CASIMERO vs AKAHO

#ノーコンテスト


韓国・仁川で行われたトレジャー・ボクシング・プロモーション第一弾興行
ベテランの「倒し屋」こと赤穂亮が、自信のキャリアを掛けて闘ったのは、
なんとあのジョンリール・カシメロ。我らの井上尚弥を罵倒しまくった上に
WBO世界バンタム級タイトル剥奪された、あのカシメロである。

WOWOWオンデマンドで中継されていたので、コレをライブ観戦。
ノンタイトル・スーパーバンタム級10回戦で、カシメロにとっては一つ
上の階級に当たる。

両者共に強打者インファイターだが、試合が始まるとやっぱり感じてしま
実力差。体格で劣るハズのカシメロの出入りは凄まじく、1Rから強烈な
ワンツーをヒット。対する赤穂もしっかり食い下がってはいたが、さすがに
この段階で最終ラウンドまでは保たない気がした。

2R、膠着後のブレイクでグラブを合わせに行った赤穂に対し、カシメロは
ソレを無視して速攻。しかし身体を入れ替えて対応した赤穂がカウンター
当て、なんとカシメロからダウンを奪う快挙。ただしカシメロにダメージは
見えず、立ち上がった後に恐ろしい勢いでの猛攻。青息吐息状態の赤穂だが、
クリンチで凌ごうとしたところに、カシメロのラビットパンチ(反則の後頭
部への打撃)がヒット。レフェリーはタイムを要請して赤穂の回復を待った
が、赤穂はコーナーに座り込んだまま立ち上がれず・・・。
しばらくの後、無効試合を告げるゴングが鳴らされた。

・・・う〜ん(^^;)。
カシメロのことは大っ嫌い(^^;)だけど、今回の反則はけして故意では無い
気が。両選手ともに攻撃的であるが故、試合の流れの中で偶然出てしまった
パンチが、これまた偶然後頭部に当たっただけかと。正直、あのパンチが無
かったとしたら、おそらく勝者はカシメロだった気がする。

しかし、赤穂もタイミングとはいえ、あのカシメロからダウンを奪ったのは
賞賛に値する。勝ち目は限りなく薄かったが、同じタイミングで強烈な一撃
が入った可能性も否定出来ない。つくづく惜しいアクシデントだった。

だけど、今回の試合を観て、カシメロが尚弥の相手にならないことも明白に
なった。ダウンを奪われたあのパンチを繰り出したのがもし井上尚弥であっ
たのなら、カシメロが立って来ることは無かった、と断言出来る。

もしまだカシメロが井上尚弥との対戦を希望するのであれば、スーパーバン
タムでタイトルを奪って待っていればいい。きっと尚弥がイージー四階級
目のベルトを取る事になるので。

TERAJI vs KYOGUCHI

#日本人対決


ライトフライ級統一世界選手権
WBC王者寺地拳四朗と、WBAスーパー王者京口紘人が一騎打ち。日本人
同士の統一王座戦は、2012年の井岡vs八重樫以来。

両者のこれまでを比較すると、7-3で拳四朗が有利。しかし、個人的に京口の
ボクシングスタイルには好感を持っており、京口を贔屓した上でのTV観戦に。

しかし、自力で勝る拳四朗はさすがに強く、5Rに強烈なストレートを当てて
京口からダウンを奪う。見るからに深刻なダメージで、やはりダメかぁ、と
諦めかけたのだが・・・。

なんとラウンド終盤巻き返しを掛けて魅せた京口。
正直言って【あり得ない】シーンであり、京口の精神力だけで起こした奇跡
この5Rの攻防は、おそらく日本のボクシング史に残るビッグラウンドになっ
た気がする。

しかし、7Rで完全に力尽きた京口。
6Rを流し、スタミナを回復した上でしっかり試合を片付けた拳四朗、やはり
並の世界王者では無い。

もし井上尚弥という存在が無ければ、おそらく現在の日本ボクシング界は
寺地拳四朗を中心に回っていた気がする。四団体統一が成されれば、尚弥と
の差は大きく短縮されるハズ。拳四朗ならやっちゃうかも・・・。

WILDER vs HELENIUS

#小型ヘビー級


ニューヨーク・ブルックリンで行われたデオンテイ・ワイルダー復帰戦
対戦相手のロバート・ヘレニウス曲者ではあるが、ワイルダーのレベル
には正直届いていない。にも関わらず、ワイルダーの不利が予想されたの
は、過度な減量(^^;)。11kgの減量ってどうよ?と心配してたのだが・・・。

・・・見事
倍増したスピードに加え、キレの増した重いパンチが的確に当たる。
コレを観る限り、減量は大成功。なんつったて、普段あんまり出来ていな
KO勝ちが出来たんだから。

ただし、カウンターで当たったパンチはちょっとラッキーだったような・・・。
コレを「狙って打った」と毎回言われるようになれば、最強のヘビー級王者
になれそうな気がするんだけど。

INOUE vs BUTLER

#会場規模


年末の開催が噂されていた井上尚弥四冠戦正式決定
2022年12月13日、対戦相手はWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー
IBF・WBC・WBAスーパー同級世界王座を保持する井上が、この試合に勝利
すれば日本人初四団体統一王者に。日本ボクシング史に残る日になることは
もう間違い無い・・・のだが!

問題は会場
有明アリーナは新しい会場だが、キャパシティはたった15,000
それでなくてもチケットの取れない井上の試合なのに、こんな狭いところで
やらなくとも・・・と思ってしまうのは僕だけではあるまい。

さらに、今回はdTVひかりTV独占配信
別にどこが配信しようと構わないのだが、どうせならアカウントを持ってい
るところ(AmazonとかAbemaとか)でやってくれると助かったのに(^^;)。
取り敢えず開催までにdTVのアカウント作るしかないな、こりゃ。

・・・まさか、負けないよね、絶対

PXB PHOENIX BATTLE 91

#漢


国際式ボクシングに転向した元K-1王者武居由樹5戦目王座戦
OPBF(東洋太平洋)スーパーバンタム級タイトルマッチだが、この興行
Abemaで生中継されたので、なんとなく確認してみた。

武居は圧巻の内容で王者を圧倒し、ボクシングでもタイトルを獲得
近い将来、世界戦に打って出れるポテンシャルを魅せてくれた。が、
今日の主役は正直武居では無かった

セミファイナル、スーパーフェザー級8回戦
大橋ジムの最古参、40歳岡田誠一と、43歳高畑里望の一騎打ち。
キャリア的にもランキング的にも、負けた方が引退を余儀なくされる一戦
コレが、もの凄い熱戦となった。

・・・とにかく、高畑熱かった
180cmの長身ながら、見事にシェイプされた身体。しかし、頭は白髪
目立つ。格的には3歳年下で日本王者経験者の岡田が上なハズなのに、2R
に岡田から見事なダウンを奪った高畑。こうなると俄然応援したくなる。

実際、1Rから7Rまでの全てで、試合を支配したのは高畑
あと3分岡田の攻撃を凌げば、おそらく判定で勝利出来たのだが、最後は
岡田の強打を浴びて無念のKO負け逆転した岡田もまた凄かった。

何の予備知識も無いオヤジボクサー同士の試合。
にも関わらず、試合終了後は感動が抑えられずに思わず号泣してしまった。

こないだの3150FIGHT同様、全試合でインパクトを残した興行。
Abemaボクシング中継、マジで凄く良いと思います!