Kron Gracie

「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016」フジテレビにて。
“ガキの使い”とのザッピング状態。正直言って今大会のカード編成はやたら
薄っぺらな感が否めず、個人的な注目度は相当低かったのだが、1試合だけ
確認しておくべき試合があった。

川尻達也 vs クロン・グレイシー
正しく“侍”な佇まいを感じさせる川尻は武士道に出ている頃から大好きな
ファイター。勝ち負けにかかわらず、試合は必ずヒートする。そんなプロ
の中のプロが、グリーンボーイ「MMAとは何か?」を教える試合になる
と思っていた。

皮肉なことに、結果は真逆となった。
クロンはクラッシャーの異名を取る川尻にほぼ何もさせず、完封してみせた。
その闘い方は“芸術”と言っても過言の無い、美しいモノ。文句の付けようの
無い試合、とは、こういう試合を言うのだと思う。

あの姓を持つ人間は全員がだと思っていたし、死ぬまで絶対に認めない、
と決めていたのだが、初めて言う。クロン・グレイシー、すばらしい。
こんなに完璧にMMAを闘うファイターを、僕はこれまで観たことが無い。

恨み骨髄だった筈のグレイシー一族に、遂にこんな選手が出て来てしまった。
悔しいが、2016年の最後に言わなければならない。

クロン・グレイシーに拍手とリスペクトを。
・・・僕の“完敗”だ。

巌流島「全アジア武術選手権大会 2016 in TOKYO」

以前からちょっと興味のあった格闘技イベント「巌流島」をようやく確認。
これまでフジテレビNEXTでオンエアされていたのだが、今回の
「全アジア武術選手権大会 2016 in TOKYO」フジテレビONEで放送。
このチャンネルならパックに入っているので、録画して確認してみた。

この格闘技、凄く面白いと思う。
3分1Rの3R制、選手は袖の無い道着とオープンフィンガーグローブを着用、
リングの代わりに囲いの無い円形闘技場で闘う。寝技は15秒、関節技は
立ち関節及びその状態からのグラウンド関節のみ有効。グラウンド状態で
のパウンドは有効だが、肘を使った攻撃は反則。勝敗は一本もしくは判定。
KO・ギブアップは通常通り一本になるが、何よりも特徴的なのは、1Rに
3回闘技場から押し出されると1本負けになること。この「転落」という
ルールが試合に緊迫感を生んでいる。

いわゆる膠着が殆ど無いため、試合展開が非常にスピーディー
カンフートーアコシティダンベなどという謎の格闘技や、格闘技か
どうかも怪しい喧嘩フットボールというバックボーンを持つ選手が登場す
るから、ファイターのことは知らなくても興味が続く。なおかつ、そうい
う格闘技の選手がやたら強かったりするのだから、本当に面白い。

メインで行われた1dayトーナメントはDEEPやパンクラスで活躍した
菊野克紀vs小見川道大。双方共に巌流島のルールをよく理解しており、
最近のMMAの試合の中では出色の試合内容。勝負を制したのは菊野だが、
両者に拍手を贈りたい。

いやぁ、いいじゃん、巌流島
このルールならどんな選手でも試合出来るし、退屈もしない気がする。
今後もフジテレビONEで放送してくれるといいんだけど。

山本美憂の「切なさ」

「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016」の録画を見た。
オンエアされた試合は全般的に激しいモノが多く、昨年大晦日や4月の大会に比べ
れば内容は上々。藤田完敗など、かなり悲しい場面もあったのだが、個人的
にいちばん切なかったのは↓↓この試合。

RENA vs 山本美憂
僕と同年代のかつての女王は、自分の娘でもおかしくない年齢の立ち技クィーン
に、完膚無き迄に叩きのめされた

山本ファミリーゴッドファーザー山本郁英の現役時代を僕は知らない。
だから、僕が最初に目撃した山本家の格闘家は、アマレス無敵を誇った美憂
あった。KIDの衝撃も凄かったが、全盛時の美憂はさらに凄いインパクト。まだ
競技人口がそれ程多く無かった女子レスリングでは、完全に「別格」な風格を醸
しだし、それでいてクールビューティーという言葉がしっくり来る色気。
山本美憂以上のスター性を持つ女子格闘家を、僕はいまだ知らない。

時代から見離されるにも程がある、と思う。
もうあと1大会前に女子レスリングが五輪種目になっていれば、金メダルを取っ
たのは絶対に山本美憂であった。総合格闘技に”女子”というジャンルが確立され
るのがもう10年早ければ、UFCの女子王者は山本美憂だったかもしれない。
なぜここまでタイミングが合わないんだろう・・・。

年齢的には難しいかもしれない。
でも、出来ることなら女王・山本美憂がリング上でガッツポーズを取る姿を、
一度でいいから見たい。相手は・・・RENAしか居ないでしょ、もう。
「神の娘」は、無冠であってはならないから。

UFC203・CMパンクは・・・

ネットでもう結果を知ってしまったのだが・・・。
人生初のMMAにチャレンジした元WWE王者CMパンクは、UFC203で行われた
ミッキー・ガルとのデビュー戦に完敗した模様。

総合格闘技の世界が甘くないことは理解していたのだが、改めてショック。
映像での確認は17日のFOXでのオンエアを待たなければならない。一応録画予約
は入れてあるのだが、果たして観るかどうか・・・。

しかし、パンクには持って生まれたカリスマ性がある。
まだデビュー戦、次戦以降にきっとチャンスはあると思う。CMパンクがUFCで
勝ち名乗りを上げる姿を、必ず観たい! それまで、僕は待つ!

LESNAR vs HUNT on UFC200

UFC200「LESNAR vs HUNT」・ラスベガスT-Mobileアリーナ大会。
ジョン・ジョーンズの出場停止でこの試合がメインになると思ったら、女子の
試合がタイトルロールに(^^;)。まぁ、別にいいんだけど(^^;)。

5年ぶりにオクタゴンへ復帰した元IWGP王者ブロック・レズナーの対戦相手は、
日本でもお馴染みの元K-1王者マーク・ハント。現在UFCヘビー級8位のランカー
で、ブランクのあるレズナーにはキツい試合になる、と思ったけど・・・。

ほぼ完全に試合を支配したのは我らがレズナー。
1Rはフットワークフェイントでハントのパンチを定めさせず、両足タックルから
テイクダウン→パウンドという理想的な展開。2Rにはややスタミナが切れた、と
思わせながら、3Rは序盤からタックルでハントを倒す。約4分間に渡りパウンドを
落とし続け、あのマーク・ハントを完封してしまった。

判定は3-0ブロック・レズナーの勝利。いや、痺れたね、全く。
今回の試合はワンマッチのみの特別契約。以降もUFCに継続参戦するのでは無く、
8月以降はWWEに復帰する予定(サマースラムでvsランディ・オートン戦)。
勝ち逃げ、ということになるのだが、それもいいでしょう。
プロレス最強、ということで。

今回はWOWOWとUFCの契約が切れたため、ニコ生のタイムシフトで観戦。
コレを無料中継してくれたニコ生に、本当に感謝します!