでもない毒舌に加え、ややヤバめの話題でもポンポン口に出
してしまう暴露癖(^^;)。コレを思いっきり楽しむには、何かを一冊仕上
げてもらうのが一番。ということで、期待大のまま読み始めた。
・・・いやぁ、どうだろ(^^;)?
これまで読んだ各種のインタビューに比べると、やや大人しい感否めず。
お得意の「他レスラーへの悪口」も若干歯切れが悪いのは、自分史という
性質上、一つのことに文章量を割けなかったのが原因なのだと思う。
それでも、日本プロレス時代から今に至るまで現役を続け、そのキャリア
の半分を海外で過ごした豪傑の語る自らの半生は本当に面白い。自分の出
自を隠そうともしない姿は潔くてカッコイイし、馬場や猪木ですら一刀両
断してしまう口の悪さもある意味ですばらしい。プロレスとは如何なる物
か、が見えてくる佳作。プロレスファンならぜひ!