ロスト・ケア

▼ロスト・ケア / 葉真中顕(Kindle版)

早くも3本目となる葉真中顕作品。
「介護」を題材としたミステリー小説。犯罪者・検察官・被害者・民間
の介護企業担当がランダムに語り部を勤め、伏線の貼り方からその回収、
ストーリーの構成まで、全てに於いて非常に高いレベルでまとまってい
る「傑作」、と最初に言い切っておく。

・・・凄い。
いや、冗談ではなく、ここ最近で読んだ本の中では最強のインパクト。
現状の社会情勢そのものを思いっきり考えさせられる内容で、あまりの
リアリティに本気の震えが来た程。この作品に凡百のホラー小説が束に
なっても叶わないくらいの「怖さ」があるのは、もしかしたらかなり近
い将来、自分がこういう世界に置かれる可能性がやたら高いから。そう
なった時に、自分がどうするか?の審判を迫られた気がする。

ここからちょっとネタバレなので注意。

何が怖かったのかと言うと、例えば自分が要介護認定となった、あるい
はなりそうな場合、やっぱりなんとかして自らの命を絶とうとしてしま
う気がすること。介護・・・いや、世話をしてくれるであろう何らかの身内
にかけてしまう迷惑を思えば、それだけで「ただ生きている」ことが耐
えられなくなる自信がある。

もっともっと怖いのが、自分がこの作品の真犯人と同じように、重度の
介護が必要な身内を持ってしまった時、どういう感情を持つのか?とい
うこと。この作品の冒頭から出てくるワード、「安全地帯」を確保出来
るか否か・・・。ソレを考えると・・・。

とにかく葉真中顕、完全に僕の心に鞭を打ってくれた。
今のところ著作はそれ程多くなく、近いうちに全てを読み切ってしまう
のは確実。初めてかもしれない。「恐怖」に支配されるのは。

Lucha Libre Estrella Fiesta

後楽園ホールにて「Lucha Libre Estrella Fiesta」を観戦。
開催と参加選手が発表された段階で絶対観に行こう、と決めていた興行。
懐かしき「ユニバーサルプロレスリング連盟」の残り香を嗅ぐために・・・。

僕の本命は第三試合に登場したケンドー。
ユニバがあれだけ盛り上がったのは、間違い無くケンドーの存在があった
から。全盛期のケンドーは打たれ弱い、という致命的な弱点(^^;)こそある
ものの、ゴムマリのようなバネと立ち居振る舞いの面白さはピカイチ。
そして僕らに「応援すること」の楽しさを教えてくれたのもケンドーだった。

ケンドーも年を取り、動きはさすがに全盛期に及ばないが、その面白さだ
けは昔のまま。最後もイホ・デル・パンテーラにカンパーナを決め、見事
に勝利を奪って魅せてくれた。

そして、まさかの再来日を果たしたのがタケダ。
リングネームがタケダであった、という理由だけで日本に来たタケダは、
相変わらずマスク以外の特徴は無かった(^^;)のだが、そこに居るだけで
観客を楽しませてしまうのは凄い。


ケンドーやタケダをユニバのリングで最初に観たのはもう30年近く前。
あの頃からずっと大好きな選手(タケダはそれ程でも無いけど^^;)が、
今もリングに上がって観客に手を挙げてくれる。こんな幸せ、プロレス
ファンをやってなければ絶対に感じられない。ありがとう、ケンドー!

メインに登場したのは、これまた懐かしきエル・イホ・デル・サント。
しかも対戦相手の中にフェルサ・ゲレーラが居る。あまりの懐かしさに、
ちょっとだけ泣きそうになった。

そしてもう一人、ネグロ・カサスやエル・テハノ、そして浅井嘉浩と共に、
ユニバの「強さ」の部分を担ったシルバー・キング。ユニバ以降も各団体に
来日していたが、生で観るのは本当に久しぶり。身体は完全にヘビー級にな
っていたが、その迫力は未だ健在。いやぁ、凄ぇわ・・・。

試合内容については正直語る必要すら無いと思うのだが、敢えて言うなら、
「予想以上に良かった」としておく。何よりも、動くサントやケンドーを、
2019年の今、“観ることが出来た”という経験は何にも代え難い。

企画してくれたスターダム・ロッシー小川社長と、東京愚連隊に感謝を。
おそらくもう次は無い、と思うけど、もし2回目があるのなら、次回も必ず。
楽しかったなぁ、本当に。

政治的に正しい警察小説

▼政治的に正しい警察小説 / 葉真中顕(Kindle版)

葉真中顕作品、さっそく2本目。
全6編から成る短編集で、どれもテイストの違うバラエティに富んだ内容。
ハードボイルドあり、ミステリーあり、ヒューマンドラマあり、と、読む
のが楽しい作品。

完全にツボだったのが後半の2本、「カレーの女神様」とタイトルロール
の「政治的に正しい警察小説」。分類するならどちらもブラックユーモア
なのだが、双方が全く違うアプローチ。「カレー」は次々変わる語り部で
ミスリードを誘う巧妙なモノで、「警察小説」に関しては小難しい概念を
痛烈に皮肉ったハチャメチャな展開をハチャメチャなまま納める、という
力技を魅せている。共通するのは、読み終わった後にかなりゾッとする、
というところだろうか。

いやぁ、この作家、思った以上に凄いかも。
ハードな「絶叫」を読んだ後だから、この本のシニカルさがやたら際立つ。
葉真中顕の引き出し、もう少しいろんな場所を開いてみたい気がする。

これは万人にオススメ。短編集らしい短編集をお求めの方、ぜひ!

舎鈴・豚玉中華そばwithほうれん草

先週までの忙しさを引き摺り、妙にやる気の起きない日。
こういう日は無理に動かず、ただただボォ〜っとしてるのがいちばん身体
が休まる、ということにちょっと前に気付いた(^^;)。ならば夕飯も美味い
ラーメン、ということで、最近ヘビロテな↓↓のお店へ。

舎鈴 西葛西店・豚玉中華そばwithほうれん草。
こないだ海老つけ麺を食べて衝撃を受けたのだが、今回は何故だか最初から
ラーメンと決め打ち。チャーシューと味玉がトッピングされてるから豚玉、
というネーミングも良い。今回はコレにほうれん草を加えて注文。

・・・いやぁ、相変わらず安定の美味さ。
ここのラーメンは良い意味でクセが無く、抵抗無くツルッと入ってくるのが
嬉しい。しかし、あっという間に完食し、満足してお店を出たのだけど、数
分歩いただけで腹が減ってくる、というのは困りもの(^^;)。まぁ、朝昼食べ
ないで夕飯だけで済まそう、と思った僕が悪いのだけど(^^;)。

次、空腹時に行った時は普段はほぼやらない大盛を頼んでみようかと。
ここのラーメンだったら、きっと量食べられると思うので。

参考:舎鈴 西葛西店(RDB)

絶叫

▼絶叫 / 葉真中顕(Kindle版)

WOWOW・連続ドラマW、3月にオンエアされるドラマ原作がこの「絶叫」。
尾野真千子・安田顕という、かなり好きな役者陣がメインを張る、という
ことで大きく期待してるのだが、何故だかこれは先に原作を読んでおこう、
という気になった。葉真中顕作品は初読だが、以前からリコメンドにちょ
くちょく登場。いい機会だ、ということで。

・・・うわぁ、久々に来たぞ、コレ(^^;)という感じ。
いろんな意味で「重い」、そして「ヤバい」(^^;)。読後感はある種最悪、
イヤミス好きの僕なら大好物となってもおかしく無いのだが、この作品の
リアリティはあまりに凄い。人間のイヤな部分をデフォルメして書いてい
るのではなく、本当に普通の人間が陥ってしまいそうな転落劇をただただ
淡々と記述する。その様のジワジワ感に虫唾が走り、どうしても続けて読
むことが出来ない。それでも先が気になる、という恐ろしい本。

人物描写の巧みさに目を奪われがちなのだが、それが秀逸な叙述トリック
を形成。読後に改めて考えると、知らぬ間に多方面に張られた伏線がほぼ
回収されていることに気付き、感嘆の溜息を漏らした。驚愕、とまでは言
わないが、ラストの落としどころはこちらの予想を大きく覆すモノ。
読むのにパワーが必要だが、非常に良く出来たミステリーだと思います。

これはドラマ版に期待しちゃうなぁ・・・。
我らの安田顕が、どう考えても雰囲気の違うキャラをどう演じるのか?が
非常に気になるし、逆にどう考えてもこのキャスティングしかねぇだろ、
というキャラに扮する尾野真千子の演技がもの凄く楽しみ。

・・・現在、別の短編集を鋭意読書中。ちょっとハマるかも、葉真中顕。